【理学療法士@疫学】データ解析の「混ぜるな危険」
大学院で学んだ、疫学・公衆衛生学の視点をもとに健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。
最近は、今まで重点的に行っていた疫学の知識をもとに、理学療法の臨床現場に応用させたデータ解析や情報の利活用の学習に力を入れています。
■ ある年齢から、データをまとめる作業が増える
もう40歳過ぎた、中年セラピストなのですが、
●●主任などと、役職がついて中堅どころになってくると、データを整理する仕事が、急激に増えますよね?
データ解析のキモは、
「今までの状況把握」と、
「それを踏まえて、今後どうしていくべきかの意思決定支援」
が重要と思っています。
そのような事をあまり習わずに、急にその年代に突入するのですから、
皆さん、結構大変な思いをされていると思います。
(最初は、Excelの使い方すら分かりませんでした)
■ 依頼されたデータを、ただまとめれば良いわけではない
10年くらい前に、リハビリ中のインシデントを防止するため、現状を分析するように依頼されました。
*インシデント:ここでは、実際には事なきを得ているものの、事故につながりかねない状態のこととします。
この時では、あまりデータを解析するという事が無かったので闇雲に実施しました。
上司)ここから言えることは?
ジ)「●●の事象が多いですね…。」
以上。
かけた時間以上に、得られるものが少なくて、
「モウ、コンナシゴト、ニドトシタクネェ」
と思いました。
■ どのようなデータ収集、解析をすれば良い?
大学院の疫学教室では、何か事象をまとめるとき、TPPに意識しなさいと教えられました。
■ 疫学のTPPとは
Time(時間)
Place(場所)
Person(ひと)を指します。
前述したケースに当てはめると
「インシデント=起きてほしくない事象=アウトカム」が
起きやすい時間や場所は?
どんな人がインシデントを起こしている?(例;新人?ベテラン?)
TPPのどのような組み合わせの時に発生が多い?
全てのデータを一まとめに混ぜてしまうと、頻度だけの分析になりがちです。
分析に、TPPのTipsを取り入れて、少し分解して分析をすると、見えてくるものがクリアになります。
そして、より現場で活用されやすい分析結果になると思います。
■ まとめ
・ある年齢くらいから、データを集計したり、まとめたりする仕事が急増する。(若いうちから、意識をしておいた方が良いと思います)
・データ解析など、医療従事者は大して学んでこなかったのだから、単純な集計になりがち。
・集計データに、疫学のTPP(Time、Place、Person)を意識してまとめると、情報がクリアになり、現場で活用しやすくなる。
自分でも、この分野が得意な方ではないことを自覚しています。
しかし、成り行きでスゴイ場所に来てしまったので、腹を据えて取り組みを継続します。
↓↓ 今、どこで何してる?
↓↓ 統計、勉強、辛い
↓↓ そもそも、お前誰よ?
↓↓ 疫学に興味を持ったら….。
2冊目はロスマン! 1冊目に読むと挫折しますが、とても有益な情報がたくさん書いてあります!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?