呉海 憂佳(yuuka kuremi)

仕事の繁忙期は遅くなりますが、ゆるゆる更新しています。小説、詩、エッセイ、イラスト、3DCGなど出来ることを増やして小さな世界(作品)を創るのが夢です。フォロバ強化中ですので気軽にフォローしてください(^ ^)。マガジンによって文体のテンションが全く異なるのはご容赦を……。

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マガジン

  • うた

    気ままに書いた散文詩や、短編小説たち。 一話完結のものを集めました。気軽に読んでやってください。

  • 旧実家VR化プロジェクト

    失われた実家を《blender》という3DCGソフトを駆使して復元すべく、素人が悪戦苦闘する様子を記録するマガジンです。

  • 感想文

    私が読んだ小説、漫画をはじめ、いろいろな感想をしたためたマガジンです。ネタバレなしを原則にしますが、ある場合は注意書きを入れるつもりです。オススメからそうでないものまで。好きな小説家は、恩田陸さん、皆川博子さん、小川洋子さん。

  • ざつ

    雑記、エッセイなど。サムネも含めて丁寧に仕上げようとすると、更新が滞ってしまうので、気軽にアップ出来るようにするために作りました。サムネは《雑》でも、中身は考えているつもりです( ˇωˇ )

  • 夢絨夜

    自分なりの『夢十夜』を書いてみたいと思い至り、高校生の頃から夢日記を付けてみたら七十までやってきてしまいました。読み方はそのまま「ゆめじゅうや」です。千夜一夜までいけるかは、私の寿命次第です。

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呉海憂佳の自己紹介

はじめまして。 呉海憂佳と申します。 noteを始めてから暫く経ってしまいましたが、 自己紹介をしてみようと思います。 もし良ければ暇つぶしにでも 読んで頂けるととても嬉しいです。 私がnoteで叶えたいこと。それは「こんなお仕事してみたかったな」という 夢を実現させることです。 私は昔から小説や音楽、絵を描くことが好きで、 できることなら「家系」の仕事に就きたい と思っていました。 (小説「家」、音楽「家」、画「家」どれも家がつくので勝手にこう呼んでいます笑) でもこ

    • 【詩】色命

      紅葉から鮮やかな赤が 銀杏から賑やかな黄色が 鉛色の冷たい雨とともに大地へ染み入ると 地上には生命の思い出だけが セピア色に残るでしょう 「厳しい雪に覆われて  全て漂白されてしまうのを  ただただ待つしかできないなんて」 いいえ、きっと季節が巡れば 赤や黄色は花となって やがて還ってくるでしょう 貴方が流したその涙さえ いつかは生命に変わるのですから だからその身が熟すのを 恐れて待つのは勿体ないこと 生命を巡る色々の中に いつか貴方の混ざる日が来ても 私が必ず貴方の

      • 掌編│23時と夢のあいだ

         夜風が涼しい。すっかり秋だ。  彼女はベランダに出て、白いプラスチックの椅子に座る。バーベキュー用のテーブルセットを常設してあるのだ。  タワーマンションでもなければ都心でもないので夜景が綺麗というわけではないのだが、彼女は田舎の、このこぢんまりとした団地のベランダで過ごすひとときを愛していた。すぐ近くの道路を走る車の音、部屋から漏れるテレビ番組の笑い声がなんだか落ち着く。  彼女は声が混ざるほどの深い溜息をついて、キャンドルライト風のLEDを点けた。この安っぽい炎がゆら

        • 【SS】実りの秋事件

           爽やかな、という文字が道端に落ちていた。  トキコはぎょっとして、制服のスカートを押さえながらしゃがみ、手に取ってみる。 「チラシの切れ端?」  見れば、畑に囲まれた田舎道の上にぽつぽつと白いチラシの切れ端が落ちていた。 〈いやいや、ヘンゼルとグレーテルかよ〉  心の中でツッコミながら、もう一度切れ端を見つめる。一体どんな「爽やかな」物を載せてたんだろう。 〈爽やかな……後味のガムとか? イケメンとかだったら面白いけど〉  今ならお手頃価格でイケメンが手に入ります、と書かれ

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          【詩】秋の行進曲

          木の実と葉が織り成す秋の絨毯 冬の装いした動物たち 淡い靄を夕暮れが染めて 長い夜の帳がおりる 秋の虫のすずやかな声 梟はホウとため息 アンドロメダは冷たく光って 眠る森を見守っている 目が醒めないことを覚悟しながら 寝床についた動物たちも 麗らかな朝日に秋を感じて 安堵に胸をなでおろし 短い秋を精一杯に 駆け抜けてゆく みなさんこんにちは。 今回も #シロクマ文芸部 の #お遊び企画 に参加しています。 季節は少しずつ秋めいてきましたね。 夜長に寄り添える #詩 となれば

          魔人の燐寸

           金色に燃え上がる林檎は、眩しく、暖かく、夜空に高く浮いてまるで太陽のように豊かな光を降らせると、華やかに散りました。後には星屑が舞っています。アンネは感動でくっと息を飲みました。  少女の手には、森の中で見つけた燐寸(マッチ)がまだ二本、握られています。その燐寸が入っていた箱には、こう書かれていました。 《森で見つけた枯れ枝にこの燐寸の炎を移して、捧げ物をくべなさい。それに見合う幻想をお見せしましょう》  彼女はいっぺんに見てしまいたいと思いましたが、貧しかったために捧

          【短編】雨の秘境

           夕焼けは煮え崩れる玉ねぎのように甘く溶けだして、降り止むことを知らない雨を黄金に染めた。  千年もの間、雨が降り続けている街・深水(シンスイ)は、区域全体の九割が水の中にある。この永い雨災に見舞われるようになってから、深水の民は水に浮く建物を造るようになり、その中で暮らすようになった。人間の「慣れ」というのは凄まじいもので、百年も経てば皆、この不思議な暮らしぶりにすっかり適応した。それから千年経ったとなれば、言うまでもないだろう。 「初めまして、翠蘭(スイラン)と言いま

          【掌編小説】サラマンダーの息吹

           風の色に鉄錆のような赤が混ざり始めたのを見て、ムゥジは慌てて自宅へ駆け戻った。 「赤風が来そうだ」  ムゥジが戻ってきたのに気がついたドリィは、 「あら、今日はそんな予報あったかしら」  と首を傾げる。 「最近は急に赤風が吹くことが多くなったからなあ。もうこの村も住めなくなる日が近いのかもしれん」  ムゥジは静かに眉根を寄せながらゴーグルとマスクを外すと、身体中に付着した赤風の粉を吸着シートで拭った。そのまま木の椅子に腰を下ろし、これから会うはずだった友人に赤風が止んでから

          【掌編小説】サラマンダーの息吹

          架空植物記《ヨルアオイ》

           月の色に染まりあがった夜花を見て私は息を飲んだ。 眩い銀色の花弁からはらりと露を零すと、耐えかねたようにひとつ、またひとつ、花が崩れていった。   ヨルアオイは自ら死を選ぶ珍しい植物だ。  中秋の満月の日に一斉に溶けだしてしまうことで、辺り一帯を水溜まりに変えてしまう。そうすると、そこにいたほかの植物たちはじき死んでしまうのだ。  今まさに、美しい花の群れはみるみるほどけてゆき、次第に満月のような水溜まりへと姿を変えていた。この母なる泉の中で生き残ることができるのは、ヨル

          架空植物記《ヨルアオイ》

          【ショートショート】ひみつきち

          「懐かしいって思っちまうんだよ、俺くらいん歳になるとさあ」 「えー、でも店長が食べてた時と全然違うよ絶対!  同じに見えても進化してるんだからあ。今度渋谷連れてってあげよーか?」  葉月の提案に店長は眉をしかめて首を振ると、 「いやいや、中学生とおじさんが一緒に歩いてたら周りから変な目で見られでしょ、やだよ」   掠れた声で軽く笑った。  ここは、家に居場所がない子どもたちがやってくる子どものためのバーだ。「バー」といっても、もちろん子ども相手にお酒は出さない。代わりにアル

          【ショートショート】ひみつきち

          【詩】レモンのうた

          レモンから 爽やかなうたが 聴こえてくるよ 耳にも鮮やかな黄色い声色に 甘酸っぱくてフレッシュな旋律で まあるいからだを朗らかに揺らしながら 陽気な太陽のうたをとても愉快に歌っているよ けれどもママがぎゅうぎゅうレモンを絞りあげ 「かわいいかわいい私の坊や、どうぞ召し上がれ」 おいしいレモンのパイにしちゃったもんだから ぼくはちょっぴり悲しくなっちゃった けれども今度はぼくのおなかから あのうたが聴こえてきたんだ だからぼくもおなかを 愉快に揺らして 一緒にうたを 歌ったよ

          【詩】レモンのうた

          【掌編】誕生

          流れ星が賑やかな夜、 一つだけ仲間とはぐれたその星は、 ツーと夜空を滑って湖に落ちると たちまち虹色の閃光を広げて辺りを燃やしていった──  小夜子は胸の苦しさに目を覚ましたが、心は先程まで見ていた夢に抱かれたままだった。  星が湖をはげしく燃やし尽くす光景の、なんと美しいことか……しかし、そのえも言われぬ美しさにはどこか背徳の影が色濃く差していた。 〈正吉さんに話したら何と仰るかしら〉  小夜子の脳裏に、正吉が声を立てて笑う顔が浮かぶ。  お前は心配性なんだから、そう言

          【詩小説】月患い

          今朝の月の、なんと幸の薄そうなこと ぼうっと白く、息も絶え絶え浮かんでる 「まるで姉様みたい」 自分の口からついて出た言葉に 自分がいちばん驚いていた 病弱な姉様が羨ましかった めらめらと嫉妬が燃え上がる 太陽の如き私の心は きっと醜くてあさましいんでしょうけれど でも、姉様? お母様の御心も、 そしてあの方の御心も、 貴方にかかりきりなのよ だから姉様 ずっと消えないでいて 消えてしまったら あの方の御心が私に向くことは 生涯なくなってしまうから #シロクマ文芸部

          【詩】黒い花火

          花火と手をつないで 夜空に打ち上がってしまいたい ぱっと弾けたら消えたふりをして そっと君の白シャツを火薬色に染めてやる #シロクマ文芸部 に参加させていただいております。 #花火と手 #詩

          【掌編】狸の夢

          夏の雲は空を流れて何処へゆくのだろうか。 弥助は、墓地が見える丘で寝転がりながら煙草をくわえた。紫色の煙が空に向かって昇ってゆく。  お盆だというのに、この墓地には人っ子一人いない。貧しい弥助は、お下がりを頂戴しにわざわざやって来たのだったが、あてが外れてがっかりしていた。 「一体どんなやつが眠ってるって言うんだ?」 弥助はふらふらと立ち上がって、お盆参りにも来て貰えない仏たちを興味本位で見てやろうと考えた。 当然の事ながら、縁もゆかりも無い人達の名前がずらずらと並んでい

          【詩小説】風の子

          風鈴と戯れる子どもたちが、 私の目に青く眩しく映った。 強烈な陽射しに 透けてしまいそうなほど柔らかい髪を 奔放になびかせて、 子どもたちは駆けてゆく。 洗いたての服をはためかせて、 青々とした草木をゆらして、 たのしそうに笑いながら、 子どもたちは駆けてゆく。 くるくると渦を描いたと思えば、 まっすぐに疾走したりしながら、 私の方へやってきて、 すれ違いざまにハラリ、 スカートの裾をめくっていった。 あまりの無邪気さに 私もついつい笑ってしまって 、 遠くなってい