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自分が成長しにくかった原因

先日、ある方とお話をする中で、自分が成長しにくかった原因が少しずつ分かってきました。

結論からいうと、教材研究の質です。

少し前までの自分

自分は、少し前までInstagramやTwitter、フォレスタネット等で担当学年の板書や実践を見ることが多かったです。

実践を見る際には、
・子ども目線なら
・指導する目線なら
・学習材としては
・自学級で行うとしたら など
様々な目線や考え方があります。

見る実践の単元にもよるのですが、教材についての知識が少なければ、自分は学習材目線や指導目線に寄りがちでした。

その結果、自学級の子どもにそぐわない、一見うまくいったように見える授業になっていました。

他の先生の実践には、その学級でそれまでに積み重ねられてきた文化や背景があります。そして、その先生自身がした教材研究があります。
そこを抜かして、実践の上部だけを真似てもやはり難しいものです。

”他の先生の教室と自分の教室を重ねる”
そういうところまで考えが及んでいませんでした。


少し前から取り組んでいること

授業前の取り組み

”教材研究が教師の一丁目一番地”
私の大好きな先生が言っていた言葉です。

算数では、指導要領と教科書を使用しています。

順序が変わることはありますが、まず指導要領にはどういう記載があるのかを読みます。特に、思考力、判断力、表現力の部分に重点を置いて読んでいます。

例えば、4年生の「垂直、平行と四角形」であれば、以下のように記載されています。

”イ  次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
 (ア)図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,構成の仕方を考察し,図形の性質を見出すとともに,その性質を基に既習の図形を捉え直すこと。

文部科学省(2018),p.198
※ダウンロード版で見ているため、ページ数に異なりがあるかもしれません。

この”図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し”という部分を大事にします。この単元でいえば、既習の「辺の長さ」「角の大きさ」という視点で図形を見ることと「垂直」「平行」があるかで図形を見ることが重要だと思いました。

また、教科書は、単元まるごと3社の教科書を読んでみて、その単元の核となる部分を探します。

そして、問題の数値や順序が違う場合は、その意味を考えます。
どの順序だと単元の核となる部分を子どもに気付かせられるか、身に付けられるかを悩みながら決めていきます。

先ほどの「垂直、平行と四角形」の場合は、大まかに以下の流れは共通していると捉えました。

まず、垂直や平行という見方を学んだ後、四角形の弁別を平行という視点から行う。その後、それぞれの図形について考察していく流れです。

弁別や作図、性質を見出す際に指導要領に記載があった「辺の長さ」「角の大きさ」「垂直」「平行」という視点が生きてきます。

そのため、この単元であれば「〇〇ってどんな形なのか?」という部分を先ほどの4つの視点から考察できるようにすることを大事にしたいと考えました。単元の最後には5つ目の「対角線」という視点も出てきます。

このように、まず学習材についてじっくり見ることが多いです。
その上で、子ども視点「どんなハテナをもつか」を考えたり、
指導視点で「どんな形か気になるには、どういう働きかけや場が必要か」を考えたりします。

学習材を見て、調べて、自分が大事にしたいことが定まった上で、子ども視点や指導視点に立つことが、良いんだろうなと感じています。

授業後の取り組み

授業後の取り組みとしては、振り返りです。
・自分がどう働きかけてどんな反応だったのか。
・次にどう生かしていくのか。
などを振り返っています。

最近特に意識しているのは、子どもの名前を入れることです。
具体的に、
「Aさんはこういう素敵な反応をしていたから、次の時間に価値づけよう」
「Bさんは今回はあんまり学びに向かえていなかったけど、なんでだろう。次の時間は、もう少しBさんに投げかける場面をつくってみよう。」
などです。

なかなか全員の名前を入れることは難しいですが、一歩ずつ一人一人が愉しめる算数の授業に近づけるよう振り返っています。


これからの取り組み

これから取り組んでみたいことはシンプルです。
ただ、自分がまだまだ足りないところです。

それは、子ども目線で教科書を見ることです。

算数に限らず、どの教科でも教える立場として「この授業で大事なことはなんだろう」という視点で教科書を見ていることが多いです。

まだまだ子ども目線で教科書を見ることができていません。
教科書の問題に対してどう思うのか、どんなハテナを感じるのかなど、教科書とじっくり向き合う時間をつくっていきたいです。


最後に

「少し前までの自分」に書いた他の先生の実践を見ることは悪いことではありません。
むしろ、見る前や見た後が大事なのだと思います。

もちろん忙しいときもあります。
ただ、「インスタントな教材研究をするために」ではなく、自分がより深く教材研究をするために、他の先生の実践を参考にしていきたいです。

”教材研究が教師の一丁目一番地”
忘れずにそして楽しんでいきたいです。

【引用・参考文献】
文部科学省(2018)『小学校学習指導要領解説(平成29年告示)算数編』,日本文教出版

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