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まとめ編 11:アクションスター級への道

石田憲一
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1月は、過去の配信を1週間分ごとにまとめて編集したものをお届けします。

<アクションスター級への道>

月:アクションスター級とは
アクションの定義、価値観が変わってきている
その変化は、まさにシフティング・ベースライン・シンドローム。
撮影機材や技法の普及で、映像化のアマチュアクオリティーは上がってきているが・・・
圧倒的に物足りないのは、アクションスター級が不在だから。
例えば武術の達人であったとしても、物足りないから、どこまで行ってもB級に留まる。
アクションの技術性を正しく構築するなら、それこそは「アクションスター級への道」ということになるだろう。

火:アクション技術段階論
アクションの技術は段階的に分けるべき、これがアクション技術段階論。
最大の理由は、技術がジャンル別という形で分散されてしまっているから。
それは結局のところ分業体制の維持にしかならない。
分業ではなく総合がアクション本来の姿である。
総合=「全てできる」ではなく、「全てやる」という挑戦の姿勢がアクションの原点。その上で諸事情によりできないことだけ吹き替えというのは問題ないのだが、吹き替えありきは問題である。
理想は自分でコントロールできるということ=自律的制御。
他者=出資者の都合のいいようにコントロールされることに従順なのは、アクション的に間違い。
アクションとは本来、何も持たない俳優がのし上がるための唯一の武器だった。だから作品がB級でも仕方ない面がある。
それをメジャー作品に利用されている現状はいかがなものか。
そしてそれに対応するかのような、分業体制と、分業前提でのアクション表現のあり方は本来の道から外れている。
だから、正しいあり方で身体性、身体表現性を高めるためのアクションとその技術体系を確立する必要がある。
そうでないと、アクション自体が使い捨てされることは目に見えている。

水:マトリクスの抽象化
アクション・マトリクスを抽象化すると、技術性が浮かび上がる。
横軸=剣・素手LIVE・素手MOVIE
横軸の話。
本来なら素手LIVEを基本として最初に行うのがよい。
なぜなら剣にも素手MOVIEにも滑らかに移行できるから。しかし現実はそのようになっていない。達人だけが、そのことを知っていた。

木:マトリクスの縦軸
縦軸=シンクロ・ムーブメント・エクスプレス
縦軸は本来、段階ごとにマスターしていくのが望ましい。
それぞれの階層ごとに、独自の技術体系を持つべきである。その体系が、各団体などのシステムのあり方となるわけで、画一的なシステムがあるわけではないが、階層ごとに分けるという方法論は、踏襲した方がよい。
シンクロは、全てに共通する。
ムーブメントは、みんなが大好きな技や、よく動くということ。
エクスプレスは、アクションスター級とそうでないものを分ける技術。

金:アクションスター級への道+まとめ編
アクションスター級への道とは、1)技術体系がアクションスター級に達することができるように段階的に構築されていること。2)その道を歩んでいくことで、それに比例した効果が得られること。3)だから時間をかければ、誰でもアクションスター級に近づくことができるように設計された道であること。4)結果的にアクションスター級になろうがなるまいが、俳優としての魅力やパフォーマンスを確実にバージョンアップさせるものであること。
ゴール設定をアクションスターではなく、アクションスター級を目指すとして、「できるけど、やらなくてもいい」境地にあればいいわけだ。=作品に最適な表現を選択する。その結果、派手な見世物的表現を封印することもある、ということ。
しかし、いざというときは(練習も含めて)お手本となるような動きを体現できるような存在であればいい。そのような誇り高き存在こそが、理想のアクションスター級なのである。 
つまりアクションスター級への道とは、アクションの本質を極めることであり、別の言葉ではリアル・アクション・マスターと定義している。
その特徴は、資格のようで資格でない、存在感=プレゼンスと、雰囲気=アトモスフィアによって感じられる、圧倒的な実力からくる余裕によって感じられる魅力が、資格を超えて説得力を持って伝わるところにある。それがイコール俳優の魅力となればいいということ。

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