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自分の持ち場で輝く、あの人が好き

自分だけの持ち場で、
まるでスポットライトが当たっているかのように輝いてる人を見かけると、
なんだか嬉しくなる。

大きくても、小さくても、
「ここがわたしの場所」って受け入れて動く人は、
やっぱり光がちがう。




フィリピン人のランドリーのおっちゃん。
"Hi Ms.Tanaka~" って、
仕事のユニフォームを出しに行くたびに笑顔で迎えてくれていたのを思い出す。

仕事は確実で、「この服だけ急ぎで仕上げてほしい」なんて
細かなお願いも、しっかり覚えていてくれる。

「ついでにここにあった汚れもとっておいたよ」
そんな一言を、何気なくさらっと言う。



まるであの小さなクリーニング屋さんのライトが、
すべておっちゃんの頭上に当たっているみたいに、
おっちゃんは輝いていた。


でもある日、クリーニングを出しに行くと、
担当が別の人に変わっていた。

それから、苦情の嵐…

預けた服が帰ってこない
他の人のものと紛れてしまう。

おっちゃんのときには感じたあの安心感は、どこにもなかった。

あのスポットライトは、おっちゃんの上にこそ当たっていたんだと、
そのとき気づいた。




「今日はなんだか自分に自信ないなあ」
そんな日は決まって、
下の階にあるマッサージサロンへ行った。

指名するのはSandy。
インドから来た、無口だけど、いつも最高の笑顔をくれる女の子。

英語はほとんど話さないけど、"OK?"だけを優しく確認しながら、
凝っている箇所を少し強めに押してくれる。


肩と背中のあたりをほぐされると、ふっと悲しい気持ちが込み上げることもあるけれど、
次の瞬間、それがスーッと消えていく。

まるで心の奥底まで見えているかのようなマッサージ


終わったころには、自然と背筋が伸びていた
自信も少しだけ戻っていた。


Sandyの顔を見ると、彼女は静かに

"I know"とだけ言った。


まるで、すべてをわかっているように。
その背中から漏れ出るような光が
神々しく見えたのを、よく覚えている。




人にはそれぞれ、用意されたステージがある。

その人にしかできないこと、

その人だからこそ輝ける場所。


でも、"ちがう場所"にいる時は、ただ言われたことをこなすだけになってしまう。

あのクリーニングのおっちゃんやSandyのように、
スポットライトを浴びながら舞台の上で輝くことはできない。



いなくなって初めて、その人の大切さに気づくことは多い。
その人がいたから、そこに光があったんだと。


だからこそ、今いる場所から、今できることを、一生懸命やることから始めたい。

そうしているだけで、それがなんであれ、誰かの心には確かに残るものだから。


何をしたか
何を言ったか
細かいことは覚えていなくても、

あのおっちゃんにクリーニングを任せた時の安心感、
Sandyのマッサージを受けた時の癒し、
その"雰囲気"や"光"は、ちゃんと心に刻まれているもんだ。


持ち場の大きさは関係ない。
そして、もし「なんか違うな」と思ったら、
持ち場を変えてもいい。

でも、今この瞬間、ここが自分のステージであることには
変わりないから。



そんなことを思いながら、家の近くのスーパーに行くと、
ここにもまた、自分の持ち場で輝く人がいた。


店内放送のマイクを通じて、流れるようにお得な商品の紹介をするあの人。
その声にはハリがあって、楽しそうで、
自信に満ちている。


きっと今日も、スポットライトを存分に浴びながら、
自分のステージで輝いているんだろう。




わたしも、今はまだ小さな小さなステージかもしれない。

でも、こうしてあなたが読んでくれていることが、
わたしの「持ち場」を特別なものにしてくれている。


だから、目一杯の愛を込めてみる。
何をやってもいいけれど、

輝く彼らのように生きることは今自分で選べるから。




今日も、あなたの頑張りを見ている人は、
きっとどこかにいる

今いるステージを、どうか楽しんで


愛を込めて
未来


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未来
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