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筋トレよもやま話1

まったくしたことがないスポーツ観戦
まったく興味のないスポーツ観戦
そのプロの動きをみて「何か変だ」と”違和感”を感じたりしますか?
「かっこいいな」「綺麗だな」と思うはずです。

違和感で言えば、例えば
足を引きずって歩いている人が来た時、どのように感じますか?
たとえ専門的な知識がなくても
「あの人は足が痛いのかな」「足が悪いのかな」と思うはずです。

そして、筋トレ

SNSやYoutubeで他人のフォームを見たり
通っているジムで他人のフォームを見た時に
「綺麗だな」「格好良いな」
「変なフォームだな」「何か違う」
と、初心者の方でも何となくわかるはずです。

何が言いたいのか。

"言葉では説明できないけれども"
「綺麗だな」「格好良いな」
「変なフォームだな」「何か違う」といった
見て感じる良し悪し、違和感は誰にでも備わっている感性です。

そして、筋トレにおいて言える事は
例えば体重の3倍以上を持ち挙げる力持ちの人や
もの凄い筋肉量をもつ人のフォームを見て
あの人のフォームは「変だ」「何か違う」
といった違和感を感じることはない。そう思います。

その道に長けている人のフォームは綺麗で格好いいのです。

これが、この後のテーマに繋がります。

この、よもやま話(とりとめない話)は
・BIG3の記録が伸び悩んでいる方とパワーリフター
・怪我が多い方
に向けた内容になっています。


◇手段と目的◇

柔道のために筋トレ
ラグビーのために筋トレ

何らかの目的、ここでいえば柔道やラグビーの競技成績を伸ばすための手段として筋トレは用いられます。

では、BIG3の記録を伸ばすことを目的とした場合、その手段は筋トレ?

◎圧倒的、練習不足

野球選手が野球のスキルを上げるために
素振りを行う。
キャッチボールを行う。

そのスポーツで重要となる動作を反復練習することで
動きの練度を高めるわけですが
筋トレを目的としている方はどうでしょうか。

例えばベンチプレス。
ウォームアップをちゃちゃっと行って
メインセットが終われば、次の種目に入る。
ここまでで30分。長くても40分くらいでしょうか。

その練習で何回ベンチプレスの動作を行いましか。
メインセットが100kg3セット5回だとして
例えば20kg、50kg、70kg、90kgの重量で段階的にウォームアップを行い、メインセットに入ったとしても
ウォームアップで4~5セット
メインで3セット
計7セットくらい。
挙げた回数は、計50回前後でしょうか。

BIG3の記録を伸ばしたい方、またはパワーリフターにとっての
野球選手のキャッチボールや素振り練習と同等になる種目は当然
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトです。

その練習は30~40分
そしてその動作は50~60回
頻度は週1回だとしたら。
1年間は約52週
つまり年間最大52回の練習

「甲子園に行くんだ」
「プロ野球選手になるんだ」
と言っている方が週1回の練習
その時間が3、40分だったとしたら。
そして数十回の素振りやキャッチボールの練習で済ませていたら。

◎筋トレの筋トレ

筋トレを行う時
初めこそフォームがわからなくて試行錯誤して
その動作を繰り返し練習していたはずですが
その動作にも慣れてくると
「筋肉に刺激が与えられたのか(効いているのか)」
「決めたセットや回数を達成できたか」
「何kgを持ち挙げたのか」
「筋肉痛が残っているから今日はやらない」
などに注意が向きすぎて、いつのまにか手段と目的が入れ替わる。

筋力トレーニング

この言葉が良くないのでしょうか。
BIG3の記録を伸ばすうえで
"筋肉"のトレーニングをしているうちは
筋肉の成長はあっても、技術的な進歩は困難を極めます。

素振りやキャッチボールは動作です。
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトも"動作"です。
そして、筋トレで行う全ての種目も動作です。

BIG3の技術的な進歩はそこそこでも
筋トレを続ければ筋肉はそれなりに成長します。
そうすれば、BIG3も筋肉の成長に伴い、ある程度の所まではいけます。
しかしそのあとは長く続くプラトー(進歩が一時的に停滞する状態)か怪我です。

完全に"私の感想"ですが
スクワットは140~160kg前後
ベンチプレスは110kg前後
デッドリフトは170~180kg前後
これくらいで止まる筋トレ仲間を沢山見てきました。

パワーリフターはBIG3の記録を伸ばすことが目的であり
筋肉の発達は大事ですが目的ではありません。結果です。

◇感性がコーチとなる◇

私は動作の専門家である理学療法士です。
今までに幾多の患者様、利用者様の動作をみてきました。
そして、それを言語化して伝え、改善していくことが仕事です。

多くの方にとって、これが仕事ではないわけですから
同じことをしようと思ったら難しい作業だと思います。

だからといって、コーチをつけたり、パーソナルを受けるのは
ハードルが高いことだと思います。

安心してください。
これが冒頭でお話した内容に繋がります。
コーチはすでにいます。
まず、今の自分のフォームをカメラで撮って沢山見て下さい。
撮る時は矢状面、前額面で撮ってください。
可能であれば水平面
も撮ってください。
(分析するうえで、斜めから撮るのはオススメしません)

「綺麗に見えますか」
「格好良く見えますか」
「変に感じませんか」
「何か違うと感じませんか」

その感性がコーチとなります。
正しいフォームを教えてくれます。
感じた"違和感"がなくなった時
間違いなく上手くなっています。

強い人は、見ていて違和感を感じることはありません。
左右非対称な動き
乱れるバーベル軌道

このような状態であれば体重の3倍をこえるような重量は挙がりません。

だからこそ、強い人の動作をとにかく真似てください。沢山見てください。
それが自分に合っているフォーム、合っていないフォーム
こういったことは後からわかります。
今は、誰でもいいので
フォームが綺麗で格好良く感じる、強い人の動きをそのままコピーしてください。

そこで行き詰まったとき、コーチをつけたり、パーソナルを受けてみてください。

◇感性を磨くために◇

筋肉の発達を目的とした時
胸は週2回、脚は週1回などの筋肉の部位ごとにわけてトレーニングを行う分割法といった手段をとりますが
BIG3の記録を伸ばすことが目的なのであれば、類まれなるセンスでもない限り、分割法で技術の進歩は難しいでしょう。

筋肉に負荷をかけなければトレーニングではない。

これは筋肉にフォーカスされています。
動作にフォーカスしてください。

そうであれば、素振りやキャッチボールと同じ。
筋肉への負荷などどうでもいいのです。

バーベルだけでも
棒だけでも
なにもなしでも

スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの動きを反復練習してください。
それであれば自宅でも出来ます。
もし重りをつけたいのであれば1RMの60%以下で行ってください。

そうすれば、週に何度でも練習出来ます。

何度も何度もその動作に触れて、見て、真似て、修正してください。

プログラムは昨今、多くの方に認知され使用されるようになりました。
確かに有用なものです。
しかし、フォームが先です。
それが身についていない状態では
どれだけ有用なプログラムを行っても結果は怪我です。

以上、手段と目的につていの四方山話でした。

ご覧いただきありがとうございました。

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