リアルワールドアセットとは? - Real World AssetのNFTやトークンの変遷と注目分野📝
こんにちは。Real World Asset NFTです。
最近多くのReal World Assetを使ったNFTやトークンのプロジェクトを見かけます。直近で話題のRWA.xwzも非常に気になりますね。そちらの解説はまた行います。
ただし、Real World Asset (RWA) = 現実世界の資産と言っても、非常に多岐に渡ります。不動産やホテルなどの代表的な資産から、自動車や船舶、アート、時計や貴金属など、、そのどれもがReal World Assetに当たります。
では、現在どのような分野のReal World Assetが話題となっているか解説したいと思います。
Real World Assetとは
前述したように、Real World Asset は広義ですが、それをブロックチェーンを使ったクリプト・トークン化・NFT化しようとする流れは初期の頃から存在しました。
例えば、最初に不動産をブロックチェーン上で販売したのは2017年と言われています。有名なテック系ブログのTechCrunchのファウンダーであるMichael ArringtonがウクライナのキーウのアパートをNFTとして販売しました。
パブリックなチェーン上で所有者(正確には所有しているウォレット)を確認可能なブロックチェーンの分野では、このような不動産の所有権などの分野での使用がユースケースとして期待されましたが、既存の法律での扱いが非常に難しいことから、銀行などの金融分野と比べてなかなか進みませんでした。
少額決済や国際送金、法定通貨が安定しない国々での使用など、金融分野では明らかなニーズがありましたが、不動産などの行政と深く結びついた分野では、その有用性はあれどなかなか進みません。
そんな中、既存の規制の枠組みに当てはまらない「実在しない不動産」であるメタバースでの使用が広まりました。今でも存在感のある有名なケースとしてはDecentralandやThe Sandboxが挙げられます。この分野でNFTを使うことはもはや一般的と言われるようになりました。
この分野が流行り始めたころは、USD4.3M ( 現在の価格で約6.3億円)でThe Sandboxの土地が取引されたと話題にもなりました。
では、なぜ今になってReal World Assetが流行っているのか?
当初から考えられていたユースケースですが、法や行政規制の問題により物理的なものをトークン化したNFTはあまり広がりませんでした。行政や法から規制を受けにくいメンバーシップや宿泊権利のような形で一部では広まっていきましたが、メタバースの流行とデジタルアートの所有手段としてのNFTの側面がメディアによって強調され、2021年・2022年はそちらに多くの人が集中することになりました。
メディアが注目し、投資が集まり、取引が活発となり、、、それが人々が飽きるか何かカタストロフィックなイベントが起きるまでループします。ゲームアイテムとしてのNFTはそれなりの人気を保っていましたが、ブロックチェーンゲームの開発には時間とお金がかかる問題がありました。(NFTは完売されたが、今も開発中のゲームは複数あります。Start Atlasなど)。そのため、その他のNFTのユースケースは少し注目を集めづらい環境であった印象です。
2022年後半より、暗号資産は厳しい相場を迎え、それと同時に投機的なNFTの売買も少しずつ陰りを見せ、それまでのような注目を集める分野ではなくなりました。NFTの取引量の変動は以下の通りです。
ただ、厳しい相場が見た目だけのプロジェクトを淘汰し、本当にユースケースのあるプロダクトのみ残ったとの見方もできます。
同時に、遅れて法整備も進みつつあり、ステーブルコインと呼ばれる現実の資産・債権を担保として発行されているUSDTやUSDCなどがクリプトの世界でも一般的となりました。CBDCと呼ばれる政府が発行するトークンの議論も活発になっています。これらは広義ではReal World Assetと言えると思います。現実資産を担保としたブロックチェーン上のトークンだからです。
このような文脈から、本当の意味でのユースケースとして、ブロックチェーンやトークンが生活や企業活動の役に立つものとして再度Real World Assets | リアルワールドアセットが注目されていると言えます。
先日公開された、コインベースCEOのブライアン・アームストロングによる新しい仮想通貨・暗号資産ビジネス10の中でも、9つ目のアイディアとして掲載されていました。
では、今注目されているReal World Assetの分野とは?
これはホテル・不動産・メンバーシップなどいくつもあり、例えば現実の金鉱山の採掘と連動させたZuck Zuck Landなど、注目の面白いプロジェクトが多くあるのですが、個人的には現在は小型資産のトークン化が今注目されていると感じています。
例えば、ポケモンカードを例に取りましょう。
あるプロジェクトが「安全にそのポケモンカードを保管している」ことを貸金庫などを使用して証明し、その「所有権」をNFTとして販売したとします(一般的にビジュアル的にもカッコいいNFTとして販売されます!)
すると、このNFTは世界中のNFTマーケットプレースで売買することができます。
もちろん、クリプトの文脈からすればこれは「非中央集権」ではなく、サービスを提供するプロジェクトに依存した集権的なプロダクトではありますが、サービスとして非常に面白い取り組みだと言えます。
Courtyard.ioというプロジェクトが実物のトレーディングカードのNFTの分野では人気を集めています。
このような小口資産の「所有権」の販売ビジネスは少し前からあり、一定数の支持を得ていました。
例えばvinovestは、ワインやウィスキーの小口投資ができるサービスです。ワインやウィスキーの所有権を投資として購入し、実際の売買や保管を全てVinovestが担い、ワインが成熟した時にVinovestが市場で売ることで、手数料を引いた分のリターンがユーザーに入る仕組みです。もちろん送料等を支払うことで現物を世界中に発送することも出来るそうです。
少量のワインの保管を個人で行うには、温度・湿度管理などのコストがかかる上、値段が上がっても流通させるにはネットワークが必要などと、簡単には参入できないという問題を見事に解決した画期的なサービスと言えます。
ただし、ここではブロックチェーンは使用されておらず、途中でワインを流動化させるにはこのvinovestのサービス内にあるユーザーマーケットプレースというクローズな場所で売買するしか出来ません。(マーケットプレース上で売買できるだけでも素敵なサービスです。途中でユーザー同士での売買すらできないサービスも多く存在します。)
実物を手元に置いておくことが難しい分野や、置いておく必要がない人にとっては、小口資産の所有権投資の文脈ではNFTは非常に有用な手段であると言えるでしょう。
アートとしてのNFTが流行したおかげで、NFTアート分野が発展し、デジタルアートとしてNFTは洗練されたものが多くなりました。また、自分のウォレットにNFTがあるだけで所有感を得るような認識も一定数広がった印象です。
このようなNFTのユースケースの遷移からも、Real World Assetが、特に小型の現物資産投資の分野で広がることが予想されます。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
よろしければTwitterにてリツイートして頂ければ嬉しく思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?