ボカロ曲にMVで流行ったと批判する人々の価値倒錯

こんにちは。佐々木です。
今回も前回に引き続きMVで流行ったと批判する人々について焦点を当てて考えていこうと思います。
あと前回である口調が強すぎて文面から憤りが滲み出てたのでできるだけ砕けた口調で話してこうと思います(*^^*)

前回のおさらいと今回の議題

前回はこれらの批判者がミーハーであり、他者の批評に流され、MVで流行ったと批判することによってあたかも自分が通であるかのように振る舞う虚飾家になってしまっていると述べましたね。
そして彼らは作品に内在する価値を見ようとせず、どう評価されているのか、この評価をしている自分はどう評価されるのかということに重きを置いていると考えました。
これについて詳しく説明していきますよォ


一定のミーハーに根差す逆張りの精神

前提として私はミーハー全体を批判しているわけではないです。ボカロ文化を楽しむライト層の人々を排斥してしまえばそれこそボカロ文化における害であります。
ボカロに対する知識量でマウントを取るだとか、マイナー曲を知ってるから偉いだとかはもってのほか、言語道断です。
これに至ってはもう作品やアーティストが好きなのではなく、その作品やアーティストが好きな自分が好きなんですよ。これは今回の議題にも通ずる部分があると思う。
私も別にボカロに対して詳しいだとかヘビーユーザーであるだとかは思ってはない。
そもそも無数のボカロPがいて無数に曲が存在している以上全ての曲を知り尽くしている人など存在し得ないし、互いに好きなボカロP、ボカロ曲を共有していくことがボカロファンの在るべき姿であると思ってる。

前置きはここまでにして本題に触れていきます。
直近のMVで流行ったと曲を批判するのは逆張りの精神が来たしたものである。
そして彼らにとっての流行りの曲は自分を規定するための材料である。という価値倒錯が起こっていると私は考えてます。

かつては芸術作品に対し、どれだけ評価されているか、どれだけ人気になっているのかなど芸術作品そのものに内在する価値ではなくそれを取り巻く情報が有する価値を見て評価するという倒錯が起こっていたが、現代の流行曲に対する批判もこれに通ずる部分があるのではないかと考えました。
ボカロに対して曲そのものではなくどれだけ評価されているかという曲に取り巻く情報を見て敢えて批判するというのが現代の価値倒錯の構造なのではないか??という考えに至った次第です。
次に敢えて批判する心理について考えていきます。
人々はどれだけ評価されているかで芸術品を評価しているという近代の批判を通して、評判が高いという理由で高く評価するのはミーハーのすることであり、評判に流されず批判する自分はミーハーでは無いという本質を捉えていない理解が根付いたため、彼らは敢えてミーハーに思われないようにするために批判するという行動を取ったのではないか。
この本質を捉えていない理解というのは芸術品は物自体の有する価値を通して評価する必要があるという考え方を理解してないということですね。
この考え方(内在する物自体の価値を見ろという考え方)が絶対にあっているかどうかは断定出来ませんが、少なくとも彼らの解釈の仕方は間違ってはいると思われます。
要は敢えて流行りに逆らうことによって真っ当に評価してるように見られたいんですよね。
これって結局取り巻く情報に左右されたままなんですよ。皮肉な話です。
そんで彼らはそう思ううちにほんとに自分が正当な評価を下してる人間だと思い込んでしまってるんです。
流行りに流されず曲を真っ当に評価してる俺スゲー状態です。
これが最初に言った批判による自己の規定です。曲を単なる自己規定の材料としか見れていないんですよ。
真っ当に評価した上で大したことないって思ってる人もいるんじゃないかって思われると思うんですけども…曲って好き嫌いはあれど作り込まれた曲だなとかウケる人にはちゃんとウケるだろうなとかわかると思うんですよ。いくらなんでもMVが死ぬほど良くても曲が本当に微妙だったらさすがに伸びも限界あると思いますよ。
メズマライザーだって最近一億再生突破した訳ですし。
実際に私も最近流行りのBling-Bang-Bang-Bornとかはぶっちゃけ結構苦手ですが流行る理由も人気になる理由もわかるような曲なのはわかりますし。だから批判とかもしないです。
流行りって何かしらの理由があって起こるものなんですよ。その要因がMVだけで曲は大したことないというのは無理があります。彼らは多分サツキさんや吉田夜世さんがバズるまでのプロセスを知らないし、知ろうともしないんですよ。


是非おすすめしたい曲なんですがこれ聴いて大したことないって評価はマジで出ないと思います。
以前から知ってた人なら「あぁついにこの人の良さが世間に知れ渡ったんだな」となりますが、彼らはその過程をガン無視していきなり有名になった無名だと思ってるんですよ。
別に知らないことが悪いことではないんです。
悪いのはそういった努力の過程、別曲の良さを知ろうとせずに批判することです。
正直こういうところがボカロライト層の中で悪目立ちをしてしまいヘビーユーザーからのヘイトを買ってしまっている部分は少なからずあるのではないかなとも思ってたりします。だからってライト層を排斥するのはダメです。絶対に。

曲批判の要因(二つ目)

そして曲批判の他の心理として自分の好きなカテゴリーの外にあるものを粗悪品として頭ごなしに批判したりするというのも一つの要因だと思うんですよね。
サツキさんの曲が結構クセが強いっていうのは確かにわかります。
ですがそれが曲を正当に評価できないのは聴く側に問題があると思うんです。
自分の好きなジャンルだけ聴くのは何も悪くないとは思いますが他のカテゴリーに対して攻撃的なのは良くないです。
これはミーハーに限らずオタクの悪いところだったりすると思います。苦手なジャンルを聴いて好きになれって言っているわけじゃないです。
寛容に受け容れていく精神が大事です。

以上私の嘆きです。ボカロを聴くことはステータスでも何でもなくただ愛しているからです。好きな曲を聴いて、知らない曲も流行りの曲も認め合っていく。曲を提供して貰っている私たちが彼らに貢献できることってこういうことだと思います。



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