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WAYAさんの津島弁ガイド 第12回「だいつう」「こうとい」
私の住む津島は、愛知県の西部に位置していて、室町時代ぐらいから川港として、津島神社の門前町として栄え、昔から人の集まるところでした。明治から昭和の毛織物産業の盛んな時代には、九州や新潟などからきた女工さんたちも多く、私が記憶している1960年代には、映画館や歓楽街があり、街中に呉服さん洋服屋さんもたくさんあって、「だいつうな格好」の方も多かった。だいつうなのは、お客さんではなくお店の奥様の方ですよ。で、今回ご紹介するのは服装に関係する言葉
「だいつう」=派手、お洒落
「こうとい」=地味、ひかえめ、上品な
「もさい」「もっさい」=むさくるしい
「おぞい」=みすぼらしい
「きむい」=きゅうくつ
「もうやいこ」=共有して複数人でつかう
「そそくる」=つつく つくろう 修繕する
<使用例と共通語訳>
「だいつうな服」=派手でお洒落な服
「だいつうさん」=おしゃれの好きな人、派手な服の似合う人
「こうとい服」=地味な服、ひかえめで上品な服
「もうやいこして、着よまい」=二人の共有にして、かわりばんこに着ましょう
「この服、知らんうちに きむくなった」
=「気づかないうちに、太ってしまって、服がきゅうくつになってしまった」 服のせいではありません(笑)
「靴下をそそくる」=靴下の穴を修繕する
<注記>
「だいつう」と「こうとい」は、本来は品のある人に使う大変なほめ言葉だそうですが、私の記憶の中では、人のうわさ話で、「あの人はだいつうだ」という場合、「派手でおしゃれな」という中に、少し「変わっていて下品」という揶揄を感じ、「あの人はこうとい」という場合、少し「地味過ぎて貧乏くさい」という毒気を含んでいるように感じていました。
写真は、私のオリジナル作品 手編みのベスト だいつうですか?