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WAYAさんの津島弁ガイド 第9回「一万円をこわして」壊す?
津島弁には第7回、第8回でご紹介した「よばれる」「まわしする」の他にも、独特の表現が多くあります。使っている方は、独特かどうかもわからず普通の言葉として使ってます。以前ご紹介した言葉も含みます。
<使用例と共通語>
「1万円こわして」=「1万円を両替してください」
言われたお姉さん、立ちすくむ!(笑)
「ひぼでかなげる」「ひぼをかなげる」=「ひもでしばる」「ひもを結びつける」
(注)「かなげる」は「結ぶ」という意味だが、「靴ひもをかなげる」とは言わない。
「タンスをつる」=複数人でタンスを持ち上げて移動する 「机もつる」も同様
「かんすにくわれる」=蚊にさされる
「この台やぐいで 気いつけやぁーよ」
=「この台は、たおれそうなので気をつけてね」
(注)「やぐい」は「弱い、軟弱、くずれそう、たおれそう」等という意味、台とか、机、イス、足場などに使う。人に対しては使わない。と思っていたが、先日バスの中で「私は学生時代に運動をしていないので、骨や筋肉がやぐいので、すぐ体が痛くなる。」と話されているのを聞き、人間の骨や筋肉を骨組みなどに例えて使うと「やぐい」という表現はピッタリ。
他にも この地区ではこんな言葉もつかいます。この地区独特と知ったのは最近です。
「おっさま」=お寺の和尚様
「おくりさん お庫裡さん」=和尚様の奥様
「にいさま」「ねえさま」=年上の人に話しかけるときに使う
言い方が独特でほぼまっすぐ平坦に言う。
<関連>方言ではないけれど
「さとぶー よんだるわ」=砂糖水をごちそうしましょう。
ジュースがぜいたく品の時代、暑い季節にただの水じゃなくて、砂糖を入れた水をごちそうするのは相当なおもてなし。
「メンタムぬっときゃあ」=軽い皮膚疾患には、とりあえずメンソレータムだかメンタームだかをぬっておきましょう。
(大人の都合で、今はメンソレータムとメンタームは別物です。)「赤チンぬっときゃあ」も使いますよ。(笑)
(注)薬品は効能・効用をよく見て使ってくださいね。
今年の酷暑の時期、買い物に行ったところ、汗だらだらの私を見て、店の女将さんが「さとぶーよんだろか」と言われて、大笑い。わかる人にはわかる!もちろん社交辞令で、本当に砂糖水が出てくるわけではありません。まだまだ現役の言葉です。