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WAYAさんの津島弁ガイド 第14回 「いかんがー」がーがー問題

 
「いかんがー」と聞いて、マラソン選手か、マジンガーZの親戚かと思う人は、私と同年代ですね(笑) 最近の津島弁を聞いているとやたら「がーがー」聞こえるといわれます。今回は「がーがー」になったことへの個人的推察です。
第13回で「あのなも」言葉をご紹介しましたが、語尾の「なも」はだんだん消滅して、次の代は語尾に「がや」「だがや」「がね」「だがね」を使います。
 
共通語(おひさしぶりですね)=「やっとかめですわなも」
→「やっとかめだがね」
→「ひさしぶりだがね」
→「ひさしぶりだがー」    「やっとかめ」もそろそろ死語です。
(行った方がいいです)=「行った方がいいですわなも」
→「行った方がいいがや」「行った方がいいがね」
→「行った方がいいがー」
世代が進むに連れて、どんどん省略がすすみ、いつのころからか
「行った方がいいがね」は「行った方がいいがー」に変化しています。
 
(知っています)=「知ってますわなも」
→「知っとるがね」「知っとるがや」→「知っとるがー」
(そうです)=「そうですわなも」
→「そうだがね」「そうだがや」→「そうだがー」
(だめです)=「いかんですわなも」
→「いかんがね」「いかんがや」→「いかんがー」
(注)「いかん」の意味は第3回「あかん」「いかん」を参考
 
こうして 津島のHigh societyの「あのなも」言葉が 「いかんがー」の「がーがー」言葉に変化したと思われます。あくまでも個人的推察です。
 
優雅な「あのなも」言葉は絶滅寸前です。第二次世界大戦の前に生まれた方々の中には、まだ「あのなも」言葉をつかわれる方が存在したのですが、そろそろ戦後80年、街中で耳にすることはほとんどありません。
 
この津島弁ガイドでは、消滅しかけている津島弁をご紹介しています。津島弁、尾張弁、名古屋弁の区別とか、語源などという学術的な話でなく、1960年台~現在まで使われていた、使われている言葉を、私の記憶に基づいてご紹介していますので、中にはかんちがいや記憶ちがいがあるかもしれないことをお許しください。

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