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エンゲル係数から見るベトナム将来図

日本で残暑にウンザリしてるそこの貴方、ベトナム市場からこんにちは!

ところで私は、ニールセンやらUN、WHO、JETRO等の国際機関のデータと自分の生活実態視点を掛け合わせて市場を見るのが好きです。

ただの変態ですね。一応マーケッターの端くれなんで。。

今回はベトナムのエンゲル係数に着目したいと思います。

【*エンゲル係数とは・・・支出における飲食費の割合です】

貴方の自由に使えるお金が月に20万円だとして、その内5万円を飲食費にあてるとエンゲル係数は25%となりますね。

ベトナムという国はエンゲル係数が非常高いのです。

以下のデータで見てみましょう。(見づらいと思います。スミマセン…)

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エンゲル係数が高い=食にめっちゃ金かける。という単純な意味合いではなく、"物価の上昇や*食にかけるお金以外に自由なお金がない"という見方もできます。

一般的に所得水準の高い先進国ほど、*エンゲル係数が低くなります。

日本も1963年に38.7%だったエンゲル係数が2016年には25%まで下がっております。

私がベトナムで生活していて感じる他の要因として、以下もあげられます。

① ベトナムは人口がどんどん増えております。そして子供をパコパコ作って生みます。街には子供をバイクに乗せて3~4人乗りのバイクがいくらでもおります。更に親は、子供のミルクや食事は安心な輸入品(日本・韓国・欧米)を結構買います。という事は、必然的に支出における子供用の飲食費の割合は高くなりますね。

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② 外食産業の急成長も外食をエンタメとして大人数でガヤガヤおしゃべりして楽しむベトナム人にウケ、急激にエンタメ要素やローカライズした飲食店が急激に増えており、全体の客単価は低くとも数で勝負しており、これからも大きく市場の伸びしろがあります。特に色々な日本食が食べられる寿司屋チェーン店等はすごい勢いで出店ラッシュです。

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③ 著しい経済発展と共に所得も増加し、嗜好品にお金をかける割合も増えている。例えば、最近では様々なクラフトビールを出すビアバーが増えてきております。お金に余裕ができると、自然と飲みに行く回数も増えて、安価な地場のビールから輸入ビールやクラフトビール、更にワインやカクテル等の単価が高い方へとシフトしていきます。

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人口ピラミッドをベトナム・タイ・日本で比較してみましょう。

人口増

人口ピークがこれから到来して、数年以内に人口1億人を超えるベトナムは、若年層が多いことが見れます。また、人口ピークが過ぎて日本と同様の人口ピラミッド型へと移行しているタイ。そして成長期はとうに過ぎて人口が日に日に減ってゆく日本とでハッキリと違いが見れます。


そしてこちらのグラフは、ベトナムの外食産業の市場規模推移となります。

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見事に右肩上がりですね。(笑)

所得も人口も右肩上がりの国で、生きる上で必須の食である飲食市場が発展しないわけが無いですね。


こちらはスーパーやショッピングモールの店舗推移です。

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日系だとAEONが郊外に出店して大盛況ですが、テナントで一番儲かっているのは飲食にダイレクトに繋がるスーパーと飲食店・イートインスペースです。その他のテナントでファッション系等はあまり客が見受けられません。まだ、そこに所得を回す余裕があまり無いのが原因ですが、視点を変えればここも成長産業であります。(*というか、かなり伸びてます)


また、以下の数値はベトナムのコンビニの数です。

◆日本では人口1億2千5百万人に対して、コンビニ数は約5万8千店舗あり、(2,155人に1店舗)という数値となります。

◆ベトナムでは人口9千7百万人に対して、コンビニ数は1,574店舗あり、(61,626人に1店舗)という数値となります。

日本と比較してみると、人口比割合で日本の3.5%しかコンビニがありません。しかし、コンビニも急激に店舗数を伸ばしておりますし、コンビニで売っているのは飲食ですよね。

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これを見るとベトナムの [TT]トラディショナルトレード市場がいかに大きく、[MT]モダントレード市場がいかに小さいかがうかがえます。

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これを見るとA.S.E.A.N.の中でも発展しているマレーシアやタイはやはり、モダントレード市場が大きくなっておりますので、ベトナムもこれから更なる経済発展でコンビニやスーパー等のモダントレード市場が大きく増えると予想されます。

となると食品関連企業の業績も上がるので、関連株価も上がっていく事が期待できます。

高配当で有名な「FMC:サオタ食品」なんかも有望かもしれません。

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また、世界的にも日本食レストランの数が多いタイ王国では、人口6,800万人の市場に対して、約2,500店舗以上の日本食レストランがあり、大部分をバンコクが占めておりますが、だんだんと市場の成熟とともに淘汰されてきている印象です。

ベトナムでは日本食レストランは、人口9,700万人の市場に対して、全国で約1,000店舗以上となり、まだまだ増えてゆきます。


日本からもベトナム市場へレストラン等の飲食ビジネスで出店してくる企業は増えておりますが、数年後も残っているのはほんの僅かです。。相変わらず、日本企業は出たとこ勝負のプロダクトアウト型なので、事前のマーケティングにお金を掛けずにベトナム市場の特性を理解性せずにローカライズせず、結果的に失敗して撤退・苦戦する企業が最近目につきます。


P.S. 先週末にアイルランド人の女の子とお気に入りのBarでデートしましたが、このようなハイソ系のクオリティーが高いBar何かも競合が少なく、客層も良い(単価が高い)ので、まだまだ成功確率の高いブルーオーシャンだと感じます。

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GEN氏 (広告代理店CEO/海外ビジネスエキスパート)
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