懐かない元野犬との生活4(山に行ってみた)

臆病で警戒心が強い元野犬のあずきサンの散歩は気を使う。
人ダメ、自転車ダメ、車ダメ、工事の音ダメとダメダメづくし。
結果早朝と夜遅めの散歩となる。
散歩自体は嫌いじゃないみたいでハーネスとリードを用意すると自ら玄関に行きスタンバイ、賢いのである。

でも前から他犬が来ると固まったり回れ右して逃げたり、車や自転車が来ると壁と私の間で縮こまったりと中々大変である。
特に苦手なのが小さな子供で、近くで幼児がキャッキャ言って騒いでいようものならこの世の終わりの様な顔をして動けなくなってしまうあずきサン。

人の少ない道を選んでいるのにオジサンにわざと近くに寄って来られて「邪魔っ!」と怒鳴られたりお爺さんに「おっかない顔してるなぁ」と突然言われたり都会の散歩は世知辛い。

自然の中でノビノビと散歩させたい!っていう願望が日に日に強くなってきた。

という事で低山に連れて行ってみることにした。

あずきサン助かることに車は全然平気。
保護犬は車酔いする子が多いと聞くけれど全く酔わず車ではクレートの中で寝ている、偉いっ!
とは言え片道2時間、ちょっと可哀想な気もする。
ごめんよ、あずきサン。

で向かった先は日光白根山。
ここは犬もロープウェイに乗れるのだ。
犬専用のロープウェイに乗るかクレートに入れて一般のロープウェイに乗るかのどちらかだ。
知らない場所はパニックになり易いあずきサン。
今回は慣れているクレートに入れて一般のロープウェイに乗ることにした。
あぁクレートに入れる子で良かった。

ドキドキしながらも(飼主が)特に問題なくロープウェイで山の上に。
ここから山道を歩いて行くぞー。

初山道どうかなぁと思っていたらあずきサン、歩き辛い山道でも自分で歩き易いルートをちゃんと選んで進んでいる。
賢いのである(2度目)。
と言うか広島の山で捕獲された野犬なんだから山は初どころかホームグラウンドだった。

私の方が何度か足滑らせそうになったけどあずきサンは平気。
グイグイ引っ張ることも無ければ私がモタモタしていてもちゃんと待っていてくれる。
何も教えてないのに私を待っていてくれてる、、、感動。
ウチに来て2年9ヶ月、私を家族だって認識してくれているんだなと思って山の中でジンときてしまった。

そして何より嬉しいのはあずきサンが楽しんでいたことだ。
終始尻尾が上がってたし初めての場所に行くと発動されるイヤイヤもなかった。
あずきサンは感情表現を殆どしない。
はしゃいだり尻尾を振ったりしたわけではないけれど、それでもなんだか表情がいつもより柔らかい気がする。

それに山道をスタスタ歩く姿は普段の散歩とは違って生き生きして見えた。
やっぱり山育ちの元野犬には都会の暮らしはストレスなのかも、と申し訳ない気持ちにもなった。

山に連れて来て良かった。
また行きたいなぁ。
あずきサンが楽しんでると私も楽しい。
とってもとっても幸せな時間だった。

笑ってる?
眺めがいい!
表情が柔らかい
山のカフェで寛ぐ

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