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ニルヴァーナとの遭遇。

懐かしい写真を見つけた。

この撮影時は、アメリカでスメルズ・ライク・ティーン・スピリットが全米1位をとり、それまでダンスミュージック一辺倒だった音楽業界に風穴を開ける大事件を起こしていた。
本当にこれは一大事だった。
それまで、ロックと言えば革ジャンに革パンツとクソ重たいウエスタンブーツ、カーリーヘアでグラムロックよりの、ヘヴィメタルやハードロックが幅を利かせていた。しかも速弾き重視、僕はなんか違うと思っていた。
しかも、奴らは嫌われていた。ダサいと。
そこに現れたのがニルヴァーナだった。
ヨレヨレのTシャツに、破れたジーパン。痩せた体に、汚れたスニーカー。どこにでもいる、クラスの嫌われ者。ニルヴァーナのカバーした人ならわかるだろう、なにも難しくないギター。PUNKのDIY精神だ。
ヘヴィメタルのなかでもまだ聴けたガンズ・アンド・ローゼズからの熱烈な共演を蹴った、というのが、僕の耳にとどいた第一報だった。
ニルヴァーナって、何?
ネットもまだまだな時代、33年前、18歳の僕は毎週のように名古屋に通い、ニルヴァーナのアルバムや関連物を買い漁った。
そして、ある冊子を手に入れる。20ページ程のペラペラの写真集。その中に、写真のカートが持つギターも含まれてた。
なんて書いてある?
VANDALISM: BEAUTIFUL AS A ROCK IN A COP'S FACE
破壊行為:警官の顔にぶつける石のように美しい

知った時、鳥肌がたつ。
僕がニルヴァーナを初めて聴いたのは、スメルズ〜じゃなかった。スメルズ〜が入るアルバム、ネバーマインドの隠しトラック、ENDLESS NAMELESSをラジオで聴いたのが初である。
衝撃だった。VersechorusVerse、狂うギター、叫ぶヴォーカル。後にカートがブラックフラッグのダメージドを聴き、同じような感想を言っていた。「だんだんぶっ壊れていく感じに衝撃を受けた」
ここで一つ。僕はネバーマインドを輸入盤で購入した。
いざ、隠しトラックを探すが、ない!😳え?
後に何年もして、エンジニア(アンディ・ウォラス?)が入れ忘れていたと知る。僕が手にしたのは極初期バージョンだったわけだ。激怒したカートは、その後のネバーマインドに隠しトラックとして、この曲をいれさせたという。

この曲は、その迫力ゆえライヴの最後に演奏されることが多かった。
知っている人も多いと思うが、ニルヴァーナは楽器を大事にしないバンドだ🤣
ライブの最後はステージをめちゃくちゃに破壊した。叩きつけられるギター、宙を舞うベース、ドラム・セットにダイブし、スネアやフロアタムをお互いに投げあったり。
実はこれはパフォーマンスの一つだったと見る人もいる。
カート自身も言っていた。商業ロックに対するイヤミだと。金儲けに走るプロモーター、会場側、マスゴミ、楽器メーカー、全てに牙をむけ、唸っているのだと。
自分の好きな才あるインディーバンドが、そういうヤツラに喰われ消えてしまうのに、本当に頭きていたのだと。

しかし、破壊行為は何も生まない、と僕自身は思う。疲弊するだけだ。
このギターもカートの手により、もうこの世にはない。
カート自身も、自らの手により、その3年後破壊された。

跡には哀しみしか残らない。

ニルヴァーナ、行きたかったな。コートニーとカート、名古屋散策したんだよ。カートは例のシマシマパジャマ着てさ。
とあるデパート(どこだろう?)で、セーラー服買ったんだってよ😂
ライブ後は少年ナイフやボアダムズが楽屋に遊びに来てたんだって。

行けなかった僕は、次の正規アルバム、イン・ユーテロ(子宮の中へ)で、やっとライブ行ける、と思ったら、カートが逝ってしまった😢

トラウマだよ。
後悔している。
自分の全て投げてでもいくべきだった。
もう遅い。遅すぎたんだ。

でも、行けなかった理由が、全く思い出せない。行こうと思えば行けたはず。

本当に
思い出せないんだ。

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