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猫🐈‍⬛ と暮らせば… 初めてシモベになったあの日

No 3    猫🐈‍⬛と暮らせばシリーズは 順不同です。


思えば わたしが 初めて🐈‍⬛のシモベとなったのは わずか7才の時でした。

家が貧しかったので
ねこ7匹のお世話係として
村一番のお金持 庄屋さんのところに奉公に出される事になったのです。

まだ寒さの残る早春に、わずかな荷物を持って、住み慣れた家を出ます。

「父さん 母さん 今まで育ててくれて ありがとう」

いい気分でここまで書いた時、私は突然 ペシっとアタマをひっぱたかれた。

「誰が奉公に出されるって !?」


「痛てっ! 何すんのさ〜」

「まったく あんたは 何 考えてんだか!?」


そばに立って、iPadの画面をのぞき込んでいるのは
とんでもないぬれ衣を着せられた母であった。

「本やお人形、お洋服だって、いっぱい買ってあげたでしょうに…  
 第一 どこに庄屋さんの屋敷なんてものが あるんだい?」

「ま 落ち着いて。 これは フィクション 物語だって … 」



 
母に見つかったので、庄屋さんはやめてホントのお話をしましょう。

わたしのシモベ歴が、7才 小学校1年生から始まったのは本当です。

ある初夏の夕暮れ、みかんの花の香りが漂う小道を
父さんが仕事から帰って来ました。
足下に、何かふわふわした小さな生き物が、まとわりついています。

そいつは、わたしにすり寄ると

うるうるした瞳で見上げ 「みゃあ〜」 とひと声

                 それから スリッとしたのです

おー  マイガー 💌

一瞬で 落ちたわたし。
この頃から、いとも簡単に落ちるタイプだったんだね。うん。

ま それはともかく、初めてのご主人さまとの出会いです!

小野不由美さんのファンタジー 「十二国記」のごとく
麒麟が 主従となる王に巡り会ったようなもので、逆らえません。

「みかん畑のとこから ずっと 付いて来たんだよ〜」
父さんは、ちょっと困ったような顔で、母さんの顔色をうかがいます。

未来のシモベも、チビちゃんを抱き上げて迫ります。

この仔の運命は母さんにかかっていたのです。

「なんか 食べるもん お魚でもあったかね…」
母さんがつぶやいた時 チビちゃんはうちの子になったのでした。

みかん畑に囲まれた 丘の一軒家に住みついたこの女の子は
「みかん」 通称「みぃちゃん」と呼ばれることとなりました。

みぃちゃん  いっぱい食べて 大っきくなってね


ところが、みぃちゃんは とんでもないヤンチャ娘で
裏の畑どころか、山のみかん畑まで遠出して 
時には、獲物をお持ち帰りデス。

「イャー 母さん みぃちゃんが…」
「あんたのネコなんだから あんたが片付けなさい」

キッパリ言った母さんは、片付けのやり方は教えてくれたけど
決して手を貸してはくれませんでした。
その場に立ったまま、まさに現場監督です。

そっか…  わたしのネコか…


   シモベだもんね



母さんの言いたい事は、分かりました。

「自分が始めたことには 自分で責任を持ちなさい!」

そう言っている母さんの教えは、ずっと忘れられないものとなりました。
あの 気持ちワルイ獲物とともに。 グスッ…

だから、私は母を尊敬している。


親戚のおばちゃん が言うには
「兄さんは ずいぶんあんたを甘やかしたけど
 義姉さんの方が しつけに厳しかったなあ」 …  うむ さもありなん だ。

だけど、申し訳ないが 
私が 大好きで なおかつ 尊敬するのは 母なのだ。

母は 春の日差しのように 柔らかくて凛とした人だから。

秋になって すっかり大きくなった みいちゃん ( イメージです )
でも なんか 手足 ぶっとくない?


小野不由美
ものすごくゾクゾクさせてくれる ホラーやミステリー ファンタジー
森野花のお気に入り作家さんの一人です


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