怪談師には憑いている(第一章)
(あらすじ)
柳瀬恵はフリーライターの二十代女性。柳瀬は同業者の七種から、とある企画に参加しないかと誘われる。それは人気の怪談師を特集するムックで、柳瀬は『怪談王子』とも呼ばれるイケメン怪談師、蓮見才人の密着インタビュー記事を任される。
密着生活の中で、蓮見は新興宗教団体『いずなの使徒』の代表者である瑜伽(ヨギ)の息子であり、才人や教団に不利な言動をする人物が続々と不幸な目に遭っていると知る柳瀬。蓮見家は、飯綱(いずな)と呼ばれる東北地方固有の呪物を使役する一族だったのだ。