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病院大脱走劇

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その日は月曜日だったと思います。
母が水曜日に予定していた精神科受診を早め、私を市立病院に連れて行ってくれました。

診察はまず心理士の問診から始まり、次に医師の診察の流れでした。

心理士の話が終わり、母のみが医師と話しをするため診察室に入っていた時、私は診察が終わったのだと勘違いして病院を出てしまいました。
脱走劇の始まりです。

私は彼氏に会いたくて、同棲していた自宅に帰りました。自分が鍵を持っていることも忘れ、ドアを叩いて彼氏を呼びました。

当然月曜日なので彼氏は家にいません。
彼氏を呼ぶために歌も歌いました。(ご近所さんにばれていませんようにと今も祈っています)

彼氏に応答してもらえなかった私は、「父と元上司が手を組んで、彼氏のプロポーズ作戦を手伝っている、だから彼氏に会えない」と大変おめでたい妄想を抱き、徒歩圏内の実家に突入しました。

当時私は相当な結婚願望を持っていたので、抑えていたものが錯乱状態になったとき、表に出たのかもしれません。

今思い返すと大変切ない気持ちになります。

実家に行ったとき私を出迎えてくれたのは、まだ学生の弟でした。

弟からしたら母と精神科に行ったはずの姉が一人で「父を出せ」とすごい剣幕で帰ってきたのでめちゃくちゃ怖かったと思います。

弟は母に連絡を取り、再び市立病院に私を連れて行ってくれました。(途中彼氏を探すために私がジムに侵入するなどのすったもんだがありました(笑))

彼がいなかったら私は熱中症で一人倒れていたかもしれません。

私を助けてくれた弟には頭が上がりません。

市立病院に戻された私は医師から入院適応と診断され、自宅からほど近い精神病院への即日入院が決まりました。

精神病院での診察では「滅裂状態」と判断され、閉鎖病棟の保護室での入院生活が始まりました。

私は覚えていませんが、母曰く先生は「(私)さんは脳の病気のため入院する必要があります。」と説明してくれたそうです。

ちなみに私の主治医は、私の高校時代の同級生にめちゃくちゃ似ています。
これが後に私をさらに混乱させます。

次回
「保護室で見た夢と孤独」

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