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私の大切な人 第2章

『大丈夫?』

そう声をかけられたのが最初だった

 

出会いは高校生活2日目の帰り道でした。
今まで中学、小学生の時は親の送迎が当たり前で私はその日学校から初めて一人で帰ろうとしてました。

いつも車の中から外を見てたから分からなかったけど、バスは時間によっては人がパンパンだし、電車も時間によっては満員で座れる時がほとんどありませんでした。

初めの頃はそれにびっくりして怖くなって、私はバスに乗るのを躊躇ってしまいました。

そんな時声を掛けてくれた子がいました。
全く知らない子、初めて会ったしクラスも違う子。
でもその子は、すごく優しくって

『大丈夫?バス人が多いけどまだ乗れるよ。
こっちにおいで。』

慣れない私は当時、乗れるよって言われても怖くて、ごめんねって言うしかありませんでした。
結局一人では帰れなくて、大丈夫かと親をその日泣かせてしまいました。

でも、その子は朝早くから学校に来ていたようで私がバスに乗って登校してきた時に『おはよう!』って挨拶してくれていきなり『昨日はごめんね』って謝られたんです。

なんで謝るのか疑問でいっぱいだったんですけど、私も謝らなくちゃって思いました。だって、せっかくの善意を断っちゃったんですもん。

次の日からはちゃんと、登校も下校もちゃんとひとりでできるようになりました。その子はバスの中で何回かあって初めの頃は『大丈夫?』ってよく声をかけてくれました。

その子とは初めて会った日から少したったくらいの時から、時間を合わせて一緒に学校に登校するようになりました。

高校生になって沢山の初めてのことを学びました。

それまでは多分、私は過保護に育てられたんだと思います。

電車の乗り方もあんまり分からなくて、その子達と遊びに行く時乗り換えが出来なくて迎えに来てもらったこともありました。

そんな私を呆れず、そして見捨てずに笑いながらたくさんのことを教えてくれました。

なんでそんなに笑いながら、呆れずに私の知らない一般常識を教えてくれるのか、聞いてみたことがあるんです。

『何でそんなこと聞くの?
知らないなら今知ればいいじゃん!
大人になる前に失敗しながら沢山のことを見て覚えてこうよ!!』


その言葉が私にはすごく嬉しかったです。
私の事情を知りながら、でも差別せずに嘲笑いもせずに笑いながら対等の立場であろうとしてくれる子になんだか胸がすっごく暖かくなりました。

きっとそういう子は少ないと私は思います。
障害者ってめんどくさいとか、何したらいいのか分からないって人が沢山いると思います。

でも、それでも対等であろうとして真正面から向き合ってくれて、たくさんのことを教えてくれて些細な優しさかと思われることでも心が暖かくて仕方がなかったです。

その言葉前回言った子と同じように私にとってものすごく大切な人です。
恩人のように感じるし、ひとつの拠り所のように感じてます。


皆さんにはそんな、陽だまりのよう心を温めてくれる人はいますか?

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