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拝啓、何者にもなれなかった自分へ。

金曜の夜、休日の夕方、目覚まし時計をかけないで寝れる日の夜、朝寝坊。

早く会いたいと思った友達。明日は何を話そうか布団の中で考えながら寝た夜。未来に対する不安を誤魔化して笑っていたあの日。何をしなくても生きていけたのは、周りにいた人のおかげということに気が付かなくても生きていけた。椅子に座っている時に物を落とすように、風船が空に飛ばされるように、簡単に全てを投げ出せることが強さだと勘違いしていたあの頃。

突然、大人にならないといけなくなった。自分の居場所は自分で探して、何者にならないといけなくなった。
すぐに何かになれると思っていたのは、何者でもないのに大切にされていたからかもしれない。

何をしても続かなくて嫌なことから逃げてしまう自分が嫌になっている。何年も何年も何年も続いていることが私を作ることに気が付いたのは、辞め癖がある自分だからかもしれない。

7年間勤めた仕事を退職したくて仕方がない。毎日、家にいる。少し歩くだけで疲れる。仕事が始まったときのことを考える。自分に再びできるのか不安になる。できない気がする。仕事を辞めたくなる。でも、何も無い私が私を表せる者は仕事だから仕事を続けないといけないとも思っている。

そんな相談を、赤ちゃんにした。赤ちゃんは、小さい手に持ったハンガーをヒラヒラさせながらアーと叫んだ。

赤ちゃんを幸せにしたいと思った。頑張らないといけない気がした。

やぎさん郵便を使って今の気持ちを届けます。今書いてること届くかな、仕事を始める前の自分に。弱気になっている未来の自分は、読まずに食べそうだ。


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