未来を見せるおじいさんの話
未来を見せてくれるおじいさん。こんにちは。未来を買いにきました。
女の子の手には500円玉が握られていました。今朝、ご飯の代わりにと机の上に置かれていた500円玉でした。女の子はコンビニのおにぎりの味に飽きてきて、幸せな未来が欲しくなったのでした。
やぁ、よく来たね、女の子。未来は売れないけど、見せることはできるよ。何年後がいいかい?
おじいさんは、公園のベンチに寝ながら女の子に聞きました。このおじいさんは少し不思議な力がありました。未来を見せる力があったのでした。
私が大人になった時の未来がいい!私は素敵な大人になって、かっこいい人と結婚して幸せになってるはずだもの。
女の子は言いました。女の子は前歯を見せて笑いました。女の子の前歯は虫歯で半分溶けていてカブトムシのツノみたいになっていました。
そうかい、そうかい。じゃあ10年後の未来にしようね。未来をみるとその通りになるけど、いいのかね。
おじいさんは寝転がりながら言いました。このおじいさんは神様で悪魔の子でした。10年後の未来を女の子に見せました。
何これ、真っ暗じゃない。やぁね、おじいさんったら。これだとインチキだわ!お金を返して!
女の子は500円を奪おうと思いました。女の子の爪は噛みすぎてなくなっていました。
これが、女の子の1番幸せな未来じゃよ。
おじいさんはそう言って、のろいあくびを1つのろのろと大きく背伸びしてしましたとさ。