母音・子音の分類 (1)
音声の分類(音声を例えば「母音」や「子音」等いくつかのカテゴリーに分けること)というのは、一見基本的で簡単な作業のようでいて、実は一筋縄ではいかない、たいへん困難な要因が関わってくる作業です。現に、これまで多くの学者が音声の分類を試みてきました(例えば下の (1), (2)))が、未だに全てに納得のいく形の「決定打」と呼べるものはないのが実情です。それは (3) に見るように、分類に際して種々の観点から様々な基準を立てることができ、しかもそうしたいろいろな基準に基づいた分類の結果がお互いに「ズレて」しまう場合があるからです。
(1) Pike (1943)
K. L. Pike (1943) Phonetics: A Critical Analysis of Phonetic Theory and a Technic for the Practical Description of Sounds. University of Michigan Press.
(2) 枡矢 (1976)
『英語音声学』、こびあん書房
(3) 種々の観点
今日からこの問題を採り上げ、最終的に3次元的な分類基準を提案することにします。この基準に則るなら伝統的な分類の矛盾点は基本的に解消します。(逆に言うと、伝統的な試みはこうした3次元的な分類基準の可能性に思い至らず、あくまで2次元的な分類基準に無意識裡に拘泥したために、いずれも「帯に短し襷に長し」的な基準になってしまった訳です。)
今日はまず以下の動画をご覧ください:
https://templatematching.jp/VC.mp4
それではまた明日をお楽しみに。
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