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「誰でもミスしますよ?」行政書士が直面する受理側のミス
行政書士の仕事をしていると、申請先の役所や警察署などの人たちも、結構間違った説明をしていることがわかる。
一般のお客さんは、はじめて申請を出す人も多いので、相手の説明がすべて正しいという認識かと思うが、繰り返し何度も申請を出している専門家からすると、「そんなわけない」というようなことを窓口で言われたりする。
役所や警察の人たちも、結構異動が多く、受付に慣れていない人も多い。
そのため、行政書士側の方が経験が多く、受理する方がほぼ初心者ということもよくある。
また、受理側の認識が間違っていたり(通達内容を読み間違えている)、引き継ぎがうまくいっていない時もある。
引き継ぎ期間短いですしね。
役所などの公的機関の方は、あまり横のつながりがなく、他県や他市区町村のやり方を知らないことも多い。
行政書士側は、いろんな市や県の仕事を請け負うので、比較ができてしまうというのもある。
こういうときに行政書士として気を付けてほしいことがある。
相手のミスを責めない
役所などでよくあるのが、はじめは必要無いと言っていた書類を後から「やっぱり要ります」と言われるケース。
これは誰でも経験したことがあるのでは?
おそらく、受付する人と、実際に審査する人がちがう(審査の人が詳しい)からだと思うのだが、申請を出す側からすると、「最初からまとめて言ってよ」と思ってしまう。
特に、はじめて依頼してくれるお客さんだと、追加で書類を用意してもらうのは、頼みにくい。
なんか、私がミスったみたいで信用無くしそう。
しかし、この「お役所対応」というのは行政書士の仕事をしていると、避けては通れない。
そこで、役所などに書類を出すときは、何度か足を運ぶつもりで対応しましょう。
一度の訪問で終わると思っていると腹が立ちます。
次々と相手の言う必要書類が変わってくる場合は、「今度はその手で来るか」と思えるぐらい心の余裕を持った方が健全。
窓口に申請に行くと、たまに窓口の人に対して、キレている人を見かけるが、気持ちは非常にわかる。
でも、そこでキレないというのは、実は自分のためにもなる。
受理側も、自分の言っていることがコロコロ変わっていることは、さすがに理解しているので、広い心で受け止めた方が、恩を売ることができます。
だれでもミスをするので、自分がミスしたときのために貯金をしておきましょう。きっとイイことありますよ!
確認を促す
受理側の言っていることが自分の認識や経験と異なる場合は、何度もしつこく確認を求めましょう。
単に、受付さんの勘違いのこともよくある。
上席の人に聞いてきてもらいましょう。
案外、あっさり覆ることがある。(聞き間違いかと思うぐらい、あっさり)
自分の認識や経験に自信を持って、納得できないことは何度でも確認してから進めた方がいい。
特に、お客さんの不利益になること(書いてもらう必要書類が増えるとか、手数料がまたかかるとか)は確認を促しましょう。
私も、某警察窓口で、他市町村と回答がちがうので、しつこいぐらい確認を求めたところ、「そんなことも知らんのか!(実際の文言です)」と言われたこともあるが、県警本部に確認してもらったところ、結果的に私の方が正しかったことがあった。
相手は平謝りです。
しかし、このときも、県警に確認するまで、「今までずっとこの方法でやってきた」の一点張りで、なかなか確認すらしてもらえなかった。
役所や警察署の窓口さんは、昔ほど横柄ではない気がしますが、プライドはめちゃくちゃ高い。
そうそう間違っていても謝らないし。
あと、銀行窓口の人も間違いが多いです。こちらは対応は丁寧ですが、知識が浅い。
相続手続(銀行解約など)で銀行にいくと、窓口の方は相続の代理申請というものを分かっていないことが多い。
職印証明とか「なにそれ?」って感じで知らない人も多い。
相続でお客さんが書く書類は、委任状と遺産分割協議書ぐらいで、あとの銀行などの手続き書類は行政書士がすべて代理で書けます。(じゃないと、お客さんが依頼する意味がない)
今の銀行は、相続専用窓口(実店舗ではない)があって、そこの人たちは相続に非常に詳しいです。戸籍の読み方とかも理解してる。
ただ、店舗の窓口にいる人は相続の知識がほぼ無いです。
そのため、手続き書類の書き方も、二転三転したりする。
以前、某銀行で、相続人の方にも迷惑がかかるようなミス(必要な本人確認書類を間違って伝えた)を窓口の人がして、そのことを指摘したら、「誰でもミスしますよ?」と言われたことがある。
それは、私がフォローするときのセリフです。
ミスした当事者が言うのはおかしい。
不明確なら、はじめから上席の人に確認してから進めればいいのに。
白黒はっきり?
窓口に申請に行くと、前回と回答がちがうときもある。
担当さん、一緒なのに・・・。不思議。
でも、「前回はこれでいけましたよ。」というと、前回と同じ内容で通してくれるときと、理由はよくわからないけど、今回は通してくれないときがある。
ここで、「白黒はっきりしてよ!」と思うのは、ごもっともなのだが、世の中にはグレーの方がいいこともある。
そして、行政書士の仕事にはこのグレーな部分が多い。
おそらく、「白黒はっきりして!」というと、お役所というのは、今までグレーだったものも黒(受理できない)になってしまうのだ。
正直、グレーの方がこちらに都合のいいこともある。よくある。
そのため、都合のいいグレーは残しておきましょう。
まとめ
行政書士は書類作成のプロなので、受理側の方が間違っているのかも?という視点は大事ですよ。