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町工場に若者の応募が殺到!#3:84歳社長が死んだら終わる会社

就職先は地方の家族経営の町工場。84歳社長が全てを取り仕切っている。
社長が死んだら、どうなるか誰にも分からない。

労働条件の悪い町工場なのに求人を出すと、毎週1人のペースで若者からの応募がある。


今までハローワークに求人を出しても、ほとんど応募がなく、人が減っていく一方だった。

就職する前、初めて工場に行った時に奥さんが「求人出しても人が来ない」と言っていた。
一応、ハローワークの求人票も見せてもらったら、昭和かと思うような内容。

ハローワークの公開データから同じ地域の同業他社10社か20社のデータをエクセルでまとめて比較すると、給料も賞与も休日日数も少ない。1日当たりの賃金に直すと、圧倒的最下位だった。

もちろん、ホームページなんてないから、求人票の数行の会社紹介のデータしかない。
今の時代、ネットに情報がないことは、存在しないも同然。

そういうことを2回目に遊びに行ったときにデータと一緒に説明したと思う。

そんな事もありつつ、入社が決まる。

ここから、入社して数か月でやったこと。


①同業他社と比較し、最低限の条件を示す。
②上司ではなく、求職者を見てホームページを作る。
③インディードの無料求人がすごい。


①同業他社と比較し、最低限の条件を示す。

月給20~30万円(経験による) 土曜日出勤 昇給、賞与の実績なし。

工場で職人の仕事としては、条件が悪すぎる。
先ほども書いたように、同業他社の条件をまとめた資料を入社前に渡していたので、改善の話もスムーズだった。

お金面でいえば、月収10万円程度で生活していたので、2倍になるから問題はなかったけど、土曜日出勤は無理だったので、入社条件として、完全週休2日制にしてもらった。
そして、求人票には月給と書いてあったけど、日給月給だったので、そこは月給制にしてもらった。

そして、求人を出す際には「20〇〇年×月から完全週休2日制に移行!」とか、ホームページには「交渉して完全週休2日制に!」とか書いておく。
今の時代普通な完全週休2日制が、なんとなくうれしく感じるし、そういうことも交渉できる環境なんだと思ってもらえる。


②上司ではなく、求職者を見てホームページを作る。

フリーターをやっていたので、仕事探しも含めて何千社もの企業のホームページを見たはずなのに、1つもワクワクするような会社がなかった。
全ての会社が「うちの会社はつまらないです」とアピールしているように感じる。

その違和感の原因を考えたら、ホームページの制作を受けた会社や個人はもちろん、自社の社員が作ったとしても、公開前には必ず偉い人が見て判断するはずである。
製作者は、無意識のうちに、その会社の偉い人たちに向けて作っている。

小さい会社で、社長自身がホームページを作るとしても、顧客や商品のPR向けに作っている。

なので、徹底的に、求職者が”ワクワク”するようなホームページを目指した。

ホームページにかける予算なんてないので、無料のGoogleアカウントと、無料制作サイトで作っている。ホームページ制作者としては、技術的にもセンス的にも副業すらできないレベルだけど、忖度なし(高齢化がやばいとかも普通に書いている)で徹底的に求職者が「なんか面白そう」と思えるものを目指して作った。

ホームページやブログ、プレゼン用に、新しい商品を作ってみたり、改善活動などアピールになることを逆算的に入社1か月目から行っていた。


③インディードの無料求人がすごい。

ハローワーク、インディード、ジモティーに求人を出した。全て無料。ほかにも出そうかと思ったけど、インディードだけでも十分だった。

応募頻度でいえば、ジモティーはゼロ、ハローワークは月に1人、インディードは週に1人、くらいの感覚だった。

インディードが効果が大きかったのは、単純に見ている人が多いのはあると思うけど、noteでいうダッシュボードのアクセス状況が充実していたのが大きかった。
募集して1か月ほどは数字とにらめっこしながら、求人の文章を変化させて、反応を観察していた。

最初の数週間はほとんど反応はなかったけど、だんだん応募が増えていった。


応募がいっぱい来て、どんな人が来たとか、何人内定を出したとか書こうかと思ったけど、長くなったので、ここまで。


余談

反応を分析するのは好きで、婚活の時も活用した。
昔は大企業の一部のエリートや学者だけしか、多数の一般人向けにパラメーターを変化させたときの反応を調べるとかできなかったのに、今は世界中の人が誰でもいつでも気軽にできる。すごく面白い時代。

noteの残念な所は、ダッシュボードが貧弱すぎる。
記事ごとの表示回数、クリック率、滞在時間、スキ率、前の記事を見たかなど知りたい。

今、noteで多くの人に見てもらおうと思ったら、初投稿者にスキを連発するのが効果が大きそう。どんな人がスキをくれたのか気になって自分のところへ来てくれる。

はじめて投稿した人は、本来反応が少ないはず。でも、それだと続けようという意欲が落ちる。
最初に反応をいっぱい貰うと、続ける意欲がわいて、そのうち習慣化する。

YouTubeは、分析と改善が好きな人が伸びている感じがする。
同じクリエイティブ向けプラットフォームビジネスでも、全く方針が違って面白い。

僕は、データがいっぱい有って、反応を細かく見れる方が楽しいし、良いものが書けると思う。
そこはすごく残念。


次回は、突然の方針転換。一気に成長させようとしていたけど、成長や復活を目的にすることを止めた理由。
→リアルタイム情報に変更。社長の体調が悪くなった。
 →この話の続き書きました↓



最初から

前回

次回


登場人物 会社の人たち

僕:この物語を実況している人。入社3年目のアラフォーおじさん。

社長:50年以上前に創業した町工場の社長:84歳
奥さん:社長の奥さん。お金周りを担当:70代後半
専務:創業時からいる社長の弟。最近間違いが多い:80代
孫くん:社長の孫。最近会社に来ていない:20代前半
娘さん:社長の娘。月に1週間くらい来て事務をする:50代
ベテラン職人:何でもできるがこだわりも強い。社長の義理の弟:70代半ば
取付職人:現場の取り付け担当。最初だけ丁寧:70代半ば
営業:いつも適当な図面を描いてくる:60代後半

中堅職人:新卒で就職したが独立、従業員ではないが、手伝ってくれている:50代

登場人物 社外の人たち
またそのうち。


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