0から

断捨離は「捨て」ていく
ときめくものだけ「選ぶ」
ミニマリストは「最小限の」ものと生きる
どれもいいけれど、どれもピッタリこない。
使わない固定電話は、たまに鳴る。
親から譲り受けた屏風は、広げるに相応しい場所がない。
自家用車は、次の車検を目安に買い替えるか思案中。免許返納にはまだ早い。
子供達の置いていった本や雑貨には「捨てないで」の見えない刻印が付いている。これは実家にいろいろ置いてきた自分と同じか。
どこかにしまい込んだのか捨てたのか、見当たらないから新しく買った途端に出てきたポケッタブルダウン。これも気分的に捨てられない。
そう、サッパリすっぱり切り捨て御免が難しいのは、スペースに空きがあるからだ。家にある物を一切捨てなくても暮らしに支障はない。狭い窮屈な暮らしじゃないってことよ。使ってない物は使わないものと言うけれど、活用の方法が今は見当たらないだけかも。そもそも「今不要なら捨ててしまって、必要になったらまた買えばいい」という消費行動には疑問がある。
その品にときめくか否か。それだって、もしかしたら消費社会のイメージ販売戦略に踊らされているかもしれない。
私はどんな「物」と共に暮らしたいのか。いや、私は「旅するように」暮らしたいのだ。
ということで、「私」は引っ越すことにした。




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