☆せなけいこさんの絵本 ~50年以上読み継がれる子どもたちが大好きな絵本~
1 読んで楽しい見て楽しい、我が家に欠かせなかったありがたい絵本
せなけいこさんの絵本は、かつて本がボロボロになるまで読んだ。娘たちが大好きな絵本ばかりだった。
「ねないこだれだ」を読んだあと、低い声で「寝ない子は誰だ〜〜〜」とやると、怖そうにかたく両目をつぶり、そのまま寝ついてくれた。早く寝かしつけて家事や持ち帰り仕事をやりたい時に、私には大変助かる絵本でもあった。本当はこんな絵本の使い方は正しくはないのかもしれないと思う。でも、とにかく、我が家の生活に楽しい時間をくださり、私の育児を支えてくださったせなさんの絵本に深く感謝している。
今回は、せなさんの絵本から、4冊ピックアップして紹介したいと思う。子どもだけでなく、大人が読んでもたのしい。
2 もじゃもじゃ
娘たちのお気に入りだった「もじゃもじゃ」。タイトルの「もじゃもじゃ」のところから、娘たちはワクワク顔だった。あたたかい絵、出て来るものも身近なもの。最後の「かがみに うつった きれいなこだあれ?」の後、娘たちは決まって「わたし、わたし」とアピール。楽しい絵本。
3 ねないこだれだ
これも娘たちが大好きだった絵本。
最初のページ「とけいが なります ボン ボン ボン……」の場面の絵の柱時計は9時を指している。「これからはおばけの時間だよ、こんな時間に起きている子はおばけになっちゃうよ~」って絵本に言われたら、ちびっこは「おばけになるなんて困る! 寝なくちゃ」って思うのではないかな。そして、おばけはその辺にいるんだっていうことと、やっぱり夜は寝る時間なんだな、って。
せなさんのおばけは、愛嬌があってかわいい。白い体に、黄色い目、真っ赤な大きな口。子どもたちが「こわいけど大好き」な絵本だ。
4 おばけなんてないさ
「おばけなんてないさ」は、槇みのり作詞、峯陽作曲の童謡。
この絵本の「あとがき」で、せなさんは、こう書いている。
「いつも自分で書く私が、今回に限ってみんなのよく知っている童謡を題材にしたのは、この歌が大好きだったからです。 (後略)」
童謡の歌詞に合わせたお化けの絵は、とても楽しい。童謡の後には、「どう? おばけは もう こわく ないようね!」と締めくくっている。
絵本の最後の二ページには「おばけなんかないさ」の歌詞と楽譜を載せている。
5 おばけのてんぷら
本のタイトルから、ワクワクしてしまう。天ぷらがすきなおばけの話。うさこちゃんが天ぷらを揚げていたら……? 天ぷらのころもに飛び込んだおばけの運命は? 最後のページはうさこちゃんが笑顔でめがねを持っている絵。なぜ、めがね???
6 せなけいこさんについて
本名 瀬名恵子。1932年 東京生まれ。絵本作家。
武井武雄に師事して絵を学ぶ。
1969年、貼り絵による独特の技法を使った「いやだいやだ」のシリーズで絵本作家デビュー。1970年、デビュー作がサンケイ児童出版文化賞受賞。
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