京都ステイ⑥ 東本願寺別邸渉成園(しょうせいえん)
渉成園は、東本願寺の飛地境内の庭園。この庭園の歴史は、1641年に、3代将軍徳川家光より寄進された土地に、宗主を引退した際の隠居所として庭園を整備したことに始まる。
建てられたのは、1653年であるが、平安朝の面影を再現している。平安時代初めに源氏物語光源氏のモデルともされる左大臣源融が作った河原院跡に近く、作庭にあたって源融をしのぶ名所も作っており、平安朝の面影が再現されている。
庭園の中心となる広い池。東山から上る月影を水面に映して美しいことから、その名がつけられた。広さは1700坪あり、園全体の約6分の1を占めている。
鴨がのんびりと泳ぐ静かな池だった。
桜門作りで、左右側面に「山廊」と呼ばれる階段の入口があり、階上には四畳半の部屋を設けている。
安政の大火(1858年)における焼失以前は朱塗りの欄干を持つ反り橋だったと伝えられている。現在は柿葺の屋根を持つ橋となっている。
趣のあるたたずまいに魅せられ、思わずたくさん写真を撮りたくなった。木々に囲まれ、池の上に静かに在るその姿に惹かれた。この橋を渡りながら、いにしえに思いをはせてみる贅沢。
大河ドラマ「光る君へ」で、藤原道長とまひろ(紫式部)が逢瀬を重ねる「六条の廃邸」のモデルは、この渉成園と言われている。実際に行ってみると、ドラマのあの美しくもせつない場面が思い起こされ、庭園の持つ雅で趣のある世界に引き込まれてしまった。
タイムトリップをしたような不思議で特別な時間を過ごした。いつかまた訪れたい場所。
いいなと思ったら応援しよう!
応援ありがとうございます