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【601文字のパロディ】 新・シンドレラ物語 〜逆境に負けない逞しさとしたたかさこそが幸せを掴む〜

シンドレラは、継母と義理の姉2人と暮らしていた。父はひとりで冒険の旅に出たまま、もう半年以上帰ってきていない。

ある晩、お城でパーティーが開かれ、姉2人と彼女も招待された。姉たちは着飾って出かけ、シンドレラは家の掃除を言いつけられた。彼女はドレスも買ってもらえなかった。でも、どうしてもパーティーに行って王子様のハートを射止めたい彼女は自ら魔法使いを呼び、お城へ出かけた。

シンドレラはもともと美しかったが、魔法使いのしつらえたちょっとセクシーなドレスが、彼女の美しさをさらに引き立てた。王子はひと目で彼女に夢中になった。

「12時を過ぎると魔法が解けるから気をつけるんだよ」
そう魔女に言われていたのに、その日はお城の時計台の鐘は止められていて、彼女は気づかずに王子と踊り続けていた。

突然ドレスもガラスの靴も消え、そこにはみすぼらしい身なりの少女がいた。王子は驚き、誰かが悪い魔法をかけたにちがいないと思い、彼女をお姫様抱っこで別室に運び、新しいドレスに着替えさせた。

犯人探しが始まった。
姉2人がいつも彼女をいじめていたことがわかると姉たちが犯人とされ、処刑されることになった。

シンドレラは王子に、姉2人を赦すよう懇願した。2人は赦され、王子はシンドレラの寛大さと優しさに心を動かされ、彼女に結婚を申し込んだ。

彼女の計算通り、ことは思い通りに進み、シンドレラは自分の力で幸せを手に入れた。
めでたし、めでたし。



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