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【444文字のお話】不思議なアップルパイ

 ママがアップルパイを焼いてくれた。

「ゆいちゃん、今日のアップルパイは不思議なアップルパイよ。食べる前に魔法の言葉を言ってみてね」
「魔法の言葉?」
「そう、食べる前に『アップルパイ』って5回言うと魔法がかかって不思議なアップルパイになるのよ」
「ほんと?」

 焼き上がったアップルパイを、ママがかわいい花がらのお皿にのせて出してくれた。甘酸っぱいいい香りが部屋中に広がった。
「わあ、おいしそう」

「さあ、ゆいちゃん、魔法をかけてから召し上がれ。南の島の香りがする不思議なアップルパイになるわよ」
 ママがニコニコしながら言った。

 私は、いただきますをしたあと「アップルパイ」って5回繰り返した。
「アップルパイアップルパイアップルパイアップルパイナップルパイ」
 それから食べ始めた。

「わあ、本当。このアップルパイ、不思議。パイナップルの味と香りがする。南の島の香りがする。すごーい!」
おいしかった。
🍎アップルパイなのに🍍パイナップルパイ。
不思議だった。
魔法使いになったみたいだった。

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ジャスミンティータイム
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