現代のNBAで3連覇が非常に困難な理由

スパーズ、ヒートを退け5度目のファイナル制覇
http://news.livedoor.com/article/detail/8943098/

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マイアミ・ヒートは、2002年のロサンゼルス・レイカーズ以来の3連覇を目指していましたが、強敵サンアントニオ・スパーズに1勝4敗で破れ、3連覇の夢は潰えてしまいました。
ヒートは4年連続でファイナルで戦っていたせいか、チーム全体にエネルギーがなく精も根も尽き果てていたように感じました。
そこで、現代のNBAで3連覇するのがいかに困難かを検証していきたいと思います。

①試合数があまりにも多い。
ヒートは、2010年オフにレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの「ビッグスリー」を結成しました。
2011年は準優勝、2012年・2013年は優勝、2014年は準優勝の実績を誇っています。
ここ4年間のプレイオフの試合数を調べてみたところ、

・2011年は21試合
・2012年は23試合
・2013年は23試合
・2014年は20試合

合計すると87試合に達し、何とNBAの1シーズンのレギュラーシーズンの試合数(82試合)を上回ってしまいます!!!
これだけ、ハードな日程をこなしていると、いくら無尽蔵のスタミナを持つNBA選手であってもフラフラになり戦うエネルギーが無くなるのは容易に想像ができますね。


※プレイオフはファーストラウンド、セミファイナル、カンファレンスファイナル、ファイナルの4段階からなり、それぞれ4勝先取の7ラウンド方式です。

②各チームに徹底的に研究される。
現在、NBAは30チームあり、王者は各チームから徹底的に研究されます。
雑誌で読んだのですが、昔と比べ、今はビデオやインターネットの技術が発達し、「左コーナーから攻撃する割合は××%、右コーナーからは××%、真ん中からは××%」といった具合に、瞬時にデータが出てくるそうです。
そのため、ワンパターンの動きはすぐ読まれてしまい、奇襲が一度成功しても次も成功するとは限らないのが厳しいところですね。

③驕りやモチベーションの低下が現れる。
最初は喉から手が出るほど欲しくて欲しくてたまらない優勝リング。
しかし、いざ優勝し次の年も優勝すると、優勝するのが当たり前になり、優勝に対する貪欲さが失われ、それと同時に驕りが出てくるのも人間の悲しい性(サガ)でしょうか。

1998年に優勝して2度目の3連覇を達成したシカゴ・ブルズは、マイケル・ジョーダンの最後のシーズンでした。
当時のブルズは不協和音でチーム内がゴタゴタしており、経営陣の驕り高ぶりには目に余るものがありました。
経営陣は「チームではなく組織が優勝を勝ち取った。」といったニュアンスの発言をしており、私達こそが一番偉いんだという態度が露骨に現れていました。
それが原因でチームの解体につながり、ブルズは長い冬の時代に突入しました。

④過去に3連覇を達成したケースはわずか5回しかない。
NBAは1946年に創設されて、2014年で68年になります。
それまでの長い歴史で3連覇を達成したケースは、下記に記した5回しかありません。

・1952~1954年のミネアポリス・レイカーズ
(現ロサンゼルス・レイカーズ)
・1957~1966年のボストン・セルティックス
・1991~1993年のシカゴ・ブルズ
・1996~1998年のシカゴ・ブルズ
・2000~2002年のロサンゼルス・レイカーズ

過去には、マジック・ジョンソン、アイザイア・トーマス、アキーム・オラジュワンなどの名選手が3連覇にチャレンジしましたが、あえなく破れ去っています。
3連覇することがいかに困難かが分かる事例ですね。

今回、残念ながらヒートは負けてしまいましたが、来シーズンはスパーズが連覇するのか、ヒートがリベンジするのか、はてまた新たなチームが出てくるのか注目したいです。 

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