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「アルプスの少女ハイジ」に学ぶ教育論Ⅰ なぜクララは立てたのか? 「支援」と「環境」
大人になって
「アルプスの少女ハイジ」を
見なおすと、
子どもの頃と
違った視点で
分かることがある
あのイヤな
ロッテンマイヤーさんは
仕事に忠実だっただけだし、
ハイジの行動は
唐突過ぎるなど
表題にもある通り、
「なぜクララは立てたのか」
現代の教育に応用できる
背景を解説して
いきたいと思います
キーワード「環境要因」
クララの病気は
今でいう「くる病」
だったと考えられます
ビタミンDの不足により、
足の骨が十分でなかったようです
食事療法と日光浴で
治療していましたが、
それだけでは十分では
ありませんでした
ハイジに会いたいという
理由ではありましたが、
アルプスに行くことが
治療を早める要因と
なりました
食欲がなかったクララが
新鮮な羊の乳やチーズを
ハイジといっしょに
もりもり食べ、
積極的に外に出て
日光浴をしたことが、
ビタミンDとカルシウムを
多量に摂取することになりました
キーワード「人的要因」
クララはゼーゼマン家の
お嬢さんでした
車いす生活で
家から外に出たことが
ない生活を送っていたので、
刺激が少ない状態でした
そこにハイジという
同年代の友達ができた
ことにより、
外に出たい、
立ちたいという
欲求が出てくることに
なりました
周囲の大人がいくら
お膳立てしても
本人の欲求が高まらないと
効果が上がらない
ことはよくあります
クララはハイジに
刺激を受け
やる気が出たのです
また、やや過保護に
育ったクララはなかなか
立てないいらだちから
やめてしまおうとします
そこで一番活躍したのが
オンジ(ハイジらの祖父)です
クララをよく観察して
骨の状態を確かめます
そしてきちんとリハビリを
すればそう遠くなく
立ち、歩けることを確信します
それをことあるごとに
クララに対して
「クララができることを信じているよ」
と伝えます
そこまでの教育は、
ロッテンマイヤーさんに
「○○しなさい」
「○○はいけません」
という命令でしたが、
オンジは見守り、
支援するスタイルでした
ハイジやペーター、
おばあさんまでが
少しでも早く
立てるように
なってほしいと
急がせる中、
オンジは決して
急ごうとせず、
見守ることの
大切さを周囲に
伝えます
「信じる」
「見守る」が
子どもにとっていかに
大切なものであるかが
分かるシーンです
また、ハイジや
ペーターの支援も
重要なポイントです
少しでもできる
ようになったら
自分のことのように
大喜びします
このことによって
クララはモチベーションを
維持することができました
キーワード「どうのように応用できるか」
これらのことを今の教育に
いかに応用することが
できるでしょうか
基本的には親、指導者(教師)は
子どもを信頼することです
そこで大切なのが、子どもを
よく観察することです
何が得意なのか
早熟タイプなのか
その子の個性をしっかりと
見極めることです
ハイジが字を読めないときに
ロッテンマイヤーさんは
努力を強いるだけでしたが、
クララの祖母はハイジが
字を読みたくなるように
物語(本)の世界を紹介し
モチベーションを高めます
その子の得意、不得意
ゆっくり型なのかを
把握して、適切な
支援が子どもを伸ばすことが
大切なことが分かります
また「環境的要因」では
今、困難にぶつかっている子への
対応にも使えます
不登校気味になっている子
他の学校に変えてみる
第1希望の学校に合格しなくて
モチベーションの落ちている子
海外留学して刺激を受けるなど、
環境を変えるとその子の
ものの考え方が
やる気が変わってくる
ことが考えられます
いかがでしたか
名作には教育に
関して参考に
なることが
かなりあります
今回は
「アルプスの少女ハイジ」
から考察してみました
みなさんの参考になれば幸いです
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