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53.課せられた人生のテーマと向き合う
以前、縁あって知り合った教会の奥さん(以下Aさん)から聞かせていただいた話がある。
そちらの教会はおたすけに大変熱心で、導いての住み込みさんもいたし、里親活動もされていた。
ずっと以前のある時、他系統の信者でひどいアルコール依存症の方(以下Оさん)をその教会でお預かりすることとなり、Оさんのお世話取りは主にAさん(その当時はまだ若奥さんだった)が担当することとなった。
しかし、このОさんのお世話が相当手を焼くものだったらしい。
便失禁が頻繁で、毎日汚れた下着の洗濯が億劫だったAさんは、内心、
(あ~、早く教会からいなくなってくれないかな…)
と疎ましく思っていたそうだ。
結局、Оさんのお世話取りは10年以上も続くことになる。
最後は病院で息を引き取り、Aさんは悲しいよりも、
(やっとОさんから解放された…)
と密かにホッとしていた。
里子の顔
それから間もなくして、入れ替わり立ち代わりやってくる里子の受け入れの中、また新しい里子が教会にやってくることになった。
その日、新しい里子(以下Kくん)が訪れた瞬間、Aさんはその子の顔を見て背筋が凍りついたという。
それは、先日出直したОさんと瓜二つだったからだ。
まるで、あのОさんが生まれ変わってまた教会に戻ってきたのかと、Aさんの脳裏には即座にそんな悟りが駆け巡っていた。
教会を出入りする信者さん達も、Kくんの顔があまりにもОさんにそっくりだったため、てっきり親戚の子を預かっているのだと勘違いした程だった。
Aさんは、Kくんと初めて顔を合わせた時、かつてのОさんと重ね合わせながら、
(私には…Оさんも、そしてこのKくんも、世話取りするいんねんがあるんだ。たとえ嫌だといって避けたいと思っても、絶対にその道を通るように運命づけられているんだ…)
そんな風に思案したという。
果たして、教会で預かった数々の里子さん達の中で、発達障害を抱えるKくんを育てる道中が誰よりも一番苦労が伴うこととなった。
しかしながら、Оさんの頃のように避けたい、離れたいという思いではなく、真っ向から真摯にKくんと向き合おうという意志を持っての養育となったし、その中でたくさんの無形の財産を得ることとなっていく。
何より、神様は実感し続ける日々を送ることできた、そうAさんは語っていた。
見るもいんねん、聞くもいんねん、添うもいんねん。
この話を伺うにあたって、人と人とが引き寄せられるのには深い神の思いがあるからなんだと改めて感じさせるものがあった。
関わりたくない、何だか無性に癇に障る、そういう人は、きっと誰でも身近に心当たりがある筈だと思う。ややもすれば遠ざけたいと思いがちになるのが人間心の常だけれど、その人の向こうに神がいるのかもしれない。
その先に見るべき景色が広がっているのかもしれない。
自分をたすけてくれるべき、課題やテーマともいえる存在がその人なのだろう。
…なんて、頭ではわかっていても、実際はそれが本当に難しいことなんだけれど。
【2015.1】
おまけ
記事の内容に関連深い古い先人の手記に触れ、興味深かったのであわせて紹介します。
『かみしめる道中』
私は十四、五歳ごろから梅雨時になると毎年、しゃく(胸や腹が急に痙攣を起こして痛む)が出て非常に苦しみました。成年になるにつれ、それがひどくなってまいりました。
なんとかしてご守護いただきたいと思っていましたが、どうにもなりません。すると私の妹が精神を病んで暴れ、夜中でも静かにしません。私は、妹と私は前生の夫婦であり、前生この妹に非常に迷惑を掛けたから、今生においては妹を介抱することがいんねん果たしの道だと諭され、暴れる妹に手を合わせていろいろと介抱しました。夜はほとんど寝ませんでしたが、その苦しみの中を通って妹もご守護いただき、私もその後しゃくが出ず、すっきりご守護いただいたことがありました。
私が知る限りでも、里子・里親の関係なのに本当の親子のようにそっくりな人がいます。
子連れの方をもらって結婚された教会子弟さんが、そのお子さんとそっくりで本当の親子だと言われても遜色ない、そんな血の繋がらない親子さんも知っています。
魂の縁なんでしょうね…。
また、職場で気の合わない上司と衝突しては退職し、転職してはその先で同タイプの気の合わない上司がまたいる、そんなことを5回も6回も繰り返している方も私は知っています。
魂の課題なんでしょうね…。
不思議なことはいっぱいあるもんです。
逃げてばかりじゃいられない、自身に課した人生のテーマがそういったところで静かに流れているのかもしれませんね。
ここまで読んでいただいありがとうございました!
最近なかなかnote更新できていませんが💦
それではまた(^O^)