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119.何が起こっていようと喜ぶ場所、喜ぶ時

2017年秋、3歳になる次男を連れておぢばに帰った。

折しも真柱継承者・中山大亮・布恵両氏の御成婚慶びの集いが開催されるという記念の秋季大祭。

この末息子と、そのお祝いの催しで賑わう人だかりの中、多くの誰かと同じ瞬間を共有するのかなぁと想像していた。


ところが…。


詰所に帰着し、しばらくすると、息子はぐったりして急に高熱は発症する。身体が火照り、体温を計ると39℃を超えていた。

途端に焦り出すピーナッツ。

何故なら、この子は以前、高熱と共に痙攣を起こし救急車で運ばれ、そのまま入院したことがついほんの数年前にあったからだ。
以来、発熱の度に慎重に見守らねばならない対象でもあった。

対処するに緊張が走る。

いつもであれば急に具合が悪くなっても家に戻れば一通りのものが揃っているが、生憎ここは詰所の一室。何もない。十分な対応が全く取れない。

慌てて詰所の近所にある小児科に連れて行く。
抗生剤や解熱剤を処方されたものの、薬局はそこから少しばかり離れたところにあった。

遠いので息子を詰所の部屋で待たせておきたいのに、「お父さんと離れたくない」と言って、まるで聞きわけない。具合が悪いのだから仕方ないのだけれど、急がないと薬局が閉まってしまうギリギリのタイミングだったので、またも焦るピーナッツ。

困った。
途方に暮れる。

詰所主任の奥さんに理由を話し、代わりに抱いて待ってもらい、その間、少しでも早く戻って来れるよう、薬局までの行き帰りを汗をにじませながら走った。



おぢばで起こったことは、喜ぶこと

息を切らしながら詰所に戻って来ると、詰所主任室で主任さんが息子のことを心配して氷枕を持って来て貸してくれた。

更に、私や息子のことを日頃から見知っている若い修養科生さんが、自前の救急セットを部屋から持ってきて貸してくれた。

みんなの親切、心寄せが身にしみる。


部屋で息子の添い寝をしながら、薄暗い豆電球の灯りに照らされた布団の中、件の慶びの集いの時間を迎える。

今回のおぢば帰参のメインイベントに、集えないという結果に、寝息を立てる病床の息子の隣で天井を眺めながら、こういう状態をどう喜ぶか、その喜び方をじっと思案していた。

多くの人がお祝いの時間を過ごしている中、その裏で私は誰かの(それがたとえ自分の子であったとしても)看病をし、こうして人の救かりを祈っている。その尊さを喜ぼうと思った。

何があったとしても、何が起こったとしても、これはおぢばで起きている出来事なのだ。
それはどうあれ、喜ぶことのできることなのだ。


ふと、花火が打ち上がる音が鳴り響いた。

その音で目を覚まし、「あっ、花火だ、見に行きたい」とせがむ息子を抱きかかえ、神殿の方角のベランダから夜空を見上げる。

大きな花火が何度も打ち上げられていた。

あの場所にはいないけれど、この場所でいまこの瞬間を喜んでいる。
そして懸命に生きている。

私らしい、ピーナッツらしい、アウトローにはおあつらえ向きな顛末だが、それにしてもこの子にとって、生まれて初めてのおぢばがえりは一体どんな思い出となったのだろうか…。



翌朝には大分熱が引いて、元気を取り戻す息子。
額に冷えピタを貼って、そんな彼を抱いて仲間達と共に神苑を目指す。

本日は青年会総会。快晴の一日だ。


【2017.11】



おまけ

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いや~、あの当時の数日間、本当に大変でした(;^ω^)

意気揚々と出かけたおぢばで、濃密な思案の時間をいただきました。

でもこうやって、メインイベントの中央地点から遠ざかった場所で、それを違う角度から見つめる、これまでもこういうことの方が多かったピーナッツ。

そういう役回りなんでしょうね。

この次男も今では小学5年生。
もうすぐバスケの大会も近づき、ガンガン練習に明け暮れています。
元気に成長しました。

時の経過とは、ほんとに早いものです…。


というわけで、ここまで読んでいただきありがとうございました!
それではまた(^O^)

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