献立作りで困っている人へ
「今日のご飯、何にしよう…」
仕事終わりによったスーパー、帰宅後の冷蔵庫の前で立ち尽くす。
レシピがなかなか決まらず、スマホを手に途方に暮れてしまう。
こんな経験ありませんか?
私も料理を学ぶ前や忙しい日々が続くときは何度も同じ気持ちになりました。
特に子供が生まれてからは毎日考えるのが苦痛でした。
今でも時たまそんな日がやってきます。
献立を考えるのって、一見簡単そうでいて、実はとても頭を使う作業なんですよね。
栄養のバランス、家族の好み、食材の在庫、調理時間…。
考えるべきことが多すぎて、気づけば「もうカレーにしよ!」なんて日もあります。
でもこれを読み始めた人は大丈夫。
ちょっとしたコツさえ掴めば、献立作りはずっと楽になります。
そして何より、「悩まずにサッと決められる」と、
日々の食卓がぐんと豊かになりますよ。
今回は、簡単に実践できる献立の考え方を一緒に見ていきましょう。
まずは基本の「型」を知る
ご存知かもしれませんが、献立には基本の「型」みたいなものがあります。
それは、献立を 「主菜+副菜+汁物」 の三つに分けること。
この三つを揃えるだけで、食卓がしっかり整った印象になりますし、
自然と栄養バランスも良くなります。
例えば
主菜:肉や魚、卵や豆腐などのたんぱく質をメインにした料理
副菜:野菜を中心としたサラダや煮物、おひたし
汁物:味噌汁やスープ、コンソメスープなどの汁物
「主菜・副菜・汁物」という枠があるだけで、何を作るかがかなり絞られてきますよね。「今日は鶏肉があるから主菜はチキンソテー、副菜は冷蔵庫にある野菜でサラダにしよ。スープは簡単にコンソメで…」といった具合に、自然とイメージが湧いてくるはずです。同時にワンプレートにしちゃおう!と考えれば洗い物も減って一石二鳥になりますね。
テーマを決めるだけで献立がスムーズに!
さらに一歩進んで、献立に「テーマ」を設定するのもおすすめです。
ここで考えるテーマはシンプルでOK。
「今日は和食」「明日は中華」「週末はイタリアン」など、
今日のご飯のざっくりとしたジャンルを決めるだけで料理が考えやすくなります。
献立を「中華」というテーマにするなら
主菜:鶏肉の唐揚げ
副菜:きゅうりとクラゲの中華風和え物
汁物:野菜スープ
といった具合になります。
こんな感じのテーマがあると、料理全体の統一感が出ますよね。
献立の統一感があるだけで味付けにも一体感が出てきます。
そうすると味付けがチグハグになったり、
メニューを合わせていく時の失敗が少なくなります。
実はここが重要なんですが、テーマがあることで頭の中が整理されやすくなるんです。
「今日は何を作ろう?」という曖昧な悩みが、
「今日は中華だから、○○か△△にしよう」
と具体的な悩みに変わるだけで、献立へのストレスも少なくなっていきます。
味付けのバランスやメニューで悩んでいる方に、まず試してほしい考え方の一つです。
色で考えるのもひとつの手
もう一つ、簡単にバランスを取れる方法もあります。
それは「色」を意識すること。
赤・緑・黄色(または白)の3色を揃えると、自然と見た目が美しく、
さまざまな栄養も取れるので献立のバランスが良くなります。
例えばこんな感じ
主菜(赤):トマトソースのハンバーグ
副菜(緑):ほうれん草とベーコンのソテー
汁物(黄色):コーンポタージュ
想像してみてください。
なんてことない普通の献立ですが、カラフルでバランスが良さそうですよね。
「赤、緑、黄色」を目安にすれば、無意識に足りない栄養素を補える可能性が高いんです。彩り豊かな料理は食欲もそそりますし、作る方も楽しくなりますよ。
彩りを考えるのが面倒な時やどうしても無理な時もありますよね。
そんな時は足りない彩りを布で補ってください。(笑)
最近、有名な料理研究家の方がXでこれをおっしゃっていました。
私は「ほんとにその通り!ブラボー!!」と心の中で拍手喝采です。
これは献立に対する考え方を、とても軽やかにするヒントだと思っています。
彩りを気づかえる余裕のある時はやってみる。
無理な時は布やカトラリーでもいっかと気楽に考える。
これが負担にならないポイントですよ。
中途半端な食材も立派な献立の材料!
メインに使ったお野菜の残りなど、
「冷蔵庫に中途半端な食材しかない!」という日もありますよね。
そんなときは、無理に新しいメニューを考えず、
余った食材を生かすことに集中しましょう。
例えば、冷蔵庫に半端な野菜があればスープや炒め物、副菜に使います。
お肉や魚が少量しかないなら、卵や豆腐でかさ増しして一品にするのも手です。
さらに、炊き込みご飯や丼もの、チャーハン、
パスタなどの一皿料理にしてしまうのもおすすめ。
私はメインで使うものを少し多く購入しておき、
別の日の副菜や汁物に転生させています。
「食材が被っているので、同じものができそう」
と思うかもしれません。
しかし、別の食材と組み合わせることによって、
目新しい献立になるのであまり気にならないんです。
気楽な献立作りのポイントは「ゼロから考えない」こと。
冷蔵庫をチェックして使える食材を把握し、どう活用するか。
それを考えるだけで、驚くほど楽になりますよ。
常備菜や作り置きで時短!
忙しい平日には、休日に少しだけ時間を取って
常備菜を作り置きしておくと助かります。
2~3種類の副菜を冷蔵庫にストックしておけば、主菜を作るだけで一食完成。
きんぴらごぼう
ブロッコリーの塩ゆで
煮卵
など、これらをローテーションで使えば、献立の悩みが一気に軽くなります。
主菜も焼くだけ、煮るだけ、蒸すだけのシンプルなものにすれば、
調理時間はさらに短縮できます。
そんなの作ってる暇がない!という方は取り分けがオススメ。
・多めに下ごしらえ(火を通す)をして味付けをせずにストック
・1回分の副菜ではなく2,3回分多めに作っておく
下ごしらえだけなら味を変えるだけで済むし、
多めに作った日は常備菜用に取り分けて、あとは出すだけでOK。
そんな日があったっていいんです。
家族を巻き込んでみる
何も献立を考える作業をあなた一人で抱え込む必要はありません。
家族の好みを把握するためにも、「何が食べたい?」と聞いてみるのは大切です。
「子どもがカレーをリクエストしてくれたから今日はそれにしよう」
「夫が和食好きだから、明日はお魚にしよう」など、
意見を取り入れるとスムーズになります。
もちろん「なんでもいい」と言われたら、これはあなたのラッキーデー。
言葉通りそのまま受け取って、自分の食べたいものにしましょう。
いつも家族の健康や栄養バランスを考えているんですから、たまにはいいんですよ。
これで文句を言ってくるご家族には
「なんでもいいじゃなくて、食べたいもの言ってくれれば作るのになぁ」
「明日はリクエストのやつにするから、食べたいもの教えてね」
とお返しください。
どうしても「聞きたくない。無茶なこと言われるから嫌だ。」と思う方は
家族の好きな料理をリストアップして冷蔵庫に貼っておくのもオススメです。
悩んだときにそのリストを見るだけでアイデアが浮かびますし、
「このメニュー久しぶりに作ろうかな」と思えるきっかけにもなります。
「完璧」じゃなくて大丈夫
最後にお伝えしたいのは、「完璧な献立じゃなくていい」ということです。
時にはお惣菜やインスタントに頼っても良いし、
ワンプレートで済ませる日があってもOK。
大切なのは、食卓を囲む時間や、料理を通じて家族に気持ちを伝え、頑張った自分を労ることです。
一食偏ったくらいで健康ではなくなるわけではありません。
ご飯を食べることや作ることは一生続くことですから、
頑張る日、頑張らない日とメリハリをつけてゆるくやっていきましょう。
献立作りは慣れればもっと楽しく、そして短時間でできるようになります。
「主菜・副菜・汁物」「テーマ」「色」「食材活用」など、
今回ご紹介したポイントをぜひ試してみてくださいね。
明日のご飯が、少しでも楽に決まりますように!