【実験】半年間でサービス開発はどこまで出来るか
ビジネスデザイナーの大橋です。
マーケティングリサーチ、事業企画、起業相談など、ビジネス支援の領域で仕事をしています。というと、カッコいいっぽいんですが、めっちゃ泥臭いです。というのが好きですね。
アイデアを形にするというテーマは2009年くらいから掲げてきたのでとはいえ、まだ12年程度です。求道的でもあるアイデアの道を楽しみつつ、形になっていくところやならなかったけどなんか良かったね!みたいなことをカジュアルに楽しんでもらえれば嬉しいです。とはいえ、やっているこっちは相当ひーひー言っているかもしれません(笑)
◆実験の目的と背景
2021年3月頃から、サービス開発をするぞ!と動いていました。今回の実験対象は「サービス開発」しているところで、加速できるかまたはより客観的にデータがとれるかはおいておいて、どうせながら楽しみながらいこうということでエントリーしました。
目的としては、アイデア→形にするということを仕事にしているので、このあたりはやってもやりすぎではないというところです。より体験を得たらクライアントにもフィードバックもできますし、また自身のラーニングになるのが狙いです。
サービス開発=ビジネスとして成功するみたいなものももちろんありですが、半年かつ個人で出来るという性質のものではないので、ラーニング重視です。なのですが、ボランティアや慈善モデルということを追求しているのでなく、それ自体がビジネスとして、またはそこから仕事に結びつけるのが狙いです。
背景としては、私自身の仕事に直接つながるので、仕事のためというのが分かりやすいと思います。一方で、こういうトライアンドエラー企画は自身のブログでもやっている、というよりもそもそも人生自体がトライアンドエラーじゃないですか(笑)ということで、気軽かつ楽しんで行きたいと思います。
◆検証したいこと
テーマに掲げたのは、「半年間でサービス開発がどこまでできるか」です。
実際に出来るかどうかはやってみないとわからないという前のめりでありますが、検証したいのは、
・サービスアイデアを明記する
・そのアイデアに対して仮説を考える
・仮説のためにヒアリング等リサーチを行う
・筋が良さそうならさらに進める
というところを丁寧にやろうというのが主なところです。
具体的な制約は、12回までのピボットとします。
ピボットとはアイデアテーマを変えることです。本実験のテーマではありません。そうやって出したアイデアを検証していくことがここでは最も大事なことだと考えています。
なぜかというと、今まで私の全てのアイデアというわけではないですが、アイデアの数に比べてそこから行動として形にできるもの、検証しているものというのは限られるからです。限られるから手を抜いていいわけではなく、とはいえリソースは限られるのでなんとも・・・というジレンマがありました。
この解決策はないのですが、ただ一点言えるのは「とことんやったらどうなるのか?」ということでした。とことんは、半年間では極々一部なのかもしれないですし、意外に色々カバー出来るかもしれません。
あと、これはN=1ではまったく当てにならないのですが、個人開発だろうがなんだろうがサービス開発のもっとスケールが小さいもの、つまりスモールサービスの指標が欲しいなあと思っています。
例えば、企業でいえば2年間で投資いくらかをしてそこで一定売上が出なかったら終わりというのも分かりやすいが、個人ならどうなるのか。思い入れや時間感覚やライフスタイルでいかようにもかわる。そこに正解はないので、正解を示すのでなく、こういう人ならこういうやり方があるというような「ものさし」によるというサンプルを作ってみたい。
上記は提出した時に自身が書いたものですが、そういう分かりやすいものでなくてもいいので(実際に企業の投資回収も企業によるわけで)、何か目安出来ると良いなあと思っています。なお、スタートアップ型かスモールビジネス型かというと、前者は面白いですが胃が辛い(笑)ので、完全に後者を想定しています。
おそらくこういう取り組み自体は稀にやる人はいそうですが、まだまだ数が足りないなと感じています。理由は単純でチャレンジする人が少ないのと、仮にやっても持続的にやれないのでどこかで諦めるか辞めるということです。それが悪いというのでなく、共有していくと成功率が上がる。そういう共有知みたいなのをわりと狙っています。
◆活動の概要
1)最大12個までをアイデア検証する
12個というのは深い意味はない(※)のですが、12個程度はピボットしてもやり続けられるテーマとして選んだのが「本」です。本は、読書、出版なんでもいいのですが、いわゆる「本」に関連したものとしています。テーマ的な制約は本なので、極端なことを言えば、「本を売る」サービスが一部でもあれば可能です。可能なのですが、そういう枝葉として「本」を扱うことはないでしょう。それは私が選ばない、検証しないからです。
※「12回の事業転換」世の中の課題見つけられずに SmartHR・宮田昇始社長の宮田さんの記事からのインスパイアです。これはスタートアップですし、状況は違うものの、ラーニングに関してはそれくらいの熱量を持っています。
既存トライは以下となっています。
1.創発する本棚サービス(本棚を見てアイデアが出ることから)
→本棚画像を集めてみたが何も創発せず。おそらくリアル書店との体感と再現性が違うことから。棄却。
2.図書館司書向けビジネスリサーチサービス(司書のレファレンス力を評価して)
→10人ほどヒアリングした結果、ニーズがないと判断。端的にいえば、司書に就く人は教育視点が強く、またレファレンスというのを活かすという視点、とくにビジネスとしてやるというのとミスマッチ感が強かった。棄却。
3.選書サービス(現在進行中)
→選書するサービスがあるが、では実際に選んでもらいたい人はどれくらいか。肌感としてそもそも本好きでないと使わないのでは?現状一人ヒアリング。追加で1,2名ヒアリング予定。厳しそうならピボット予定。
4.以降いけていれば終わり、いけないなら12回までやる
となっています。ピボットできるのはあと9回です。9回やって駄目なら一旦諦めます。一方で半年間で9回もピボットできるかはまた別の話です。最終的にどうなるかは実験終了前後で考えるのですが、一応制約として12回までとしています。
2)アイデア検証はアイデア出し、ヒアリング、リサーチなど
では、どんな検証をするかですが、基本的に今の選書サービスなら仮説や検証していること、ヒアリングしたこと、それぞれのアイデアをまとめています。簡単にいえば一つの企画書が出来ているイメージです。企画書を書くというのは分かりやすいですね。ただ、ターゲットと、その課題と解決方法の3点くらいでもOKとしています。あまり乗らないアイデアならそこまで書けないですし、乗るなら書けます。そして検証したいと思うなら身体が動きます(笑)
検証レベルが進んでいけば、おそらくMVPというものや、プロダクト・サービスとして分かるような、伝わるようなものが出てきます。ポイントは、MVPとかプロトタイプを作ることが目的ではなく、それらの価値を検証することです。
プロセスは明確でして、アイデアは日常から出てきます。そのアイデアに対して「◯◯なんだけど、こうしたらいいのではないか?」「こういうことをすれば喜ばれるのではないか?」ということが仮説です。これに対して、「じゃあやろう」と同時に、「それニーズあるのだろうか」「誰も使わないのでは?」ということに多くがなりがちです。
実際に個人の妄想が悪いわけでもなく、それが刺さることもあります。しかし、ここを丁寧に考えて、まず聞いてみる。ターゲット候補に聞いてみると意外な結果が見えたりします。既にそれを感じているので、焦って何か作らなくてもいいのでは?とすら考えています。
またありがちなことですが、誰にでも受けるサービスを狙うみたいなことはなくて、ニッチでもなんでもいいので、仮に3人に受けそうなものならそれも今回はありだとも考えています。つまり、サービスの規模とかマネタイズ度とかまでは工程が長すぎるので対象としていません。あくまで主観ですが、サービスになりそうだぞ、価値としてこれは世の中に貢献しているぞというところを掴む旅というのがぴったりかもしれません。
◆アウトプット・成果
アウトプットは主にブログで行います。note等も合わせて使うかもしれません。とくに検証としては「アイデア→検証したこと→得たこと」がセットです。おそらく多くが失敗するだろうというところを想定しつつ、どう成功率を高められるかが見どころとなるかと思います。
このラーニング自体を共有していて、これからチャレンジする人の轍なりになれば嬉しいです。
他研究員の方でも、「アイデア」をテーマにする方もあるので、適宜何か一緒に出来ないか、そのあたりも探っていきたいと思います。
◆実験の測定方法
測定の仕方としては、
定量的
・アイデアの個数
・検証したアイデア自体の概念、テーマ
・ヒアリング数
・リサーチ時間、リサーチした内容
・ブログ投稿数(サービス開発に関連するメモなど含む)
定性的
・トライアンドエラーから得られたこと
・ピボットする際に注意したこと、または判断した理由等
などとなりそうです。
大上段に、新規事業開発というとかなり動きが固いイメージですが、実際にはそういう構えはあまりいらないと思っています。それらの手法はおいておいて、自分がどうやるかを考えて試すことが実験の意義だからです。筋が悪いと思ったことが実は良かったり、逆もあるでしょう。
測定していって、これはなんか良さそうだなーで終わるのでなく、当然思考して、これは良さそうだと考えた理由を明確にする、ということはしたいと思います。逆にそういう良さそうなものがなかったら、それはそういう結果だったという形ですね。
頻度は暫定的に週1程度としていますが、これはもうサービス開発の状況次第ではもっと頻繁に進捗があるかもしれません。とはいえ月1レポートくらいはしていって、進捗を報告したいと思います。
◆スケジュール・進め方
ざっくりしたスケジュールは以下となります。
6月
・現在選書サービスのヒアリング、リサーチを行う
・月一レポート
7月~10月
・それぞれのアイデアの検証
・月一レポート
11月
・期間でトライしたアイデアやリサーチのまとめ
・報告書作成
となります。
◆その他詳細
アイデア自体はたくさん気づきやインプットや行動から生成されます。よって、検証すべきアイデアとなるまでのものをある程度まとめたほうが面白そうですが、全部追うのは辛いのでこれも出来る限りとしておきます。
現時点でラーニングを主体としています。これはビジネス化できない言い訳と捉えてもらってもいいです。一方で、自分が学んだり楽しめない限りそのアイデアに対して情熱や持続が出来ないです。だから、マストは自分が面白いことですし、同時に人に役立つということも重要です。前者だけでは独りよがりなのですが、私自身自分でこれをやりたいのだ!というのはそこまでないです。むしろ、誰かと楽しんだほうがいいよねという感覚なので、あまり暴走していくということは心配していません。またそれもリサーチやヒアリングで弾けるので、いいのではないでしょうか。
サービスが進んだらLPであるとか、何か動画であるとか、そういう伝わる何かを作るかもしれません。少し作ってみて思ったのはそれらを「価値」が見えてないのにやると結構悲惨というか、無駄ではないのですが「価値」自体を検証したいのに「価値があると思いこんでしまう」ことがあるんですね。これは人ならありえると思っていて、自分の考えたアイデアは報われて欲しいみたいなことがあるし、思い入れが出来てしまうからですね。とても分かるのですが、そこもどれくらい切り離していけるか。個人の限界もあるので、そのあたりはチームというよりも、親しい人と壁打ちしながらもやっていくつもりです。
想定シナリオについて
バッドシナリオ
良くないケースです。11月の前に、ピボットをやりきって12回までいってしまうパターンです。あまりないとは思いつつ、忖度せずとりあえず突っ込んでいきたいと思います。とはいえ短期間でピボットしたことは良い悪いは言えないので、どういう基準や考えでそうしたかが問われるだけでしょう。12回がどうかも主観でしかないです。
ノーマルシナリオ
何かしらMVPやプロトタイプや検証したいサービスアイデアが生まれたというところです。くどいですが、ポイントは見えるサービスということでなく(できればもちろん良いです)その価値が検証されているかということです。選書サービスであれば、選書サービスのアイデアとして、訴求したいものがユーザーに刺さっているか、それが欲しいか、または使ってみたいとかそういうことが「価値」として検証出来ていることです。サービスがあることと、価値検証は似ていそうでかなり違います。選書サービスがあっても使われないなら価値があるとは言い難いです。もちろん認知がないからというツッコミもできますが、ではその認知をどう作るのか。それができないか、あまりうまくいかないならその時点では短期的ではあれ、NoGoodとなります。その感覚をどこまで磨けるかがポイントです。ノーマルシナリオでは、何かしらこれでいけるのではないか?ということが、ピボットや検証を終えて見ることが出来れば良いという着地です。
グッドシナリオ
早い段階でサービスアイデアが見えてきてそれを磨いていけばいい、つまり価値検証もある程度出来て色々進んでいく。例えば研究員でコラボしあったり、余裕やより楽しみが見える感じですね。これは理想ですが、1番良いシナリオというところでした。