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003:AIかどうかを見分けるシゴト
フミオは焦っていた。全然、仕事が終わっていないからだ。
やるべき業務は、大量にあって、定時で終わりそうにない。なぜ大量か?いつもこんなに仕事はない。理由は簡単だ。
あるクライアントが大量に仕事を出してきて、しかも締切はすぐでお願いしたのだそうだ。これにはまいったが、お得意様ということで、課長からすぐやってくれ(暗に残業してくれの意味)と言われて、今に至るわけ。
文章だけでなく画像でもいいし、昔広がったインターネットという技術から出てきた大量のコンテンツ(データやアウトプットそのもの)が膨大にある。それが対象を見分けるのが仕事ってわけ。
「文章を見分ける」っていうけど、何を判別するか?そりゃ決まってるさ。「そのコンテンツが人間が書いたものか、AIが書いたものかを判断する」ってこと。
ある文章が人間かAIかどうか分かるのか?って。それはもう分かるんだよね。AIが出す癖というのがあって、僕らはその癖を研修や動画や現場で学んでいるんだ。それで大体の確率で分かってしまう。
僕らの機関というか所属はそれらに対して「ちゃんとこれはAIです、AIじゃないです」っていうんだよ。こういう理由でAIですとか、AIではないです、人間が書いたものですって証明書を出すわけだね。これが価値になる。
世間にはそれを見て「発行書団体」なんて揶揄する人もいるんだけど、僕はそこまで思わない。だからこのシゴトを続けてるんだ。
さらに古い表現だけど「遺跡で古いアイテムを発掘する」ような感覚というのが、このシゴトの感覚かもしれないなあ。間違えても「最先端の技術を使った」でなく、「砂金取りみたいで地味に、砂を毎日いじって、あーでもないこーでもない」って感じ。
あ、そろそろシゴトに戻らないと課長に怒られるから、戻るね。今日は早く帰ってプリンでも食べて映画でも見たいかも。ばいばい。またね!
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