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#2 ビッグ・サイクルの「興隆期」に必要な要素

【レイ・ダリオ 書評】#2

前回は、ビッグ・サイクルについて取り上げて、どんなものでもサイクルがあり、何かが破綻するという「想定外」を「想定内」にしておくということを考えました。

過去の歴史の中での、帝国(オランダ帝国、大英帝国など)や王朝(中国王朝など)などの興隆と衰退を研究した結果、以下のようなビッグ・サイクルがある。
ビッグ・サイクル
1)生活水準を大幅に向上させる創造性と生産性に富む平和な繁栄の時期
2)富と権力を巡る争いが多発し、富、生活その他大切なものが破壊される不況、革命、戦争の時期
との間を行ったり来たりする。

引用:世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか

このビッグ・サイクルですが、過去500年間の主要11大国(特に準備通貨を発行したオランダ・イギリス・アメリカ+中国の4つの最重要帝国)の盛衰の歴史から、3つのフェーズが起きていると書かれています。

新世界秩序→①興隆期→②絶頂期→③衰退期→新世界秩序

プロダクトライフサイクルに近いイメージですね。
導入期→成長期→成熟期→飽和期→衰退期

面白いのが、それぞれのフェーズの特徴が書かれていることです。これを国や組織に当てはめて考えると、自分がどの状態にいるのかを客観視できる視点を得られそうです。

今日は「興隆期」の特徴について。

興隆期は次のことがあると始まる・・・
強い有能なリーダーが権力を握り、優れた制度を設計して国家の富と力を増す。
しっかりとした教育が行われている。知識やスキルを教えるだけでなく、次のようなことも教える。
強靭な性格、礼節、勤労倫理を育成する。上手に行われれば、規律や法律、社会秩序をきちんと遵守するようになり、汚職率が低まる。協力して働くことを奨励して、生産性改善をもたらす。これがうまく行われるほど、国家は基本的な製品の生産から徐々に次の段階に移行する。
イノベーションを進め、新たなテクノロジーを生み出す
世界の優れた思考を受け入れてベスト・プラティクスを学ぼうとする。

引用:世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか

会社も同様で、こういったことが大事であり、原理原則なんだなと気づかせていただきました。
仕事で、数多くの中小企業とお付き合いさせていただく中で、いい会社は、やはり下記のようなことが徹底されています。言葉はシンプルですが、実現するにはなかなかのハードルがあります。

・強力なリーダーシップ
・技術教育だけでなく人間的な教育
・ルールを守る、当たり前のことを徹底できる力
・イノベーション(商品力)
・ベンチマーキング(良い点を真似る、徹底的にパクる)

大谷翔平選手を育てた教育の一つである「原田メソッド」に、人を自立させる3原則というものがあります。

・時を守る(時間厳守)
・場を清める(清掃・奉仕活動ですさみを除去する)
・礼を正す(挨拶、返事、ありがとう)

私のいる会社でも、この考え方は大事にされて、徹底しています。こういったことが組織、ひいては、国としてのベースが出来上がっていくんですね。

こういった土壌がある上で、さらに「絶頂期」を迎えるにはどんなことが必要なのか、次回見ていきたいと思います。


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