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行動変容につながる『健康診断』と『経営指標』の共通点


今日は、なぜ行動変容を起こせないのか?
を考えたいと思います。

先日ご紹介した『健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと』を読んで気付いたことは、「健康診断」と「企業の経営指標」の結果は、同じような課題と可能性を抱えているということです。
課題は、分析結果を見ても、意思決定や行動につながらない。
可能性は、結果を通じて、課題が明確になり、行動すべきことが明確になる。

著者は、健康診断の結果だけでは動けない理由をこう書いています。

健康診断の結果が悪くなってしまっても、積極的に行動を起こして改善しようと思う人は、そんなに多くはないでしょう。
医療機関を受診して医師に相談したり、習慣的に運動したり、お酒を減らしたり、禁煙したりすることは、面倒だと感じることでしょう。
なぜ面倒だと感じてしまうのか。最大の理由は「自覚症状がないから」だと思います。
血圧や血糖、コレステロールなどの値が基準値から外れても、それだけでは自覚症状はほとんどありません。
痛くもかゆくもないので、「急いで何かやらなければ」という気持ちが起こりにくいというわけです。

著者の野口緑さんは、健康診断後の改善が必要な方に、自分事として捉えて「行動変容」を起してもらうべく、「新しい保健指導」を導入。その新しい方法によって行動変容を起こす人が50%近く(私と同様、コレステロール値が高い人に限ると70%)も増えたとのこと。

何を行ったのか??

よくある健康診断の結果表は、項目と結果の値がずらっと並んでいるだけで、どの項目が重要かわからないですよね。そうではなく、各検査項目に重みづけをし、チャート図を活用して自分の「血管障害」がどの段階まで進んでいる可能性があるのか、見ればわかるように示したのです。また、説明資料ではビジュアルを駆使し、このままだと自分の体がどうなっていくのかを示す「病態生理」を、科学的に説明できるようにしました。

とのこと。私自身も、この本を読むことで、自分の血管状態が分かり、かつ、ビジュアルでリスクも感じることができ、まさに行動変容が起きました。

健康診断の結果と似ていて、
経営においても経営指標が複数あります。
決算が終わると下記のような指標がズラッと並んでいる一覧を決算書と一緒に提供している会計事務所は数多くあります。

・売上高営業利益率
・売上高経常利益率
・総資本経常利益率
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・債務償還年数
・総資本回転率
・売上債権回転日数
・棚卸資産回転日数
・自己資本比率
・流動比率
・当座比率
・現預金比率
・固定長期適合率
・借入金月商倍率
・借入金依存度

これらの指標もそれぞれ意味があり、大事ではありますが、パッと見て自社がどんな状況かは掴みづらいですし、何が重要かもわかりません。

なので、財務的な問題点が分かりづらく、行動変容も起きません。きっと、上記のような指標を見ただけで動ける方はわずかではないでしょうか。

なので、財務指標・経営指標もホントに大切な指標に絞り、かつ、ビジュアルや得点などで分かりやすくしていくことが大切です。

私のいる会社では『社長の成績表』という独自のサービスを提供しておりますが、今回の健康診断の話で、改めて経営者の方にとって、課題認識&ギャップを埋めるための行動を考えるキッカケになるツールだなーと思った次第です。

社長の成績表では、6つの経営指標に絞っています。
収益性・生産性の指標は損益分岐点比率
効率性の指標は総資本経常利益率
安全性の指標は自己資本比率
企業体力指数として、総資本利益率×自己資本比率
⑸財務3表の1つであるキャッシュフローをキャッシュフロー計算書で格付
資金力資金力格付表で格付

興味がある方は、下記からPDFをダウンロードできます。

6つの指標によって、5つのランクで判定結果もあるので、毎年の決算で定点観測していくことも可能です。
今回の健康診断の件で、もっともっと経営者の行動変容につながるような見せ方・伝え方ができたら意義があるなと思った次第なので、あれこれ考えてみたいと思います。

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