「わかりあえない他者と生きる」マルクス・ガブリエル②

【印象に残ったところ】

◉人生は有限だと自覚することのメリット
 →人間が脆弱で有限の存在であること…….肉体があっという間に衰えることの自覚…..人生は短い……….わたしたちはいまだに自分たちが不死身であるかのような前提で社会を構築している…….人生は先送りできるものではないのです…..常に今行動し、未来に備えてください。……未来の自分を明日の現在の自分と考えて下さい。現在がすべてであることを受け入れてください。

◉「今、ここ」にある幸せの感じ方
 「今、ここ」にある幸せは常に他者とともにいる幸せです。他者は私の幸せを邪魔しもすれば、幸せをもたらしもします。…..あなたが抱いている考えはすべて他者の存在です。….あなたの頭の中のあらゆる声、せめぎ合うさまざまな事柄は、あなたが人生に受け入れてきた他者です。…..幸せでいるためには他者と安定した関係でいなければなりません。……安定的な関係とは、たえまない交渉です。…..それについて心を砕く関係のことです。常にその関係を手入れしなければならないということ。…..常に次の段階に持っていかなければならないのです。…..安定性は変化によってしか実現できないのです。

◉幸せに生きるためには人との交わりが必要です。
 私が他者を幸せにすることはできません。誰でも自分で自分を幸せにしなければなりません。しかし他者に幸せの条件を提供することはできます。

◉負の感情から抜け出す処方箋
 他者に対するわたしたちの怒りや憤りなどは、実はゆがんだ自己との関係であることをわたしたちは理解する必要があります。……怒り・羨望・嫉妬・憤りは誰しも感じるものですが、そのような時は自分を省みるべきです。それは自分に対する感情ですから、自身への警告なのです。…………….自分に害を及ぼす/自分を不幸せにする感情を覚えたら、他者について考え続ける前にまず、自分がその感情にどう寄与しているのか、その感情から自分について何がわかるかを考えることです。

◉普遍的価値は、文化によって異なる傾向がある。
 そして、誰もが普遍的価値の存在を心から信じているけれど、何が普遍的価値かについての考えは異なりうる。……何が正しい普遍的価値かを見出すために議論をしなければならない……..


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?