6:気功、大周天
気功の本質は、『意識に上げること』です。
なんだか、拍子抜けな話のようにも聞こえますが、これを抜きにして気功を考えることはできません。
何故なら、意識の上に無いものは、内部表現の定義上、存在しないからです。
1)存在しない筋肉
存在しないのは言いすぎにしても、上手く機能してくれません。
例えば、私たちの胃は基本的に3、40以上の小さな穴が空いてますが、その痛みや辛さは殆どの人は理解していません。
また、大腰筋や大胸筋などが意識に上がってないので、上手くその機能を果たしてくれず、他の筋肉がその負担を肩代わりしている、ということも普通にあります。
慢性的に特定の筋肉に負荷がかかっているというのは、かなりのストレスです。
しかし、誰もその辛さを理解していません。
意識に上がっていないからです。
意識に上げることができて、初めて今までの身体の不調を理解することができます。
それは、今まで無視していた身体の痛みを自覚する行為だから、当然キツイです。
「……ずっと身体が痛いなぁ」と、イライラすることもあります。
でも、意識に上げているからこそ、気功で書き換えることができます。
痛みを感じるからこそ、その痛みを取り除くことができるのです。
しかし逆に言うならば、意識に上げていないものは、書き換えることができません。
脳が存在していないと認識しているからです。
存在していないものに、干渉することはできません。
2)小周天、中周天
気功でセルフワークをしていると、この意識に上げる力が上達していきます。
例えば、小周天という気功の技があります。
これは、皮膚に気を通すワークです。
つまり、肌感覚を意識に上げます。
この技術は、意外と簡単です。
いわゆる準備運動的な感覚で挑みます。
次に、中周天。
これは、身体内部に気を流します。
故に内蔵に気を流すことも、定義上、中周天になり得ます。
要は、内蔵の感覚を意識に上げるのです。
胃に気を流して、「あぁ、胃がゆるんでるなぁ」と感じることができれば、中周天は成功したと言っても良いでしょう。
勿論、そこから更に先はありますけど、結局どれも意識に上げる技術です。
意識に上げることで、ようやく気が流れたことを実感できます。
気功師に伝授された技術は、別にその感覚を意識に上げなくても、効果はあります。
しかし意識に上げなくては、使いこなせているとは言えないのです。
3)大周天と最後に
で、この二つの技術をこなしていくと、大周天という技術に行き着きます。
これは、身体外部に感覚を感じる技術です。
いわゆる、気の玉を空中に浮かせて、触らずにその感覚を感じるという、ちょっと常識から乖離した技術です。
透明な手を作って、壁の感触を触りに行く、なんてこともできます。
メチャクチャ不思議な感覚ですが、確かにあの壁のザラザラした感覚を感じるのです。
頭がかなり混乱していきます。
単純に脳を酷使する技術です。
でも私は、この大周天という技術が結構好きです。
この技術を行うと、トランスが明らかに深くなっているように感じるからです。
ちょっと頭がトリップしているような感覚です。
タガが外れるような感覚は、妙な全能感があります。
これらの技術をしっかり取り組めたなら、単純にあらゆる気功技術の効果が格段にパワーアップします。
当然です。
気功の本質が『意識に上げる』ことである以上、これらの技術はダイレクトにその本質に関わってくるからです。
どうせなら、文章にして、これらの技術を解説してみても良いかもしれません。
気の玉さえしっかり扱えたなら、小周天、中周天、大周天は、どれも容易に習得可能な技術なのですから。
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