関係性を損なわない会議を設計するには
良い会議のあり方、会議の進め方に関するノウハウは、恐らく世に五万とあるのだろうけど、改めて上手な会議の回し方について考えてみた。
会議の目的とゴールを明確にすること
これは鉄則中の鉄則なので、今更書くまでもないかもしれない。
ビジネスベースの会議であれば、目的とゴールを明確にしやすく、会議によって生み出される効果も測りやすいだろう。
ただ、これが関係者の合意や理解を得るための会議であった場合、それ自体が目的となり、ゴールは、関係者が納得感や共感を得られたかどうかという質的なものになってくる。
一人だけがしゃべりまくって、他の人は聞いているだけという状態のことも、会議の場ではよくあることだ。
これをうまくファシリテートしていくのが、会議を主催する者の腕の見せ所でもあるのだけれど、正直私はこれがあまり上手くない。
先日、ある人とこの件について相談をしていたところ、会議の設計をもう少し工夫してみてはどうか、という話になった。
例えば、会議の参加者が、出来るだけ全員まんべんなく話をしてもらうために、会議時間を細かく切って、一人が占有できる時間に予めリミットを設けるなどの工夫だ。その人に対して直接アプローチするのではなく、その場の環境を変えることで、その人との関係性を損なわずに、会議の生産性を高めることができるかもしれない。
そしてこれは会議だけに限らず、コミュニケーション全般において言えることなのだろう。
ビジネスコミュニケーションでも慣れてくると、打合せ前の段取りやシナリオについて、逐一考えるということをしなくなってくるが、そうするとコミュニケーションの質が落ちる。相手が自分とも信頼関係があって、同レベルの会話ができる人であればそれ程問題にならないが、そうでない場合、その人との関係性を悪化させてしまうこともあり得る。
自分の中では、そもそも”会議”というものの存在が、生産性を下げるものではないかと思ってしまっていたので、改めて”良い会議”を設計すること、その先にある、他者との良いコミュニケーションの取り方について、考えることとなった。たかが会議、されど会議。まだまだ奥が深いテーマなのかもしれない。