変化はスピードと規模、そしてタイミングが大事
5年程前からいわゆる地方創生や地域活性に関わる仕事をしていて、「変化する地域としない地域の差を分けるものとは何なのか」ずっと考えていた。
今日ある人と会話をしていて、「スピード」、「規模」、「タイミング」が良い変化を生み出せるかどうかを考えるのに重要な要素ではないかという話になった。
変化のスピードはどれくらいが適切なのか
地域が衰退から免れるためには、変化し続けることが大事だし、変化を許容することが一定程度必要となる。ただ、そのスピードが速すぎると、地域住民はついていけないし、理解できない。逆に遅すぎると、慣性の法則に従い、変化に抗う力に負けてしまう。このバランスが非常に難しい。
自分の考えでは、変化のスピードだけを考えていては恐らくダメで、以下に記載する変化の大きさやタイミングと合わせて、現場の状況に合わせて匙加減を柔軟に変えていくということが求められるのだと思う。
ワークショップなどでも、場の空気を感じ取りながら、参加者が置いてきぼりにならないように絶妙な進行をするファシリテーターの仕事に近いかもしれない。
変化の規模はどれくらいが望ましいのか
多少の変化は必要だと、多くの人は考えていると思う。ただ大きすぎる変化は出来れば起きてほしくないと思っている。(大災害や感染症など)
小~中程度の変化であれば受入れらるし、むしろそうした刺激を人は本能的に求めている。
なので、最初から大きな構想を描いて大規模なことをやるよりも、小さな実験、イベントを継続的に多く仕掛けていくことの方が重要なのかもしれない。
一発花火で、何か大きな拠点を作ったりイベントをやるのは、その時は注目されるかもしれないが、その先続かない。日本に数ある地方創生失敗ケースはこのパターンが多いのだろう。
小さな試みは一つ一つは目立たないかもしれないが、この方が地域住民にも受け入れられて、残る確率が高い。
どのタイミングで変化が起きるとよいのか
場の空気が温まっていないところで宴会芸をやっても白けてしまう。
それと同じように、地域の中で、新しいことをやっていこう、何か事を起こしてみようという空気感や出来事がある程度ないと、良い変化を起こしていくことは難しい。
変化の兆しを捉えて一緒に行動してくれそうな仲間がいるかどうかも、何かを仕掛けるか否かを判断するポイントの一つだ。
地域としても、変化を求めていないし、それを起こそうとする人が全く見つけられないといった場合には、その地域を諦めるか、その時が訪れるまで辛抱強く待つ方が賢明かもしれない。
ただ、自分の経験上、各地域に必ず一人か二人、あるいは一つは二つは変化を起こすトリガーとなる得る人や事があるので、それを見つけられるセンスや嗅覚を磨くことを努力するべきだと思う。
まとめ
地域を持続させていくためには、一定程度の変化を継続して起こしていく必要がある。
良い変化を起こせるかどうかを考えるのに、
1.スピード
2.規模
3.タイミング
の3つを考慮する必要があり、それぞれをバラバラに考えるのではなく、総体として捉える必要がある。
どのタイミングで、どの程度の変化を、どれくらいのスピードで起こしていくのか。この感覚を掴むのには場数が必要だし、人の情動を感じとれる力を磨いてく必要があるのだろう。