駅員の裏バナシ⑧残業代のホント
残業代、残業で稼いでナンボ!
それくらい、鉄道業界では大切なもの。安めの基本給を補ってくれる味方。
「鉄道会社はキッチリつけてくれる!」
それは残念ながら半分間違いです。
他の人の代わりに休日出勤して仕事をする、最終電車が遅れて寝る時間を削った、営業終わって清掃作業に手を焼いて寝る時間を削った、最終電車が一定時刻遅れる…これらは支払われるパターンです。
が、事務所類を完成させるために少し居残って仕事するとか、業務上必要な知識を学ぶために窓口で対応に当たりつつも居残って勉強する、営業終わってからの清掃作業したとしても軽度なものだった、自分がやらかしたミスの対処に追われて引継後も居残っていた…経験上このパターンは支払われていないことがほとんど。
中には、反対の出番者と一緒に決め事を作ったり、運用上でこうしましょうといった示し合わせといった、円滑な業務運営に必要なコミュニケーション、雑務であったにしても残業にはカウントされない。
もちろん、労働組合が強いところはキッチリしていて、むしろ残業が事前申告制。突発で残業していようものなら理由を聞かれるくらいに記録が厳格にされているのだとか。
ただ、一般企業でもこのノーカウント残業は多いと思います。結局最後は上司の匙加減次第のような取るに足らないものだけど積もり積もったらそれなりになる、でも挙げるほどではないからサービス残業になるもの。
自分は仕事と思っているのに、カウントされないのは理不尽な話ですがどうしようもないだけになんとも歯がゆい。そうだとわかっているのにも関わらず、自発的に何かやっている方は自らの時間を無償で寄付してまで働いている。こちらが残業代を差し上げることはできないし、あまりに差し出がましいが、勤勉ぶりには毎回頭が下がる思いです。安月給というストレスに対して私は「ペイ以上の仕事はしない」と割り切ったら心持ちが割合軽くなりました。日々の無機質なまでのルーティンをこなしているだけの対価と思えば、満足感は据え置きながら質と量を考えたらそこそこと考えることができますし。
私も残業は活発に行うほうです。入社数年目から現在に至るまで打点王…じゃない残業王に輝いた年がいくつかあります。ここまで働いてなお、総支給が30万を超えていても40万までは行かなかったり…睡眠時間削って駅に連泊することも厭わなかった代償の割には安いもの。
やらなかったらかなり少ないから働くだけで、矢鱈やってもそこまでもらえないから働くだけ。そこまで積極的にやっても仕方ないです。この業界。