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対岸のルサンチマン
先日、結婚した友人へ挨拶をしてきた。
休みが少ない友人とかつての自分なら容易だったものも、転職してそれなりの休みを与えられてしまうと逆に難しくなってしまった。
どの用事も蹴散らして駆けつけていたであろう、その友人の式も"あれ"のせいで諸々大変だったらしい。その後飲んだりもしたけれど、そこでは祝うというより久々に会ってその盛り上がりで終わってしまったから、速度感が大事な祝いにおいて、これがラストチャンスだった。
久々に会う友人は元々角が丸い人間だったけれど、さらに丸くなっていたのには驚いた。
まるで四角いテーブルが卓袱台になっていたくらい、そんな夫であり父になっていた。
奥様を年賀状くらいでしか見れてなかったので、お会いしてみたかったのもひとつ。
"いつもこいつがお世話になっております"なんて言ったけど、あの感じだともうお世話されてるのはどっちなんだ、と思ってしまったくらいに我々より遠くに彼は行ってしまった。
行ってしまった、というより置いていかれているだけなのか?
思い出話や近況、奥様ともお話ししていたらかなり長居をしてしまったけれど、楽しい時間って本当に絶え間なく過ぎ去っていく。
無意味に寝て消化してしまう休日よりも、それはそれは光の如く。
友人が来て、険悪さを見せつけるカップルこそ稀有ではあるからそうなのかもしれないが、そんなフィルター無しでも仲睦まじさを存分に感じ取ることができた。
子育てを分担して、感謝の言葉も欠かすことなく、仲良くはもちろんだけど、それよりも肩を組んで生活を営んでいるさまが想像できるような…実直な彼が選んだ家族としての姿がそこにあった。
人見知りなりに頑張って話を振ったり、ボケてみたりツッコんだりして、楽しく過ごせるように「余裕を持って」振る舞っていたつもりだったが、一緒に行った友人曰く緊張さが感じ取れたようで。
人見知りだからこそ、話が切れて静まるあの空間がとてつもなく嫌で、その回避術として意図しない早口気味なテンポ感で乗り切るように見えたらしい。
緊張からの弛緩。
そんな姿を見せられたから、別れを告げてからしばらくして…なんとなく物悲しくなった。
彼が嬉しいならこちらも嬉しいのは勿論だけれども、意図せず対比してしまう自分がいてそれがツラかったのかもしれない。
とんだメンヘラ野郎なのか、なんかセンチメンタルな気分になってしまった。
休み少なく働いていながらもそんな生活を過ごせている彼と、休み少なく働いていながらそれを言い訳にして変わらぬ自分と。
別れを告げてからそう近くない場所で見た夕焼けに儚さと悲しさを照らし合わせながら、これからどうしようなんて思っても、この先どうすればいいのか視えることもなく。
恨み辛み憎しみの負の感情とは真逆ながら、表し難いこの気持ちはなんなんだろう…と問うてみるも答えは出なくてなんとも歯がゆい日だった。
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