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不登校解決サービスToCo | CEOロングインタビュー

子育てチャンネルの特集として、不登校解決サービスを提供するToCo(トーコ)株式会社のCEO、青山登氏にお話を伺いました。不登校問題に特化したサービスで、業界内外から高い評価を受けるToCo。その創業背景やサービス内容、そして青山氏の想いに迫ります。



不登校解決にかける想い

青山さん、本日はお時間をいただきありがとうございます。まず最初に、ToCo(トーコ)を立ち上げたきっかけや想いについて教えていただけますか?

青山登氏(以下、青山): こちらこそお声がけいただき、ありがとうございます。ToCoを立ち上げた背景には、私自身の家庭での経験があります。実は、私の子どもが中学生の頃に不登校になりました。その時、どう対応すれば良いのか全く分からず、様々な情報を探し回りました。しかし、インターネット上には断片的な情報しかなく、具体的な解決策にたどり着くのが非常に難しかったんです。

それは本当に大変だったのではないですか?

青山:はい。子どもの未来に関わるため、焦りと不安が大きかったです。不登校に関連するサポートを提供する団体やサービスに相談することもありましたが、どれも高額で、正直なところ効果が分からないものもありました。そこで、「信頼できる情報をワンストップで提供し、手頃な価格で効果的な解決策を提示できるサービスが必要だ」と強く感じました。


サービスの仕組み

ToCoのサービスは、具体的にどのような仕組みで不登校の解決を支援しているのでしょうか?

青山: 私たちのサービスは、大きく分けて「不登校要因診断」と「再登校支援」の2つのステップで成り立っています。

最初に、不登校要因診断では、保護者の方を通じてお子様にアンケートを行います。その回答をもとに、AIが不登校の要因を分析します。この結果を児童心理司がカルテとしてまとめ、さらに精神科医とカウンセラーがチェックして内容を精査する仕組みです。

再登校支援では、分析に基づいて、お子様にとって最適な対処法を保護者にお伝えします。そして、進め方に対する不安や、期待した成果が得られない場合のフォローを徹底しています。この段階では、児童心理司が窓口となり、専門家チームと連携してサポートを行います。

保護者の方が主体となってお子様をサポートするんですね。それは独特なアプローチだと感じます。

青山: はい。お子様への働きかけは、基本的には保護者の方にお願いしています。それは、私たちは「親子の信頼関係」を何より大切に考えているからです。専門家が直接関わると一時的な改善は見られるかもしれませんが、それが長期的な解決につながるかは別問題です。親子で共に成長し、ストレスを乗り越える力を育むことが、根本的な解決だと考えています。


業界でNo.1評価を受ける理由

2024年9月1日から11月25日に実施された調査(顧客マーケティングリサーチ)にて、国内の不登校関連サービスにおける「信頼度No.1」「専門家推奨No.1」「知人に薦めたいサービスNo.1」の3部門でトップ評価を獲得。(小中学生の保護者3,125名、スクールカウンセラー1,309名の有効回答)

ToCoは「信頼度No.1」「専門家推奨No.1」「知人に薦めたいサービスNo.1」と、複数のランキングでトップ評価を受けていらっしゃいますね。その理由について、どう分析されていますか?

青山: ありがとうございます。私たちが評価いただいたポイントの一つは、サービスの透明性です。不登校の原因と解決法について、どのような医学的根拠を持って支援しているのかをすべて明確にしています。

また、再登校支援AIを活用することで、大量のデータを分析し、信頼性の高い結果を提供できている点も大きいと思います。カウンセラーや精神科医の方々からも「データに基づいた説得力がある」と評価されています。

透明性とデータの活用が信頼につながっているのですね。それが専門家や保護者の方々からの高い評価にもつながっていると。

青山: そうだと思います。私たちは、日本国内だけでなく海外の研究データや先行事例も活用しています。サービスを作り上げる過程で培ったノウハウを、これからも信頼できる形でご提供したいと考えています。


価格設定への想い

ToCoのサービスは、一式3万円と非常に手頃な価格ですね。なぜここまで安く提供できるのか教えてください。

青山: まず、なるべくご家庭の負担を減らすために、経営のスリム化を継続しています。具体的には、営業活動を行わず、すべてのサービス内容と料金をウェブサイトで公開して、クロージングのような無料面談は行っておりません。また、再登校支援AIを活用することで、少人数の精鋭チームでも多くの家庭を支援できる仕組みを構築しています。
背景にある理由は、まずはこの業界全体の価格を是正したいという思いがあります。

利益よりも、まずは業界全体の改革を目指しているということですね。

青山: はい。私たちのサービスを利用する家庭が増えることで、他社もより低価格でサービスを提供する方向に向かうことを期待しています。不登校に悩むすべてのご家庭が気軽に頼れる状況を目指していきたいと思っています。


不登校問題の社会的背景

青山さん、不登校というと「学校に行かないことは悪いこと」と捉える人も少なくありません。自分も一児の親なので、やはり学校に行ける子どものほうが良いのかと思ってしまいます。その点についてはどうお考えですか?

青山: その考え方は今の社会通念の中では避けられない見方だと思いますが、不登校は必ずしも悪いことではなく、一つの選択肢だと思います。実際に、学校に行かないことで救われる子どももいます。また、子どもや家族で話し合った上で学校以外の選択肢を選ばれたとしたら、それは尊重される決断だと考えています。
ただ、不登校になる理由や背景がストレスや環境要因によるものであれば、その原因を解決しない限り、子どもの将来に影響が出ることもあります。

例えばどのような影響が考えられるのでしょうか?

青山: 学校という場は、学問を学ぶだけでなく、同年代の子どもたちとの交流を通じて社会性を身に付ける大切な場です。友情や競争、時には恋愛など、社会で生きるための力を自然に育む場所でもあります。それが欠けてしまうと、後々の人間関係や自己肯定感に影響を与える可能性があります。

なるほど。学校には学び以外にも大切な役割があるということですね。ただ、学校以外でその力を育む方法もあるのでは?

青山: おっしゃる通りです。近年では、オンラインでの学びやフリースクールなど、学校以外の選択肢も増えています。しかし、それを選ぶ場合でも、本人や家族が主体的に納得していることが重要です。「行きたくても行けない」という状態は辛いですし、それを放置してしまうと精神的な負担がさらに増すことがあります。


600人以上の再登校実績

現在までに多くの子どもたちを再登校に導かれていますが、実績としてはどれくらいになりますか?

青山: 2025年1月時点で、約600名のお子様を支援しています。その内訳は、小学生が約260名、中学生が約340名です。この半年でお問い合わせが加速度的に増えておりまして、チーム増強を進めています。

想像以上に多くの方が利用されていますね。この600名という数字にはどのような思いがありますか?

青山: 本当にありがたいことです。不登校は個別の要因が絡み合う非常に難しい問題です。その中で、一人ひとりに向き合い、結果として再登校につながったことは、チーム全員の努力の賜物だと感じています。ただ、現状国内だけでも35万人近くの不登校で悩んでいる家庭があります。私たちの目標はこの数字に満足することではなく、不登校で悩む全ての家庭を支えることです。


競合サービスについての見解

昨年、不登校関連サービスで「スダチ」という企業が高額請求や炎上問題で話題になりました。この件についてどのように捉えていますか?

https://toyokeizai.net/articles/-/841868

青山: スダチさんについては、とても真摯にサービスを提供されている企業だと思います。実際に多くの不登校の家庭を支援されてきているので、志は同じだと感じています。
炎上については報道以上の情報は持ち合わせていませんので、特にコメントはありません。ただ、業界全体としては過渡期にあると感じています。不登校支援サービスはまだまだ整備が追いついていない分野で、価格設定もばらつきが大きいのが現状です。

価格のばらつきというのは具体的にどういうことでしょうか?

青山: 例えば、数十万円から100万円以上かかるサービスもあれば、私たちのように数万円で提供しているところもあります。この差は、サービスの内容や提供体制の違いによるものですが、消費者から見ると非常に分かりにくいですよね。私たちは、低価格で質の高い支援を提供し、この業界の健全な成長を後押ししたいと考えています。


ToCoの差別化ポイント

他の不登校支援サービスとToCoさんの違いについて、もう少し詳しく教えていただけますか?

青山: 大きな違いは、私たちが「再登校」を目的としない点です。私たちの目標は、お子様が自分のストレスを乗り越える力を身に付け、その結果として再登校ができるようになることです。そのために、まずは保護者の方のサポートに徹しています。

保護者の方のサポートというのは具体的にどういうものですか?

青山: 例えば、お子様との接し方や声掛けのタイミング、言葉の選び方など、具体的なアドバイスを行います。また、進め方に不安を感じた場合や、期待通りの結果が得られない場合にも随時相談を受け付けています。その際、精神科医や児童心理司の専門家チームが保護者の方をサポートする形です。

サポート体制が非常に手厚いですね。他にはどのような特徴がありますか?

青山: もう一つの特徴は、「不登校予防サービス」を提供している点です。不登校は、突然始まるものではなく、何かしらの兆候が前段階で現れることが多いです。私たちはその兆候を早期に察知し、未然に防ぐためのプログラムを家庭や学校向けに提供しています。



不登校予防の重要性

先ほど「不登校予防サービス」のお話が出ましたが、具体的にどのようなプログラムを提供しているのでしょうか?

青山: 私たちの予防サービスでは、家庭や学校で活用できる「不登校リスクチェックリスト」と、それに基づいた対処プランを提供しています。例えば、「最近、学校の話をしなくなった」「朝の準備が極端に遅い」など、不登校の兆候となり得るサインを可視化し、早期に対処できるよう支援しています。また、学校の先生方に向けては、不登校の兆候を見逃さないための生徒別カルテの提供を行っています。

学校側にもアプローチされているのですね。どのような反応を得ていますか?

青山: 非常に好評をいただいています。不登校の要因は、家庭内の問題だけでなく、学校での人間関係や学習環境も大きく影響します。先生方も、「早く気付いてあげられれば」という思いを持たれていながらも人手不足などで後手に回りやすい現状のため、そこを補佐するサービスとして喜んでいただいています。また、学校と家庭が連携することで、不登校の発生を防ぐ効果も確認されています。

家庭だけでなく、学校も巻き込んで問題に取り組む。そのアプローチがToCoさんの独自性ですね。

青山: ありがとうございます。不登校という社会課題に向き合うには、家庭と学校が連携することが不可欠だと考えています。



不登校の「見えないコスト」

不登校の問題には経済的なコストだけでなく、見えないコストもあるように感じます。その点について、青山さんのお考えをお聞かせください。

青山: はい、確かに「見えないコスト」というものが存在します。不登校のお子様が抱える精神的なストレスや自己否定感、ご家族が感じる不安や孤独感などは、数値では測りきれない影響を与えます。また、放置することでお子様の将来的な選択肢が狭まる可能性もあります。

将来への影響とは具体的にどういうことですか?

青山: 例えば、学校に行かないことで学びの機会が減少し、その結果、進学や就職の際に不利になるケースがあります。また、長期間社会との接点がないまま過ごすと、社会的なスキルが身に付かず、将来の人間関係や職場での適応に苦労することも考えられます。私たちは、こうした「見えないコスト」を減らすことも使命だと思っています。

そのためにも、早期の対応が重要ということですね。

青山: その通りです。当社が、お子様やご家庭が困ったときに、すぐに頼れる場所になれることを目指しています。


不登校支援に込める未来へのビジョン

ToCoのサービスを通じて、最終的にどのような社会を目指していきたいと考えていますか?

青山: 私たちが目指すのは、「不登校で笑顔を無くす家庭がゼロになる社会」です。不登校自体は悪いことではありませんが、困ったときに適切なサポートが得られず、悩みや不安を抱えたまま過ごす家庭がなくなることが理想です。

また、もっと長期的な目標としては、「不登校を問題視する社会」ではなく、「学校以外の選択肢が充実している社会」への挑戦も各省庁と並行して行っています。多様な生き方が尊重され、学校以外の選択肢も当たり前のように認められるような社会の重要性が高まっていると考えています。

素晴らしいビジョンですね。そのために、ToCoさんとして今後取り組みたいことは何でしょうか?

青山: まずは、サービスのさらなる拡充です。不登校のお子様だけでなく、そのご家族様のケアも強化したいと考えています。また、自治体や教育機関との連携を深めることで、地域全体で子どもたちを支える仕組みを構築していきたいです。

サービスの提供範囲がどんどん広がっていきますね。

青山: そうですね。不登校問題は一つの家庭だけでは解決できないケースが多いです。だからこそ、社会全体で支援し合える仕組みが必要だと感じています。


最後に親御さんへのメッセージ

最後に、不登校で悩む親御さんたちにメッセージをお願いします。

青山: まず、不登校は決して親御さんの責任ではありません。誰にでも起こり得ることです。そして、不登校のお子様も「弱い」わけではありません。むしろ、困難な状況に立ち向かおうとする力強さを持っています。

ToCoは、その第一歩を踏み出すお手伝いをするために存在しています。お子様と一緒に笑顔で前を向けるよう、全力でサポートさせていただきます。

青山さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。ToCoさんの取り組みがさらに多くの家庭を支え、不登校という課題に新たな道筋を示していくことを期待しています。

青山: こちらこそありがとうございました。不登校で悩むご家庭に、少しでも希望を届けられるよう、これからも尽力していきます。


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