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梟書茶房に行った方がいい理由。

 あまり行かないからと、毎度のごとくテトリス級に打ち合わせ詰め詰めな東京。せめて夜ご飯くらいは友達とワイワイ楽しみたいなと、昨夜は打合せのために長野から出てきてくれた「鶴と亀」小林直博くんと、彼の写真集を出すオークラ出版のみずきと、そして神楽坂かもめブックスのヤナティ(柳下くん)と、まさかまさかの渋谷でシースー!
 気づけば金曜の夜、どこもかしこもいっぱいで、困った末にヤナティが連れてってくれたんだけど、いや〜穴場穴場。なんだかいい塩梅の、使いやすいお寿司屋だったなあ〜。いいとこ教えてもらったわ。

 って、お寿司屋さんの話したいんじゃなかった!

 今回書きたかったのは、そんな(どんな?)ヤナティがプロデュースしたブックカフェ『梟書茶房(ふくろうしょさぼう)』(Esola池袋4F)のこと。オープンしてまだ一週間ながら、とにかく早く行きたくて仕方なかった僕は、ついに今朝行ってきたんだけど、いや〜〜〜、ほんっとにすごかった!!!

 で、何がすごかったのかを、ちょっと説明したいんですよ。したくなるんですよ。そういうお店なの。だから聞いてください。

 この「梟書茶房」は、書房+茶房で、書茶房なんで、つまりはカフェと本屋さんが合体したお店なんだけど、それはまあ言ってみれば、TSUTAYA+スタバや、未来屋書店+タリーズ的な世界ですでに僕たちも当たり前にその相性の良さを感じてはいるじゃないですか。

 で、そんな座組みの話でいうとですね、このお店、まさかまさかのドトールコーヒーの新規店なんですよ。だから僕目線で言うと、ドトールとヤナティのコラボ。だからヤトール、いや、ドナティなんですね(意味不明)。

 で、とにかくこのお店一番の特徴は、ヤナティがセレクトした約1200種類、2000冊の本が全部、袋とじされてるってこと! どういうことかというと、ほらこんな感じで

 統一のブックカバーをまとって袋とじされた本が、本棚にズラリ並んでるわけです。お客さんは、その上にある白い紙にかかれたいわゆるアオリ文だけを頼りに、本を手に取り、中の本を想像しながら、ピンと来たら買ってみる。っていう、そんな本屋さん。

 さっそく僕も、名前がさとしの人あるあるな感じで、智士=三十四=34を手にとって、ヤナティの書いた煽りを読んで、まんまと買っちゃいまいした。

 で、ちょっと本好きな人はここで、それって要は「文庫本葉書」(ブックピックオーケストラ)とか、「文庫X」(盛岡さわや書店)の焼き直しでしょ? とかいう人が絶対いると思うけど、それね、ほんと後悔するから言わない方がいい。袋とじ→ふくろうとじ→「梟書茶房」(池袋もかかってるよね)って、ダジャレはいいとして、さっきも言ったけど、このお店、ドトールコーヒーの新規店なわけですよ。その壁面を見事に有効活用しているわけです。で、こっから大事だからよく聞いてね。

 本っていうのは、とても特殊な商品ですよね。とんでもないくらい多種多様な商品知識が求められる。そのスペシャリストが書店員さんなわけです。だからこそ書店というのは、各カテゴリーそれぞれに担当さんがいる大型書店さんか、ある分野に特化した専門店、もしくは京都誠光社の堀部さんや、東京荻窪Titleの辻山さんのように、本に対する知識が確かな店主が作る、小さくもスペシャルな書店かの、どちらかに絞られてきているのが現状だと思うんですね。

 だから、こういった商業施設のなかにある大型書店+カフェチェーンのお店は、単純に言うとレジが二つある。つまり本屋は書店員さんが、カフェはカフェスタッフが、とオペレーションが分かれている。

 ところがですよ。「梟書茶房」の場合、商品である本たちが全部袋とじで1200種類。これは想像に難くないと思いますが、他の書店さんに比べて限りなく商品の種類が少ない。しかも順番にナンバリングされてるから、在庫の補充もナンバー順に並べればそれでいい。オペレーションが超絶シンプル! つまり、カフェ店員さんが頑張って書店員さんにならなくても、美味しいコーヒーと笑顔があればそれでいいわけですよ!

 それよりも普段本を読まない人に本と出会わせる装置として機能していればよくて、実際お客さんのスマホ見てない率の高さ! なんかもうみんな幸福だなこの仕組み、って思いました。ぷはー!ヤナティくっそ、あいつ超賢けー! 本そのものへの愛も、既存の書店さんへのリスペクトも、ヤナティの頭髪のようにアフロてる、いや溢れてる!(ヤナティ、アフロじゃないけど)

 で、ドトールの新規店だからコーヒーの美味しさはもちろん、フードもいかしてるんですよねー。例えばこのブックシフォンとか。

 ね? なんだか僕もブック感出してやろうつって、左手に買った文庫持って、右手にXT10持って、これ結構な格好ですよ、撮ってる僕の姿。だけどそれくらいしなきゃって思うくらいね、いいお店だった。ほんと。

 なんだかハリポタ感溢れる内装やメニューブックなんかも、まんまとテンション上がるし、「お会計の際にはこれを」って渡されるのが鍵だったりして、いや〜まさに魔法をかけられちゃったなー僕、ほんと魔法がかかる編集がされてるなぁって思い……ん? このワードなんか聞き覚えが……

 あ!僕の本のタイトルやん!

 ということで、「魔法をかける編集」(インプレス)7月14日発売です!


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