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#30 横山健と私。

私は現在うつ病で療養中の40代の男性だ。
今日は通院の日。予定より早く起きてしまっったため珍しくこんな時間に記事を書いている。

ここまで好きなアーティストについて色々と書いてきたが私にとって一番人生に影響したであろうアーティストは横山健だ。

横山健は我々の世代では知らない人いないであろう、それどころか今の若い人たちや活躍しているバンドにも大きな影響を与え日本にメロコアブームを巻き起こしたHi-STANDARDのギタリストである。
ハイスタだけでなく現在はソロ名義のバンドのKen Bandでも第一線で活躍する日本を代表するバンドマンだ。

私が初めてハイスタを聞いたのは高校生の頃に友人宅でMDで聴いた「ANGRY FIST」が最初であった。当時はパンクが自分の中で一番アツかったこともあり冒頭からすっかりハマってしまった。
数日後に自分でアルバムを買いに行ったのを覚えている。
当時の少ないお小遣いで中古で「ANGRY FIST」と輸入盤の「Growing Up」を手に入れた。

もちろんギターでもコピーしようとして「ANGRY FIST」のバンドスコアを購入して一所懸命練習したのも懐かしい。
確か一番初めにコピーできたのは「HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN」だった。この曲がカバー曲だと知ったのはだいぶ後のことだったが。

そこからはより音楽とギターにのめり込むようになり他のGREEN DAY、NOFX、No Use for a Nameなど海外のメロコアバンドも聴くようになった。
日本でもHusking BeeやBrahmanなどをよく聴いた。

そしてついに日本のバンドシーンにおいて重要なアルバム「MAKING THE ROAD」がリリースされた。もちろんすぐに入手し聴きまくった。

当時は自転車通学でMDウォークマンで音楽を聴きながら通学していたのだが行きと帰りでちょうどこのアルバムを一枚聴き終わるというちょうど良い時間でTURNING BACKから始まるキラーチューンで朝からテンションを上げ、帰りはちょうど日本海に流れる河口に続く川沿いの長い道をBRAND NEW SUNSETを聴きながら帰るというのがとても思い出に残っている。

こうしてハイスタに出会い音楽によりのめり込んだおかげで音楽系の仕事につきたいと考えるようになり上京することを決めたのだった。

残念ながら上京する頃には健さんはうつ病を患ってしまい色々とありハイスタは活動を休止してしまうのだが専門学校時代に健さんとお話しできる機会が訪れたのだ!
学校主催のセミナーだったのだがちょうどソロ活動を始める少し前の頃だった。かなりの倍率の抽選だったが運よく当選しお話を聞くことができた。
当時の健さんはうつ病からようやく立ち直りかけた頃で今の健さんと比べるとあまりふざけることもなくおとなしく元気がなさげであった。

ちょうど今の自分がそんな感じなのでとても気持ちがよくわかる気がする。

そしてセミナーの最後に質問コーナーがありそこでも運よく指名された私はテンパりながらも自分は将来音楽系の仕事につきたいのですがどうしたら慣れますかみたいな内容の質問をしたのだがそこで健さんは一言、

色々な困難があるけれど精進してください

結果音楽系の仕事では精進できなくすぐに別の職に就くのだがその後の人生でもその時もらった「精進」という言葉は大切にして生きているつもりだ。

Ken Bandになってからも新曲は欠かさず聴いておりライブにも足を運ぶこともできた。

そして2011年、ハイスタの復活とAIR JAMの開催がアナウンスされるとものすごく興奮した。震災の後で暗い気持ちだったり当時付き合っていた彼女と別れたりと色々と落ち込んでいたがなんとものすごい申込数だったというAIR JAMのチケットも当選してしまったのだ!

健さん絡みだと何かと強運を発揮してしまう。

もちろんAIR JAMは最高のイベントだった。
出演バンドも好きなバンドや事前に聴いてみて好きになったバンドが多くほぼ休憩なしで一日通して楽しんだ。
特にFACT、PTPがAIR JAMを通して初めて知ったバンドでその後も自分にとって大好きなバンドになった。
そしてイベントも終盤、盟友Brahmanの後ついにHi-SANDARDの登場だ。

出てきた瞬間健さんが愛機のレスポール「HONEY」を手にして出てきた瞬間ハイスタが帰ってきたという実感が押し寄せて感情がぐちゃぐちゃになり代表曲「STAY GOLD」が始まりさらに感情はめちゃくちゃになった。
その後のことは興奮のあまり無心で楽しんだためほぼ覚えていないがとにかくすごいものを観たという気持ちでいっぱいだった。

きっとこの先も一生覚えてる1日になっただろう。

だいぶ長くなってしまったが最近も健さんに救われたことがある。
昨年の秋頃にリリースされた「These Magic Words」という曲がある。
そのサビでこう歌われている。

"Oh Yeah, it's alright. It's gonna be OK"
大丈夫さ、そのうちOKになる

うつでかなり沈んでいた自分にとってこの言葉にどれだけ勇気づけられたことか。
死にたくなるような夜はこの曲をリピートで聴きながら夜道を何時間も歩いて自分を奮い立たせた。
同じうつ病を乗り越えた健さんの言葉だからというのもこの言葉により説得力を持たせていいる。

本当に、本当にこの曲に救われた。
この曲がなかったら今の自分はいなかったかもしれない。

これからも続くうつとの戦いでもこの曲があれば立ち向かっていける気がする。

本当に私とっては魔法の言葉となった。
健さんに人生を救われたと言ってもいい。
おそらく私以外にも救われた人は数多くいるだろう。

健さん本当にありがとう。
これからもずっと応援してます。

健さんは私にとっての恩人です。

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