ホモサピエンスは進歩か退歩か

アインシュタイン生誕145年(2024年)

1930年ベルリンのアインシュタインの別荘で
アジアで最初のノーベル賞受賞のインド詩人タゴール(T)と
科学者A.アインシュタイン(E)がヒト族を代表して
デイスカッションをした話は有名だ。

(T)この世界は人間のもの。科学も所詮は科学者の見方。
(E)真理は人間と無関係に存在する。例えば私が見なくても月は確かに存在している。
(T)あなたの意識には無くても、他人の意識にはある。人間の意識の中にしか月は存在しない。
(E)私は人間を超えた客観性が存在するものと信じている。
xxxxx(以下略)


理論物理学者とインド詩人の対話から、数えて95年目を迎える。
科学の進歩はすさまじい。
1920年代の理論物理学の発展は誰も止められない。
アインシュタイン物理学から花開いた人類のサイエンス世界。
その後の素粒子論世界に集まった科学者たちの顔ぶれを見れば、
まさにホモ・サピエンス世界をリードする科学真っ盛りの様そうだ。
ハイゼンベルグ、シュレジンガー等がリードする天才たちの競争時代が
1920-30年代に顕現した。
相対論、素粒子論から今や「量子重力論」が新たな時代を切り開く時が来た。

さて、子供の頃に接した「ウロボロスの描いた蛇」にひかれた。
文系バリバリの自分には、物理のむずかしい数式は判らないことが多いが、
その後「20億光年の孤独」をうたった詩人の魂に接し
地球の孤独を感じたり、
19世紀末に画家ゴーギャンが描いた大作、「我々はどこから来たのか、我々はどこへ行くのか」を見ながらこの地球、宇宙へと広がる人族の大いなる夢に興味がわいた。

その後は、バリバリの文系バンカーとして、
縁があってアメリカ、インドやパキスタンと世界を渡り歩いて20年近く
世界の人たちとビジネスでデイベートする世界を渡り歩いてきた。

70歳を前に祖国に戻りし時、
湯川秀樹博士のパイ中間子、素領域場理論の難しい理論と共に、
和歌
「天地(あめつち)は万物の逆旅(げきりょ)なるかも
鳥も人も、いずこよりか来て、いずこへにか去る」に
接していたく心に響いた。

現代物理学の進歩はすさまじい
理論物理と大型加速器等観測技術の長足の進歩で、ヒト族は138億年
の宇宙のプロフィールを明らかにしてくれる。
ー我々はどこから来たのか、
今ならシロートの自分でも
宇宙誕生時にできた物質(粒子)世界から、時を経て星の欠片から
出来上がった生命の構造を理解できる。
ー我々はどこへ向かっているのか
今なら、50億年前の太陽の誕生、40億年前の地球の誕生まで
小学生でも理解できる。
1998年観測で判明した加速膨張を続ける「我々の宇宙」の中で、
孤独の水惑星「地球」は、仲間の星々がどんどん遠くへ遠ざかりますます
孤独を究める。
理論物理学者殿は、
これから40億年もたてば
最も近くにあるアンドロメダ銀河が我々に接近し、いずれは地球、太陽系を含む天の川銀河系を飲み込んでしまうと怖いことをサラリとおっしゃる。

2024年3月14日は、アインシュタイン誕生から145年。
さて
我々ホモ・サピエンスは、宇宙の姿をここまで理解を深めるが
これからどこに「永遠の都」を見つけるのだろうか。
1980年代
フリーマン・ダイソン氏が、人類は地球を出て近くの銀河まで
移動する夢を描いてくれたが、現代物理学は、それではすまない宇宙の動きを暴いて見せる。
そんな人族の壮大なロマンある物語が出来つつある中で
この「ちんまい地球」村社会で、
わずか5000年前の旧約聖書に書かれたという
大イスラエル国をナイル川とチグリスユーフラテス川の間に建設するために
住民のパレスチナ人に対し
ジェノサイド的殺りくを繰り返し
全員ガザ・西ヨルダン地区から追い出してエジプトのシナイ半島に
難民として追い出す計画をする
極右イスラエル政府とそれを黙認する世界最強の民主主義国あめりかの
現状を見るにつけ
人間という知的生命体の未来はどうなるんかいと思わざるを得ない。


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