「のび太」という生きかた
こんばんは。ながいです。
今回紹介するの本は著者横山泰行さんの「のび太」という生きかたという本をご紹介します。
この本を手に取った経緯としては
帯の40万部シリーズに目を惹かれ、馴染み深いドラえもんの「のび太」という名前からインパクトを受け、どんな本なんだろうと興味本位からつい手にしました。
本書をまとめるとのび太は実は、人生の勝ち組で、失敗の連続から成功へつなげる37ののび太メソッドと著者ののび太愛に溢れた一冊でした。
前段を読み進めていくと
これってドラえもんが道具を出してくれているから成立している話なのでは?と腑に落ちない部分がいくつもあったのですが最後まで読んでみると人間に不可欠な欲求と素直さと感情表現の豊かさをのび太というキャラクターを通して綴った一冊でした。
その中で腑に落ちなかったエピソードと感銘を受けた話をいくつかご紹介します。
前者の腑に落ちなかった「月の光と虫の声」という話では
虫の音楽会を開催するスネ夫に対して素直に羨ましいと思ったのび太がひみつ道具「花のつゆ」をドラえもんに出してもらいます。その道具はどんな虫でもきれいな声で鳴くことができるようになりたちまち家の庭では虫の音楽会を開くことが出来たのです。
もちろんこの後にオチが発生するのですがこの話の中では
悪口を言わず、行動を起こすためにはのび太のように、まずは他人の素晴らしい面を素直に「いいな」と肯定する姿勢が必要であること、
そして妬んでしまったら、マイナスのエネルギーが発生して、他人ばかりでなく自分自身もすさんでしまうことを説いています。
ここでひみつ道具が登場することによって、他人を妬む機会が極度に減り、のび太の人生も大きく好転したと考えられています。
このエピソードの思惑として作者藤子先生はドラえもんがのび太にひみつ道具を渡すことによって、「妬むことよりも行動を起こすほうがずっと建設的である」ということを伝えたかったのでは?というのが著者の考え方です。
確かに、妬むという感情よりも行動する、ということは理解できるのですが、自身としては中々腑に落ちない話の一つとなりました。
次に紹介するエピソードは大長編ドラえもん「のび太と雲の王国」について
この映画は私自身が初めて見たドラえもん映画だったこともあり、詳細に覚えているのですが理科の授業中に突然「天国なんかの雲はどの辺に浮かんでるんですか」といった質問をしたことによって先生には呆れられ、友人にはからかわれてしまいます。そのことを証明するために図書館で様々な文献をあさってくることから始まります。
科学の分野で夢を描くということは実用化に向けての最初のステップとされ、もちろん雲の上の天国はないにしろ、目標を声に出して自己宣言することで目標のファーストステップが形になります。
はじめは周囲から笑いものにされたとしても、夢を諦めずに自己宣言した姿勢が念じ続ければ叶うということを教えてくれています。
名作「さよなら、ドラえもん」では未来に帰らなければならないドラえもんのためにのび太がジャイアンに果敢に挑むエピソードですが、
どんなにピンチが訪れたときであっても大切な人を常に胸に刻むことでゆっくりでも前進することができる、ということが記されています。
他にも
「あの日あの時あのダルマ」ではのび太のおばあちゃんと失敗しても何度でも起き上がるという約束を
「しずちゃんさようなら」では他人の幸せを優先している姿を
「45年後・・・・」では失敗すること、負けることを楽しめるということをのび太というキャラクターを通して伝えています。
今まで何気なく観賞してきたドラえもんでしたが著者の捉え方や考え方は面白く、とにかくのび太愛溢れており、久しぶりにドラえもんを思い返すきっかけとなった一冊でした。
おわり。