なんか思った

なんか思った。

何か美しい瞬間や感情や空間に触れるたびに、日本がこんなにも美しい場所を、人々を植民地化していた事実と、その歴史の延長線上に立っていることに押しつぶされそうになる。この美しさを、美しいものどころか、無意味で、取るに足らない、なかったことにしてもよいものと認識させる力。それを手放すことを怖がって、縋りつづける施政者によって秩序づけられた社会において、私は暮らしてきた。平和に。豊かに。

自分はそこにいない今この瞬間にこそ、あの島の「恥じ」の文化を体感する。
「恥じ」の国。(にも関わらず、他者を、往々にして弱者を搾取することにかけては、一才の恥じらいを見せないこの国の既得権者の冷酷さも、紛れもなくこの国の文化だと思うんだけど。想像上の日本に、そういう傷みはないことになっている。)

自分がたまたまそこに生まれた場所を含む国家という領域に対するアイデンティティを再形成することは、留学中の醍醐味であるとおもう。アイデンティティに刻んだ恥と、それが自分をどうさせているのか。それを含めて私は日本人でしかないのだと、私はきっと言わなければならない。



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