自由学園中等部・高等部

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学園内に広がる環境アクション「小さくても自分にできることから始める」を大切に

ドイツへの留学で、「食から環境問題にアプローチできる」と知った真家有里奈さん(高等部3年生)。 帰国後、そうした食と環境のつながりや行動の選択肢を学園の生徒にも知ってほしいと考え、企画したのが「マクロビオティック昼食」でした。 企画理由や準備について語ってもらった前編に引き続き、後編では実施後の反響や生徒たちに広がった行動、今後学園で実践したいことなどについて聞きました。 ※前後編の後編 ▼前編はこちら ◆ マクロビの考え方を学んだ調理時間 ―― 前編では、当日に向け

    • 生徒が発案も調理も! 200人分のマクロビオティック昼食ができるまで

      2月のとある日の昼食時、自由学園の食堂では、いつもと違う雰囲気が漂っていました。じっくりと素材の味を楽しむ生徒たちに、リラックスした笑顔が広がります。 この日は、高等部2年生(2023年度)の調理担当グループが、マクロビオティックによる食事を調理して提供。中等科・高等科の生徒200人(当時の女子部生徒)がこれを昼食として味わいました。 マクロビオティックとは、穀物、野菜など日本の伝統食を基本にし、動物性タンパク質をできるだけ摂らない食事(調理)方法です。気候変動の影響が年

      • 【在校生&卒業生進路インタビュー】高校生活を全うした先に出合った新しい世界 自由学園最高学部で触れたリベラルアーツの魅力

        「この分野について学びたい」 「将来こんな仕事に就きたい」 こうした想いが明確になる時期は、一人ひとり異なります。幼少期の憧れを温め実現する人、授業などで興味を持った分野を発展していく人がいる一方で、進路を決定する際も方向性がはっきり見えない、絞るのが難しいと感じる人もいます。 西理恵さんは、後者でした。特定の学部や分野の枠にとらわれることなく、幅広く学んで自分の可能性を広げたい。その時の自分の気持ちに素直に向きあい、リベラルアーツ教育を実践する自由学園最高学部(大学部)へ

        • 【在校生&卒業生進路インタビュー】「学園生活が哲学そのものだった」 在学中に深めた興味からエジンバラ大学へ進学

          高校卒業後にどこで何を学ぶのか。その選択肢は、日本国内とは限りません。「学びたいこと」を突き詰めた結果、海外の大学に進学を決めた生徒がいます。 渡辺七都さんは、高等科時代から哲学に興味を持ち、大学ではその学びを深めたいと考え、英国・エジンバラ大学に進学を決めました。 海外の大学を選んだ理由、哲学と学園生活とのつながり、今後の学びの方向性などについてうかがいました。 ◆ 英国の大学を候補にした理由渡辺さんは、高等科2年生で具体的に進学先を考え始めた頃から、海外の大学に興味

          【在校生&卒業生進路インタビュー】憧れの劇団四季への就職を実現 「舞台衣装」に賭けて文化学園大学へ

          「劇団四季でミュージカル創りに関わりたい」 そこから逆算して進学先を選び、実際にこの春劇団四季に就職することが決まっているのは、2019年度卒業の髙田果歩さんです。 子どもの頃から舞台やミュージカルが好きで、ご家族と一緒によく鑑賞していました。好きなことを真っ直ぐに追いかけ、憧れの仕事を手にした髙田さんに、進学先を選んだ経緯や大学での学び、自由学園時代で印象に残っていることなどをうかがいました。 ◆ 舞台を創る人になりたい! 可能性で選んだ「舞台衣装」への道髙田さんは、幼

          【在校生&卒業生進路インタビュー】憧れの劇団四季への就職を実現 「舞台衣装」に賭けて文化学園大学へ

          【在校生&卒業生進路インタビュー】最高学部で開花した知的好奇心と機械技術への興味 デジタル技術の最前線を担う企業に就職するまでの道

          自由学園最高学部(大学部)をこの春卒業し、3Dなどのデジタル技術を活用したものづくり分野で急成長を遂げている「SOLIZE株式会社」に、エンジニアとして就職する栗田匠さん。 高等科から最高学部への進学は、「流れに身を任せる」形で選択しましたが、そこで学びのおもしろさに目覚めます。機械技術を実践的に習得し、さらには元来好きだった「ものづくり」と融合。そして、自身の学びと好奇心を生かせる企業への就職を決めました。 栗田さんは、高等科と最高学部でどのような日々を過ごしたのでしょ

          【在校生&卒業生進路インタビュー】最高学部で開花した知的好奇心と機械技術への興味 デジタル技術の最前線を担う企業に就職するまでの道

          【在校生&卒業生進路インタビュー】「本当にやりたいこと」にチャレンジしたい! 「前提」だった大学受験をやめて「就職」を選ぶまで

          高校卒業後の進路として「進学」が大多数を占める中、大学で学ぶことの意義をじっくり考えて向き合った結果、「まずは就職する」と決めた生徒がいます。 戸川里桜(りお)さんは、高知県安芸市にある「山のくじら舎」という木のおもちゃを制作している工房(会社)で、2024年春からスタッフ(職人)として働く予定です。 高校生になるまで、大学進学を当然のことと捉えていた戸川さん。そんな彼女が就職を選ぶまでの心境の変化、さらには、山のくじら舎との出合い、今後の展望などについてうかがいます。

          【在校生&卒業生進路インタビュー】「本当にやりたいこと」にチャレンジしたい! 「前提」だった大学受験をやめて「就職」を選ぶまで

          【在校生&卒業生進路インタビュー】中学時代の理数系嫌いから一転 指定校推薦で明治薬科大学へ進学できた理由

          高等科1年生の夏に薬剤師を志し、その後コツコツと勉強して指定校推薦で薬科大学に合格。松井新(さら)さんの進路結果からは、「元々勉強が得意で大学進学を選んだ」生徒の姿が連想されます。 ですが、実際の松井さんはそうしたイメージとは異なり、中等科時代は大学にも興味がなく、理数系は大の苦手だったといいます。どのような理由で薬剤師を目指し、薬科大学への進学を決めたのでしょうか。その経緯と学びへの姿勢が変わった理由、大学卒業後の仕事観などについてもうかがいました。 ◆ 化学の授業で起

          【在校生&卒業生進路インタビュー】中学時代の理数系嫌いから一転 指定校推薦で明治薬科大学へ進学できた理由

          【在校生&卒業生進路インタビュー】大学でもアメリカンフットボールを続けたい! スポーツと学びの両立を目指して上智大学へ

          自由学園高等科にアメリカンフットボール部を作り、初代キャプテンを務めた中畝晴登さん。先生の誘いが最初のきっかけでしたが、そのおもしろさに魅了され、卒業後も続けていく道を選びました。 中畝さんは、公募制推薦で上智大学文学部哲学科に進学を決め、2023年春から大学生活を送っています。一時期は進学自体を迷っていましたが、大学受験を決めました。その理由、教科学習への迷い、アメリカンフットボールと学業の両立にかける熱い想いなどをうかがいました。 ◆ アメフトに夢中になった高等科時代

          【在校生&卒業生進路インタビュー】大学でもアメリカンフットボールを続けたい! スポーツと学びの両立を目指して上智大学へ

          【在校生&卒業生進路インタビュー】在学中の学びで確信した情熱 「建築で生きていく」と決めて東京都市大学へ

          旅立ちの春、はじまりの季節が近づいてきました。 学びコラムではこれから数回に渡り、進路が決定したばかりの在校生および卒業生へのインタビューをお届けします。 一人ひとりに異なる経験や想いがある中で、どのように進路を選択したのか、学園での学びはどのように生かされているのか。それぞれに語ってもらいました。 「建築といえば海人だよね」 同級生からそう一目置かれているのは、今春卒業予定の一柳海人さん(男子部高等科3年生)です。一柳さんは、2020年に開始した自由学園旧男子部体育館(

          【在校生&卒業生進路インタビュー】在学中の学びで確信した情熱 「建築で生きていく」と決めて東京都市大学へ

          変わる入試制度 「これをやりたい」「学びたい」がますます重視される時代に

          年明けからの約3カ月は怒涛の受験シーズン。1月の共通テストからはじまり、2月は私立大学一般入試、3月の国立大学2次試験まで続く……。こうした一般入試中心の受験スタイルは、この数年で大きく変化しています。 入試全体の多様化が進む中、いわゆる「推薦入試」が増え、全体の半数以上を占めているのです。推薦型の入試は年内には合否が確定することから、「年内入試」とも呼ばれています。 一般入試での合格を目指して高校3年間必死に勉強しなくては、希望大学への入学は難しい……。たとえ推薦入試で

          変わる入試制度 「これをやりたい」「学びたい」がますます重視される時代に

          【高校生が本格インターン(後編)】全員必修の「インターン制度」を創った理由 生徒が社会で学びつながる機会を学校が保障する意義とは

          本年(2023年)11月より開始した自由学園のインターンプログラム「飛び級社会人」。それに先立ち実施したプレインターン時に、アパレル販売を通じてアフリカ支援を行う「CLOUDY」(クラウディ)へインターンした北村紫帆さん(高校3年生)に話を聞いています。 前編では、インターンの内容やそこで感じたこと、参加後の心境の変化などについて語ってもらいました。後編は、プログラム設計に携わった山本太郎先生にも加わってもらい、制度を創った目的やそこに込めた想いなどについて聞きました。 ※

          【高校生が本格インターン(後編)】全員必修の「インターン制度」を創った理由 生徒が社会で学びつながる機会を学校が保障する意義とは

          【高校生が本格インターン(前編)】多様な企業・団体で学ぶ「飛び級社会人」が始動! プレ企画を経験した生徒は何を感じ、どう変わった?

          自由学園では、高等科生徒がインターンを体験する独自のプログラム「飛び級社会人」を11月より開始しました。 初年度となる今年(2023年)度は、80名が21の多種多様な企業・団体へインターン。本プログラムは高校2年次の必修で、全生徒が参加しています。 本格実施の前段階として、昨年度(2023年2〜3月)志望者のみで試験的にプレインターンを実施しました。今回は、一足先にこの様子を紹介するとともに、高校生がインターンを経験する意義や制度設計に込めた想いなどについても解説していきま

          【高校生が本格インターン(前編)】多様な企業・団体で学ぶ「飛び級社会人」が始動! プレ企画を経験した生徒は何を感じ、どう変わった?

          【共学化への道番外編②】共学の先にあるのはどんな世界? 自由学園が目指す「真に平和なコミュニティ」とは(後編)

          2019年冬の共学化発表以降、断続的に起こった生徒からの反発について、【共学化への道番外編】として3名の先生に話を聞いています。 前編では、反発の理由を先生方がどう捉えたのか、女子部・男子部のアイデンティティとは何か、多様な社会に向けた共学化の必要性などが語られました。 後編は、共学化だけでなく、自由学園の学校変革の全体像、そして「これからの自由学園が目指すミッション」についても話が広がりました。 ※自由学園は、「人々が共に生きる平和な社会を作り出す感度を持つ人を育てる

          【共学化への道番外編②】共学の先にあるのはどんな世界? 自由学園が目指す「真に平和なコミュニティ」とは(後編)

          【共学化への道番外編】生徒の反応・反発 校長・教頭・スクールソーシャルワーカーはどう感じた?(前編)

          2024年度から共学化される自由学園。学びコラムでは、現在生徒主導で行われている「共学化係」の活動にフォーカスし、その内容や活動に関わる生徒・教員の想いなどを取り上げてきました。 こうした生徒たちの行動や反応を、「学園運営側」の立場にある先生方は、どのように受け止め、何を思ってきたのでしょうか。 女子部部長(校長)の更科幸一先生、女子部中等科・高等科教頭の濱野稔子先生、スクールソーシャルワーカーの入海英里子先生の3名に話を聞きました。 ※自由学園は、「人々が共に生きる平

          【共学化への道番外編】生徒の反応・反発 校長・教頭・スクールソーシャルワーカーはどう感じた?(前編)

          多数決に頼らない合意形成 そのプロセスを学びに! 生徒も先生も経験のない「ゼロからの仕組み創り」に挑戦 【共学化への道・教師編】

          2024年度に実施される男女共学化に伴い、生徒から自発的に声があがり、共学後の学校生活の仕組みづくりに向けて活動を開始した「共学化係」。 ☞ 係の生徒に話を聞いた「生徒編」についてはこちら ↓↓↓ 今回は、「共学化係」の担当教員で、中等科教頭の山縣基先生に、教師側から見た共学化係の活動、生徒の姿、合意形成への想いなどについて話を聞きました。 ■ 「主役はあくまで生徒」 担当教員の立ち位置は?――「共学化後の学校生活の仕組みを自ら決めたい」という生徒たちの声について、どう

          多数決に頼らない合意形成 そのプロセスを学びに! 生徒も先生も経験のない「ゼロからの仕組み創り」に挑戦 【共学化への道・教師編】